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67.

「どうした?エヴァ」

「あのおばあさんが指したのは、私たちが来た道ですよね?アレクシス様が後を追ってこの道に来たのなら、ロザリンドがこの道を引き返せば、アレクシス様と鉢合わせするはずですよね?それなのに、アレクシス様が会わなかったのは不自然ではありませんか?」

 アレクシス様とミゲルに疑問に思ったことを話してみる。

「そういえばそうだな。何で鉢合わせなかったんだ?」

 アレクシス様も疑問に思ったみたいで、ミゲルも考え込んでいる。

「もしかして、あのおばあさんが見たのはロザリンドではなくて、別の人だったんじゃないですか?」

「それか、おばあさんが嘘をついている可能性がある……?」

 何でおばあさんが嘘をつく必要があるの?

 おばあさんが、麻薬の売人と繋がりがあったりするの……?


 






「ありがとう、おばあさん。これはお礼よ」

 おばあさんの手に銀貨を握らせる。麻薬の売人が見つかったなんて嘘。

 麻薬を譲り受けたときに、あの薬のことは内密にとの約束だった。麻薬のことがバレると私の命が危ない。口止めされていたけど、私の失態で薬のことがバレた。

 私は、あの薬が危険なことを知っている。だから、もう二度と薬は使わないけど……。

 私の荷物の中に脅迫状らしきものが入っていた。

 いつの間に入れられたものか分からないけど、『分かっているな?一人で指定の部屋に来い。誰にも気づかれるな』と書かれていた。

 麻薬の売人を捜しに街へ行くというと、アレクシス様も「俺も行く」とついてきた。

 私は何とかしてアレクシス様を撒いた。

 そして、たまたまそこにいたおばあさんに『悪者に追いかけられてるの、助けて』って頼んで、わざわざ嘘をついてもらうよう頼んだ。

 私は反対の通りに出て目的地まで向かう。これで、アレクシス様を撹乱することができる。おそらくいなくなった私を探してエヴァ様もミゲル様も街に出るはず。

 そして思惑通りに、アレクシス様はミゲル様とエヴァ様を城から連れ出してくれた。

 三人が出て行ったのを確認して、目的の部屋の前まで急いだ。

 扉の前に立ち、何とも言えない緊張感が高まる。

 ここまで来たら後には引けない。

 扉をノックすると、すぐに扉が開いた。

「待っていたよ、ロザリンドさん」








 私たちはさっき、おばあさんがいたところまで戻った。おばあさんを見つけ、問い詰めると、おばあさんはアッサリ嘘を認めた。困っている女の子を助けたかったと言っていたけど、謝礼をくれたから仕方なく嘘をついたと白状してくれた。

 となると、ロザリンドは一体何をしようとしているの?

 何で関係ないおばあさんまで巻き込んで……。

 ロザリンドはどこに行ったの?

「闇雲に捜しても見つからないな、ここは一旦引き上げてアガザエルトから兵士を数名駆り出せないか聞いてみた方が……」

「アレクシス様、今の私たちは行商人です。それは難しいのではないでしょうか?」

 アレクシス様の意見は名案のようにも思えたけど、それは私たちがルディスタンの貴族であれば、可能なことかも知れないけど……。

 でも、今さらここで私たちが貴族だってことを知られたら大騒ぎになる。

「取り敢えず、一旦王城に帰りましょう。もしかして、誘拐なら犯人から何か接触があるかもしれないし、自分で身を隠したのなら、そのうち帰って来るかも知れないでしょう?」

 私の提案にミゲルもアレクシス様も同意してくれた。

 王城に帰る途中、アレクシス様がポツリと呟いた。

「大体、クリストファー殿下も行方不明なのに、その上ロザリンドまで行方不明になるとは……。一体どうなってんだ?この国は……」

 あ、そういえば、クリストファー殿下が見つかったこと、まだ言ってなかった。

 私は、図書館で殿下に会ったことを話した。

「ええ!?そんなことになっていたの?何でもっと早く教えてくれなかったんだ」

「部屋に帰ってからお話しようと思っていたんですけど、

ロザリンドがいなくなったと聞いて、すっかり忘れていました」

 アレクシス様は、何だか複雑な表情を浮かべた。

「とにかく、殿下が無事だったとして、殿下は一体どうするつもりなんだろうか?」

 アレクシス様の言葉にドキッとした。

 殿下は、このままアガザエルトに残るつもりなのかしら?ミランダ王妃は自分の性癖がバレるのを恐れて、ランシュアたちを呪い殺そうするような人なのに……。

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