第10話-2 スコーンを出すべきだった
ヴォルクーネ杯。毎年秋の終わりごろに開かれる一大行事である。各大会の優勝者や名の知れた冒険者などが国内外問わず参加する。注目度や大会のレベルは大陸一と言っても過言ではないほどである。それ故立身出世を夢見て目指すものが後を絶たず、レベルも維持されている。そして今年は例年とは打って変わり条件付きの年齢制限撤廃。より注目度は上がっている。好奇の目に晒されるのは気持ちいいものではないがそれを表には出さない。というか年齢制限撤廃とは言えそれの恩恵を得ているのは俺と例の少女だけ。後は例年と変わらずだ
ヴォルクーネ杯開催が近づくにつれ王都は熱気に包まれ、屋台や露店が増え、それに伴い警備の兵も増加している。後は学生を狙った詐欺やら窃盗やらへの注意喚起も増えた。先輩に聞いた話だともうすでに他校の生徒との喧嘩が起きたらしい。早すぎないか?
「まあ馬鹿だからね」
「バッサリっすね」
「まあ君も君で色々問題起きそうだけど......」
学内ならまだしも他校の生徒、しかも貴族の子息に対して喧嘩売るようなやつは……いや、普通にいるな。俺も喧嘩売られそうで怖いわー、王子と一緒に行動して対策しなきゃなー
「一応幼年学校と寄宿学校に兄がいるんで何とかなると思うんですが......」
「お兄さんたちは来るの?」
「はい、来るらしいです」
兄たちが来るのは手紙で知った。父も来るらしい。久々に家族団欒が出来そうでワクワクしている。
「まあ頑張りたまえよ」
「そう言ってくれるのは先輩位っすよ」
この部活で話せるの先輩位しかいないしない! ……言ってって悲しくなる。部活選びをミスったらこうなるんだな……反省
「じゃあそんなボッチなミリバーブくんに露店を奢ってあげよう」
「ザっス! 一番高い肉串頼みます!」
「......加減はしてね? お小遣い少ないから」
肉串やポテトなどを奢ってもらい、お祭り騒ぎを楽しんだ。時間が経つにつれて先輩の顔に冷や汗が増えていたので途中から出そうとしたが
「先輩だから!」
の一点張りで財布を出すことはなかった。最後に先輩にお礼を言うと財布が軽くなって悟ったのかアルカイックスマイルで手を振っていった。……うん、今度差し入れでも持っていこう。そう思いながら部屋に戻る
「やっ!」
バンッ
……何かの間違いだ。なんで俺の部屋にあの邪神がいるんだ……。いや、見間違いだ、そうだ、そうのはずだ。そう思いまた扉を開ける
「ひどいじゃないか」
見間違いじゃなかった。しかもなんか違和感があるし
「......何の用だよ」
「えー、応援? ほら、チアガールだよ?」
そう言って光に部屋が包まれ、それが静まるとチアガールになっていた。顔が良すぎて直視できない位似合ってる
「......いつものに戻してくれ」
「え~、いつものが好きなの? しょうがないな~」
さっきの様な事が起こり、元に戻っていた
「てかなんでいるんだ? 後、なんか変わった?」
「え~、わかる~? これ人間の姿なんだよね。ほら、殺せるよ?」
その瞬間俺は首を狙って剣を振った。……だが……
「うわ、ノータイムで殺しに来るじゃん。そんなに私のこと好きか~? 愛されてる~」
指で止められた。神じゃなくても強い
「そりゃあ、神話時代に英雄と共に船路に出てたから強いよ~」
今の最上位よりもねという言葉を付け加えてそう言った。神話時代……英雄と共に……
「クエイグレイか?」
「! 正解! 正解! 大正解~!」
すっごい喜びよう。名前を当てられただけでそんなに喜ぶか?
「正解したご褒美に~神殺しのヒントをあげる」
「はよ言え。紅茶でいいか?」
教えてもらうのだから茶くらい出すべきだよな。早く教えて出て行ってほしいが……仕方ない
「え、お茶淹れてくれるんだ」
「......俺を何だと思ってんだよ」
「いや、私のこと嫌いだから早く教えろって言いそうだったから」
「そう思ってるが、言わないだけだ。後曲がりなりにも客人なんだ、茶の1杯位出さないとアレだろ。ほい」
「ふ、ふーん。イタダキマス......ア、オイシイ」
結局アイツ4杯もお代わりしやがって……まあいい。欲しい情報が手に入ったからな。ご丁寧に地図も寄越して……
「にしても......ここどこだ? 少なくともこの大陸じゃないだろ。航海してたっていうから別の大陸か?」
別大陸……けど地図を見る感じこの大陸に近いんだよなあ……神話時代っていうくらいだから海の下か……? 謎を残したまま地図は宝の在処を示し続ける
こんにちは、月照です。漸くエンジンが上がってきました。ぼちぼちやりながら新しい話も書いたりしたいなーって思う今日この頃。多分新作は出ます()
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