4/6
リーズベルトの想い
このままではいけないと、自分でも分かっている。
しかし、どうすれば良いのか
全く見当がつかないのだ。
昨日はソレイユの誕生日だったが
「おめでとう」の一言すら言えず、
用意していた贈り物も渡せずにいた。
屋台で目にした銀の蝶のブローチは
優雅で美しく、アイリスを彷彿とさせた。
思えばあの子は母親の形見となるものを
何ひとつ持っていない。
贈れば喜んでくれるだろうか……。
しかし、アイリスへの後ろめたい気持ちが
邪魔をして、私は屋根裏部屋の前で
2時間ほど立ち尽くしていた。
「旦那様、このままでは日が暮れてしまいます」
レンがため息をつく。
「……」
「仕方ないですね、
僕がお嬢様に渡してきましょうか?」
「……すまない。くれぐれも私からの
贈り物だということは秘密にしてほしい」
レンは困ったように笑うと頷いた。
彼がドアをノックするのを見届けると
私は仕事へと戻った。
ソレイユはきっと
私を嫌っている。
だから、これでいいんだ。




