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2₋20.

 この魔道具は持ち主同士が危険を知らせるためのものだ。

 何らかの方法で魔力を込めないと発動しないため、間違えて発動したという可能性はない。

 同じ形の魔道具を持つ者同士、つまり我が家の使用人と俺以外は使うことはできないし、本人の意思に反した発動は起きないように魔法もかけられている。


 大体のことは対処できる我が家の使用人たちがこの魔道具を使うということはよっぽどの事態だ。

 特に、自衛手段を持たないラナが危ない。


 今は馬で公爵家に戻っている途中だったが、着くまではまだだいぶかかるだろう。

 後ろについて来ていた騎士たちに指示を出し、急停止をする。


 「緊急連絡用の魔道具が反応した。俺はこのまま公爵家に転移する。転移ができるものはついてこい。他のものは各隊長の指示に従うように。転移したものの馬は連れて帰ってきてくれ」

 「「「はっ」」」

 「隊長、あとは頼んだ」


 それだけを伝え転移した。

 指示するものがいなくなったときの行動の仕方も訓練されているから、騎士団は問題ないだろう。


 転移した先、我が家の庭から屋敷の方へ向き直る。

 普段は閉じられている重厚な玄関は開け放たれており、中から声が聞こえる。


 この叫び声は…襲撃者のほうだろうか。


 騎士たちが全員揃ったのを確認し、口を開いた。

 「俺はラナの元へ行く。お前たちは1人づつすべての扉や窓などにつけ。怪しいものがでてきたらすぐに捕らえてほしい。魔法でできたものと普通の縄、両方で縛ってほしい。」


 「地下道などはどういたしますか」「念の為、頼む。人数は足りそうか?」

 「大丈夫です」

 「わかった。疲れているところ悪いが、もう一踏ん張りしてくれ」


 騎士たちの返事を聞きながら屋敷の中に入った。

 俺が来たことは知られないように、敵にバレないように行動している。

 存在に気づかれる前に魔法で気絶させ、縛って転がしながら進んでいった。

 

 おそらくだが、ラナはどこかの隠し通路に入れられているだろう。

 その場所を知っている使用人を探す。

 1人の使用人を見つけた。


 「っ!公爵様、レナが場所を知っています!」


 ひどく驚いていたようだが、取り乱さず、大声も出さずに知らせてくれた。

 俺がなにも言っていないのに求める情報をくれたのはさすがとしか言いようがない。

 

 走りながらレナを探す。

 途中で見つけた使用人たちに場所を聞きながら進んだ。


 レナがいたのは食堂だった。

 細身といえど、この家の使用人の中でも上位の戦闘力を誇るレナだが、さすがに10人ほどを相手にしているため苦戦していた。


 敵はさほど強くないものの、薬でも飲まされているのか、痛みを感じている様子がない。

 バレないように近づき、魔法を使った。

 強い魔力に当てられて敵はすべて気絶したようだが、おそらくすぐに意識を取り戻してしまう。

 急いで縄で縛り、それからレナを振り返った。

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