3₋4.
今日はラナがお見送りをしてくれた。
可愛い。
後方でレナがにこにこしている。
今度ボーナスをあげてもいいかもしれない。
今日後処理を終えたらしばらくはゆっくり休める。
本当に、災難だった。
だが、ラナに、使用人たちに怪我一つ無かったのは良かった。
いつも以上に馬を飛ばして王城へ向かう。
その勢いのまま、急いで仕事を終え、引き止めてくる王を適当にあしらいながら帰路についた。
何が晩酌をしよう、だ。こっちは散々時間を奪われているのに、そんなのに付き合ってやれる時間はない。
今はまだ日が暮れる前だ。
五の鐘が鳴る頃には家についた。
まだ夕食までには時間がある。
ラナを呼んできてもらって、話をすることにした。
❋ ❋ ❋
旦那様に呼び出された。
プレゼン用に作成した資料(ちゃんと仕事時間前に作った)を握りしめて旦那様の執務室へ向かう。
レナはなんだか不思議な表情でため息を付いていたが、負の感情は含まれてなさそうなので、自分のことを優先させてもらう。
扉の前に立ち深呼吸。
扉を軽く叩いた。
「旦那様、ラナです」
「入ってくれ」
簡潔な返事。
怒っている感じはしなかったが…。
「ラナ、そこへ座ってくれ。早速本題に移ら
「旦那様。まずはお話を遮てしまい申し訳ありません。ですが私は旦那様のお話の前にどうしても伝えたいことがあるのです」
「…嫌な予感しかしないんだが。…、何の話をしてくれるんだ?」
「私をこのまま雇っていただくことで生じる利点です」
「…」
「まず、1番の利点について。それは、魔法が使えることです。今この屋敷にいるものの中で魔法を使えるものは、騎士を除いて旦那様と私のみ。旦那様は国一番の氷魔法の使い手ですが、今回のように屋敷を長い期間留守にすることもあるでしょう。そのような場合…………以上です」
「…ラナ、熱心にプレゼンしてくれたところ悪いが…。お前をこのまま雇い続けるつもりはない」
「っ!それはっ、いえ、しょうがないですよね。私ったらご迷惑をおかけし続けていたから…」
「そうじゃない。別にここから出ていけだなんて言っていないだろう」
「それは、どういうことでしょうか」
「もう一度、公爵家と伯爵家の契約書をじっくり読み直してくれないか。そうしたら分かるはずだ」
「は、はい」
私はおそるおそる契約書を手に取った。




