<13> 風邪を引きました
久しぶりです!
忘れていたわけでは、ないですよ!
話が思いつかなかっただけですよ!
後半は『ヤン』も『デレ』も全開です。
季節は秋。学校では、来月の文化祭に向けての活動が行われている。
ちなみにだが、俺は去年の文化祭には、行かなかった。理由は、ただただ面倒だったからだ。
「あき君。今年は文化祭行くの?」
「多分今年も行かない」
「だったら、私も行かない」
去年は、確か家でずっとゴロゴロしたり寝たりしていたな。
今年は、どうやって過ごそうかな。去年と違って、今は恋人の優奈がいるから家に二人だけで。ふふふ。
いやいや……別にやましいことなんて考えてないぞ。ただ……二人でゲームしたり……のんびり過ごしたりしててもいいなって、思ってただけだからな。
「土曜日に文化祭があって、その分月曜は休みになるから、3連休になるね」
「そうだな。ほんと何をしようか」
文化祭当日。俺と優奈は、俺の家の、俺の部屋の、俺のベッドの上にいる。
そこの君! 今不純なことを考えていたな……安心しろその通りだ。
……まあ、おふざけはここまでにして、朝から盛ってしまったが……取り敢えず風呂に入るか。
「ゆなー、風呂に入ってくる」
「あ、待って私も一緒に入る」
「それはいいけど、ふらついてるけど大丈夫か?」
「だ、大丈夫だ……よ……」
危ない! 優奈が倒れる寸前で受けとめた。体が少し熱いような。
「おい! 優奈!」
取り敢えず服を着せてベッドに寝かしたが、おでこに手を当てると少し熱かった。たぶん風邪だろう。
さっきまで元気そうだったが、もしかして無理してたのか……誘ってきたのはお前からなのに。
しゃーない。今日一日看病してやるか。まずは、冷えピタを貼って、食欲があるならお粥でも作ってやるか。
「ん……。あれ?」
「起きたか。調子はどうだ」
「少しダルいかも。それより私……」
「お前、急に倒れたけど、覚えてるか?」
「うんん。そっか私倒れたんだ。ごめんね心配させちゃってもう大丈夫だよ」
優奈が起き上がろうとしたが止めた。どうみてもまだ体調は悪そうだ。顔は赤く、少し息も上がっている。
……なんか、少しエロいな。いやいやしんどそうな彼女を見て俺は何を考えているんだ! ……でも、風邪は移せば治るって言うよな。
つまり……キスをすれば……だぁー! だから違うって! はぁーはぁー、一旦落ち着け俺。深呼吸だ。スーハー、スーハー。フワッ。優奈の良い匂いがする。
朝したばかりだろ。ナニを……違う! ナニじゃなくて何だ。 はぁー、もうやめよう。
「優奈食欲はあるか?」
「うん少しある」
「そうか」
だったらお粥を作るか。ご飯はまだあったはずだ。
俺は普段は超面倒くさがり屋だが、こう見えて料理が少しできる。優奈ほどではないがな。
「お粥作ってくるから待ってろ」
「あっ、お腹空いたなら私が作るよ」
「今日のお前は病人だ。おとなしく俺に甘えろ」
そう言っておでこにキスをして部屋を出ていった。我ながら少しキザだったような……。
ま、これぐらいしないとおとなしく甘えないだろうし、良いか。
さーて、腕を振るって作るぞ。待ってろよ優奈。
「あきくん……格好いい……」
よしできた。我ながらいい出来栄えだ。と言っても土鍋にご飯と水と卵を入れただけだけど。
土鍋と小皿とスプーンをおぼんに乗せ2階に上がり、部屋に入った。
「優奈できたぞ……」
「っ! んふぅー」
優奈が布団に潜って何かしていた。いや……ほんとなにしてるの優奈さん……。
それ俺の布団だからね。おとなしく寝ててね? 本当にお願いします。
「何してるの?」
「あきくんってばナニしてるなんて言わせないでよー」
「なんかニュアンスが違う気がするんだけど」
もしかして優奈って……風邪引いたらちょっとバカになる? いつもは割りとしっかりしてるけど、今日は子供みたいな感じだ。
これはこれで、可愛いけど。いつもは俺がダメな感じだけど、今日は優奈がダメな感じだ。逆転したな。
でも普段の俺は、優奈の布団に潜ったりしないけどな。ついつい寝ることはあるけど。起きたら優奈の匂いがめっちゃするんだよな。
「んふふ。あきくんの匂いで包まれて幸せ~」
「…………」
いや、さっきの訂正します。風邪引くと変態度が上がる。いつもご飯や飲み物に唾液や爪に髪それに血液を混ぜてくるし、風呂に入ってたら乱入してくるし、寝てたら潜り込んで夜○いしてくるし、朝起こすときはキスして、それでも起きなかったら朝フ○ラして朝セ○ク○してくるし……あれ? いつもと変わらないなような……。
『俺の彼女が変態だった件』ていうタイトルでラノベが書けそうだ。きっとよいこは見ちゃダメになるけど……。
「優奈お粥食べないの?」
「あきくんが作ったものならなんでも食べる!」
「はいはい、召し上がれ」
「あーんしてくれないの?」
うっ、可愛いじゃないか。こんな可愛い彼女に頼まれたら断るわけにはいかないな。
仕方ないな、今日は病人だし、甘えろって言ったの俺だしな。
「ほら、あーん」
「あーん。んー! 世界一美味しい!」
「それは良かった」
「きっとこれには愛情がいっぱい入っているんだね」
「ん? まあー、入ってるかな」
優奈のために作ったし、愛情は入っているだろうな。まあ、愛情って言っても、さっき言ったみたいな体液などは入ってないけど。
さすがにそこまでする気はないし。そもそもしようとも、思わない。もちろん優奈のことは、好きだけど、それとこれとは別だ。
「ふぅー。美味しかったよあきくん、ありがとう」
「お粗末様です。あとはゆっくり寝れば治るだろ」
「ねぇあきくん、寝るまで手握ってて欲しい」
「それぐらいなら、いいよ」
「おやすみあきくん」
「おやすみ優奈」
少し?変態なところもあるかもしれないが、甘えん坊なところもある。そんな彼女が俺は大好きだ。
今日はめずらしく風邪を引いてしまいました。あきくんは倒れそうになった私を受けとめてくれたそうです。きゃー、あきくん格好いい!!
それから私のために、私だけのためにお粥を作ってくれました。あきくんの愛情(主に唾液や血とか以下略…)がとても感じられてすごく美味しかったです。世界一美味しかったです!
最後に今日一番格好いいと思った瞬間がありました。それは、私の頭を撫でながら顔を近づけて「おとなしく俺に甘えろ」って言っておでこにキスをしてくれたときです。もうキュンキュンしました。
あのあと、しばらくボーとしていたらあきくんが部屋に入ってきてとっさに布団に潜りました。なんだか、あの顔を見られるのは恥ずかしかったからです。
はぁー、今思い出しても顔が赤くなりそうです。あきくん私も心から愛しています。
※男性から女性へのおでこへのキスは『無償の愛』という意味です。つまり、相手の女性を心から愛おしいと思う本能的なキスのようです。
普通の意味は『祝福・友情』で、女性から男性は『母性』を意味するようです。
晃は全く意味など知りません……。
あきくんも私のことを愛していて、私もあきくんのことを愛しています。これはもうお互いがお互いを愛しており、将来を誓い合っているようなものです。
それでも、所詮は言葉だけです。いえ、別に言葉だけでもすごくすごく嬉しくて幸せですよ。でも……まだ私たちの愛はこんなものではありません。
来年、私もあきくんも高校3年生になります。それと同時に18歳にもなります。女の子は16歳で出来て、男の子は18歳で出来ること……皆さんはもうお分かりですか?
ふふ。ふふふふふ。はぁ~、あきくん……もうちょっとで、私専用の所用物に出来て、私もあきくん専用の所用物になれるよ♡
『は・や・く・あ・い・の・け・っ・しょ・う・が・ほ・し・い・な・♡』チュッ
文化祭が終わったら冬休みかな?
期末テスト編は、いらないかな?