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公爵様からの返事が来たのは、それから半刻もしないころだった。
私を中心にするように皆でのぞきこんだ手紙には(なんで私がこんな大切な開封作業をまかされているんだろう)、私達からの手紙が届いたのは瘴気の森へ入るための作戦会議をしている途中だったと書かれていた。
よかった、間に合ったらしい。
本当に森の中にボスや主がいるのなら、討伐には時間がかかるだろうから食料や魔法石を送ってほしい、確実に主をしとめ、原因を見つけるとのことだ。
ちなみに魔法石は魔力を持たない者が魔道具を動かすときに使う。
公爵様のことだから、本当に主を倒してくださるのだろう。
水害のときといい、今回といい、本当にお世話になりっぱなしだ。
食料や魔法石くらい、いくらでも用意してやる!って、どっちも公爵家の懐から出ているし。
まあ、転移陣を使うことに関してはちゃんと役に立てていると思うけど。
とりあえず感謝しとこう。
なむなむ。
縁起悪いとか言うな!フラグ立っちゃうでしょ!
「今年主が現れる領地とそれらの領の領主についての情報が入りました!奥様、ご確認を!」
「え!?奥様がこの場所にいらっしゃるの!?」
「「「...え」」」
使用人さんたちはピタリとそろった動きで私の方を向いた。
「えと...。私なにか失言しちゃったかしら...?」
使用人さん達が高速で目配せしていた。でもあまりにも速かったから、私の気のせいかもしれない。
「い、いえ。失言をしたのは私の方で...。ラナ様があまりにも冷静ですので、間違えて奥様とお呼びしてしまったのです」
「そ、そう、ラナ様あまりにもしっかりしていますもの...」
「そう?ならいいのだけれど...それならば本物の奥様はどちらへ?」
「えと、少し体調をくずされてしまって...」
「まあ大変!私、お見舞いに行ってもいいかしら?」
「そ、その、人見知りをなさる方なので、今度の方がいいかと...」
「そうなのね、それならまた今度にするわ。...ねぇ、奥様の不調ってもしかしてご懐妊だったりしないかしら!」
「そ、うかもしれません、そんなところでしょう」
「そんな時に公爵様がいらっしゃらないなんて...。私のせいでないとはいえ申し訳ないわ」
「はは、そうですね。...ラナ様、私達は少し席をはずしますね。少しの間なのでここで待っていてください」
「え?えぇ、わかったわ」
よくわからない、けどまあ、なんとかなるよね!
よくわからないけど。
使用人さんたちの目配せの内容
えっ、奥様の勘違いそのまま...
どうする、もう1回説明する?
いや、旦那様の口から...
わかった、とりあえず手紙用意する
何てごまかす?
何でも。とにかく早く!
りょ!このあと厨房で会議ね!




