4₋6.
2度目の結婚式から約1年。
久しぶりの長期休暇をもぎ取ってきたという旦那様とともに、領地へ向かっていた。
馬に乗って、だ。
領地自体は王都のすぐ近くだが、何しろ広大なので屋敷までは結構な距離がある。
二の鐘が鳴る頃に家をでたのだが、もう四の鐘がなってからだいぶ経った。
途中で何度か休憩を挟んだとはいえ、結構な遠出だ。
だがもう少しで着きそうだ。
畑が減り民家が増えてきた。
町の中心部も近い。
旦那様の両親である前領主夫妻の結婚20周年が明日なのだ。
そのお祝いのため私たちは領の屋敷へ向かっている。
レナたち使用人と荷物は昨日のうちに家を出て馬車で領地へ向かっている。
私たちは馬に乗りたいからと言う理由で、あとから出発だ。
お馴染みの御者のデンファさん含む一部の使用人さんたちはお留守番だ。
それには、家を完全に留守にするわけにいかないということ、そして旦那様や奥様が乗らないなら俺は働かないというデンファのわがままなどのたくさんの理由があるが。
五の鐘が鳴るとほぼ同時に屋敷に到着した。
義両親夫妻は私たちをとても温かく迎え入れてくれた。
その勢いは使用人たちを置いてくるほど。
結婚式のときの私の両親を思い起こさせるようなスピードだ。
あれよあれよという間に中に連れ込まれ、客室に案内された。
どうやら夫人自ら私にドレスをデザインしてくださるらしい。
すでに職人さんたちが待機していて、仮縫い済みのドレスがずらりと並んでいた。
旦那様といえば、着替えたら呼ぶから、と言われ部屋の前の廊下に待機させられている。
少し暑そうだ。
あまりの勢いにあわあわしているうちに私は素敵なドレスに着替えていた。
気づくと旦那様が部屋に入って…いや、ドアの手前で固まっている?
「…可愛い…可愛い。ラナが可愛い」
「ハルギア?機械か何かみたいになっているわよ?」
「母上…」
「ちゃんとラナちゃんに面と向かって伝えなさい」
「ら、ラナ。とても可愛い。すごく似合っている」
「は、はい…。ありがとうございます」
顔がすごい真っ赤になっている気がする。
意見をまっすぐ伝えてくる旦那様はやっぱり素晴らしい人だ。




