3₋2.
「ラナが可愛過ぎる…、はぁ…」
「お前、なぁ、わかったから昨日送ってきた大量の人間がなんなのかを説明してくれないか」
「嫌です。あのゴミを逃がしたあなたにする話などありません。いえ、そんなこと言ったらゴミに失礼ですね」
「いや、それについては本当に悪かった、が…。…さすがにゴミ相手に失礼もなにもないと思うぞ」
「…で、早く帰りたいのですが。もう帰っていいですか、いいですよね帰ります」
「おい待てっ!だから昨日送ってきた大量の人間の説明をしてくれ!」
「あぁ、あれですか。我が家に押し入ってきた賊です。王家の方で片付けておいてください」
「だから帰ろうとするなっ!…いや、帰っていい。その代わり今帰ったら一部始終が記録された魔道具がラナ嬢に送られると思え」
「…はぁ、わかりました。まだ帰りません。国宝をそんなことに使われたら我が国の恥になりますから」
「そうだな、お前とラナ嬢の離縁も確定すると思うぞ。諦めてあいつ等の処理をしてこい。」
「誰が指示したのかはわかっているのです。侯爵父子共々極刑で終わらせてもいいですか。」
「最終的にはそうすることになったとしても、調査はちゃんとしてくれ。前回みたいに無理やり関わらされているものがいるかも知れないぞ」
「はぁ、わかりました。これで貸しが一つ増えますね。後でまとめて払ってもらいますから」
「今すごい悪寒がしたのだが…まあいい、早く済ませて帰ってくれ」
我ながらなんとも不敬な態度だとは思うが、しょうがない。
ラナとの時間を奪われたのだから。
それに、見ているものがいないことは確認した上でやっているのだ。
昨日送りつけた輩は、王いわくとりあえず地下牢に入れておいたとのことなのでそちらへ向かって歩いていく。
入口の見張りをする騎士たちには顔パスで中へ入れてもらえた。
賊の大部分は侯爵の腹心の魔力的な支配下に置かれていたようだ。
今はそいつも魔力が使えないようになっているため平気だが、抗ったらひどい苦痛が与えられるようになっていて、仕方なく襲撃を行っていたようだ。
事情を鑑みて、罰は今後一生魔力が使えないようにするだけだ。
なんだかんだ言って王は甘い。
それ以外のものは尋問担当の官吏に預けておいた。
きっと明日の日があける頃には大量の情報が得られるに違いない。
屋敷に帰る。
もうだいぶ遅い時間だったが、ラナはまだ起きていて玄関で待っていた。
しかも笑顔とても可愛いセリフ付きだ。
レナの入れ知恵のようだ。
レナの口角の上がり方がいつもと違う。
可愛い、ラナが可愛すぎる。
今すぐ部屋に連れていきたかったが、その場合確実に嫌われるので、理性を最大限に動員しておやすみを言うだけにとどめた。




