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2_10.

実際に伯爵領を訪れてみると、魔物の数は異常ではあるものの低級中級の魔物ばかりで農民でも簡単に倒すことができるレベルだった。


魔物の発生源は瘴気の森のようだ。

そこで魔法を使って魔物を一網打尽にしてしまえば、討伐は完了するだろう。

うまくいけば当初の予定通り3日以内に帰れる。


瘴気の森へ騎士全員を連れて行くことはできないから、残った騎士たちには取り逃した魔物の退治を森の入り口付近で行ってもらうことにした。

 その他にも決めなければいけないことはたくさんある。

 伯爵領の地理に詳しいものや伯爵家の騎士団長、我が家の騎士の部隊長などを集めて作戦会議を行なっていた。

 

 その時だ。

 大声をあげて、1人の使用人が手紙を持って部屋に入ってきた。

 本来だったら不敬な行いだが、今は緊急事態で大層焦っているようだ。

 何らかの事情があるのだろう。


 彼が持ってきた手紙は、転移陣によって届いたものらしい。

 転移陣はよっぽどの緊急事態かどうしても急いで伝えなければいけない情報、どうしても急いで届けなければいけない荷物をもたらす時に使うものだ。


 使用するためには少ないとはいえ魔力、もしくは魔力の込められた魔道具が必要となり、平常時ではまず間違いなく使用することはない。

 しかも送り主は我が家のタウンハウスだ。

 ラナが、そして使用人たちがいる場所で、何らかの異常が起きている可能性がある。

 しかも相手は私たちが魔物の退治を行っているということを知っているから、それを分かっていても送らなければいけないほどの緊急事態ということだろう。


 胸がざわざわする。

 怖い。

 そう思って開いた手紙にはこちらを心配するような文が並んでいた。

 よかった。

 タウンハウスで問題が起きたわけではないようだ。


 ではなぜわざわざ手紙を送ってきたのか。

 読み進めると衝撃の事実が明らかになった。

 私たちが低級中級ばかりだと思っていた魔物たちだが、瘴気の森の中は上級、そしてボスで溢れかえっている可能性がある。


 あまりに荒唐無稽な話だが、だからと言って冗談だろうと切り捨てるわけにはいかない。

 なので我が騎士団の中でもトップを競う精鋭たちを5人引き連れて、森の入り口まで偵察へ行った。

 そこには今まで見たこともないような数の恐ろしい魔物が溢れかえっていた。

 どうやら手紙の内容は本当だったようだ。

 計画は白紙に戻され、また後日、もっと情報を集めてから討伐が行われることになった。

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