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最終話です。
ここまで付き合ってくださった皆さん、本当にありがとうございました。
出生届提出の期限1日前。
やっと私たちの子供の名前が決まった。
悩みに悩んだ末決まった名前はシルビアだ。
家族を愛せるような優しい人になってほしい。
そういう意味を込めてつけた名前だ。
この子が元気に育ってくれますように。
そう願ってから何十年立っただろうか。
あの小さかった赤子は元気に育っていった。
旦那様に負けないくらい、強く賢く美しい子だ。
あの後女の子が3人と男の子が2人生まれた。
子供が生まれるたびにいつものごとく名前に迷い、私たちの両親や使用人さんたちにも相談して、悩みに悩んだ末期限ギリギリにやっと納得いく名前が決まるのだ。
周りの人たちももう慣れて、またかという顔をしながら真剣に相談に乗ってくれる。
旦那様の出す名前の候補がどんどん増えていくのは未だに謎なのだが。
長男だけでなく他の子たちも立派に育って独り立ちした。
家は長男が継ぎ、私たちは隠居して領地の方へ引っ込んだ。
そこで乗馬をしたり庭いじりをしたり読書をしたりと有意義な時間を過ごしている。
最近は乗馬をしようとすると止められそうになるのだけれど。
それだけ私たちは年を取ったということだろう。
お世話になった使用人さん達も昔とはだいぶ顔ぶれが変わった。
当然だ。
私たちがこんなに年を取ったのだから、代替わりだって進むだろう。
メイド長やデンファさんはもうそろそろ70にもなるという高齢でも未だに元気に働いているが。
私もああなりたいと思う。
子供たちは宮仕えをしたり結婚したりとそれぞれ幸せそうにやっている。
みんな定期的に里帰りと言って私たちの元へやってきてくれるのがとても嬉しい。
孫ももう何人もいる。
みんな顔が綺麗なのは旦那様の遺伝子だろうか。
次男なんて会うたびに昇進して、この前宰相になったらしい。
恐ろしく有能で恐ろしく 整った表情の動かない顔から、氷の宰相様と呼ばれているらしい。
そういう意味では旦那様と一番似ているのかもしれない。
結婚したらきっと、表情筋もデレデレに緩むだろうという理由のない確信があるため心配はしていない。
三男は実力だけで言うと騎士団長でもおかしくないらしいが、我が家に力が偏りすぎるのはよくないという理由で副団長になっている。
騎士団長は彼の親友だ。
長男は領地経営の才能があり、表に出ることは少ないが妻子ととても仲良く過ごしているらしい。
社交はもっぱら次男と三男の担当だ。
長女は隣国の王妃に。
次女はまさかの恋愛結婚でデンファとメイド長の息子と結婚し、慎ましくも幸せな生活を送っている。
ああ、もうメイド長は変わったんだっけ。
三女は私に似たのかとてもやんちゃだったのに、いつのまにか大人しい性格に変わっていた。
でも末っ子として可愛がられてきたせいか、甘えん坊なのは未だに治っていないらしい。
そんな彼女の結婚相手は騎士団長だ。
まだ子供はいないが仲良くやっている。
私と旦那様は今、屋敷の敷地内にあるテラスで2人でお茶を飲みながら咲き誇る花を見ている。
空気は冷たいがもうすぐ春が来る。
相変わらず庭園は綺麗に整えられている。
私たちだけでなく子供たちにとってもお気に入りの場所だ。
いや、もう子供というような年齢ではないか。
でも、いくつになってもあの子たちは私たちの可愛い子供だ。
風が吹いて花が揺れる。
ドレスみたいに膨らんだ花びらを持つ花と、少し頭を垂れた紫と白の花。
私たちが、一番好きな花。
登場人物の名前の由来となった花
ラナ:ラナンキュラス (飾らない美しさ,幸福)
ハルギア:ハーデンベルギア (運命的な出会い,思いやり)
シルビア:サルビア (家族愛)
デンファ:デンファレ (有能)
ベル(猫):ハーデンベルギア (旦那様と似ているから)
レナ:由来なし(ラナと名前を似せたかったため)
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気づき次第すぐに書きます。
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