98 三太の愚痴 その2
今回もシリアスです。
ご注意ください。
「今、奴は父方の親族の所に住んでいるらしいでござる。 転校先が分からないままでござるが」
「転校していたの?」
「そうでござる。 その際に久遠寺は拙者に愚痴っていたようでござるからな」
ゆきちゃんの兄は既に栃西から別の学校に転校していたのか。
しかも父親方の親戚の家に住んでまで……。
そこまで、ゆきちゃん達を嫌っているのか?
「その理由は、さっきの事件が明るみになる前に行われていた『あいの山第二保育園』でのふれあい交流会で久遠寺が問題をおこしたからでござる」
「え!? 問題を!?」
栃西もふれあい交流会を実施していたのか。
葛埼や国際科の問題が発覚する前にそんな事件があったとは……。
「何でそうなったんだ?」
「どうも久遠寺は、入りたかった私立の高校受験に失敗したらしいが、その原因が子供のバカ騒ぎによるものだったようでござる」
「子供の馬鹿騒ぎ?」
首を傾げるような内容だった。
それが、久遠寺の問題とゆきちゃん達を嫌う理由に繋がるのか?
「どうも騒ぎを起こした子供の親がかなりのDQNで、近所迷惑を考えていなかったようでござる。 実際に、他の家からも苦情があったくらいでござるから」
「酷い話だね」
「それを父親が注意したことで逆恨みし、久遠寺が勉強をする時間帯を狙って子供を騒がせていたようでござる」
「うわぁ、最悪だ」
とんだ親がいたものだ。
自分達がよければ他人の迷惑なんて考えないのだから。
「奴は小学6年生の時に産まれた双子の事でイライラしていたのが、近所のDQN親子によって追い打ちを掛けられた形でござる」
「その双子はゆきちゃんとふたばちゃんかな?」
「そうでござる。 そして、奴が私立が不合格になった時はその親子は『ざまぁ』と言い放っていたでござる。 だが、他の家が呼んだ警察に連れて行かれた事で、DQN親子はいなくなったでござるが……」
「その代償が子供嫌いという事か」
「その通り。 只でさえ双子の事で親と揉めてた所に、この闇があったのだから、子供嫌いになるには十分だったと言わざるおえないのでござる」
いわば、俺は受験が終わってから再婚によって当時は3歳だった陽愛達三つ子が妹になったが、久遠寺 悠斗の場合は受験勉強の際にも双子がいたのだ。
そこに例のDQN親子のトラブルだ。
要素としては十分すぎたのだろうな。
「その後は一応、栃西には合格したようでござるが、狙っていた高校ではないので、無気力で授業を受けていたでござるな。 そんな折にふれあい交流会の時期が来たのでござる」
「それであの問題につながるのか」
「その通りでござる。 幸い、子供には直接の被害はなかったでござるが、邪険に扱われて泣いた子供は数知れずでござる」
「ふむ……」
ゆきちゃん達双子の存在は、久遠寺 悠斗にとっては忌むべき存在だったがそれが受験シーズンの時に発生したトラブルで爆発した感じだった。
専願で受けたという入りたかった私立が不合格になった事でゆきちゃん達をいない者とした上で、子供自体も嫌悪感を露にしたのか。
しかし、それによって栃西のふれあい交流会での大問題につながるとはなぁ。
理事長も何か思案しているみたいだし……。
「その問題によって久遠寺 悠斗は始まってすぐにそのまま出て行き、家には帰らずにそのまま父方の親戚の家に住むことになったようでござる」
「そこでしばらく登校拒否してから転校したという事か?」
「そういう事になるでござる。 その際に電話が掛かってきて、転校の際には拙者たちとの連絡も断つと言ってたでござる」
なるほどなぁ。
受験シーズンの時でのトラブルでノイローゼとなって邪険に扱う位に子供が嫌いになったとか。
只でさえ扱いが難しい年頃の時に、実の妹が出来た事で親と揉めてた所で……だしなぁ。
産む時期を間違えたのかは、久遠寺家のみぞ知る……だな。
「でも、私的にはようやく繋がったかな」
「理事長?」
そして、三太の話が終わった後でようやく理事長が口を開いた。
さっきの久遠寺 悠斗の問題と繋がったのだろうか?
「実はその『あいの山第二保育園』は私の長男の兄が運営している保育園なんだ。 そこがどうもトラブルが起こったって話を聞いて何でだと思ったんだけど、そういう事だったのか」
「なんと……!」
「マジか……」
久遠寺が問題を起こしたという『あいの山第二保育園』が理事長の兄の一人が運営していたというのに驚いた。
いや、あいの山を冠するなら相野家が関わってると思うべきだった。
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