93 今日は俺の誕生日 その4
「まさか、理事長が来るとはねぇ」
「妾も驚いたぞ。 桂川君、共通点はあるのかぇ?」
「今の母さんの友人が理事長らしい」
「なんとまぁ、世の中は広いようで狭いでござるな」
「ま、私は彼方くんから聞いてたから、あまり驚いてはいないけどね」
由佳里母さんの友人で、俺と花蓮とのじゃ委員長が通う『私立あいの山学園』の理事長、相野 彩音さんが来た事で、さらにカオスを極めてしまった。
特に三太とのじゃ委員長が驚いて俺に共通点を聞いたくらいだ。
「あ、りじちょーさん」
「あやあやだー!」
「やっほー♪︎」
理事長に気付いた三つ子が、手を降って歓迎している傍らで、ゆきちゃんとふたばちゃんはオロオロした後で、俺の方に来て抱きつきながら聞いてきた。
「あのひと、おにいちゃんのおしりあい?」
「ああ、いきなりだったからちょっと怖かったよな。 あの人はお兄ちゃんが通う学校のお偉いさんだよ。 でも、気さくな人だから怖くないよ」
「そうなの?」
「そうだよ。 だから安心していいんだよ」
「「わかったー」」
俺がゆきちゃんとふたばちゃんの頭を優しく撫でてあげながら、理事長の事を説明する。
「わ、私はあの子達に怖がられてるのか……」
「だいじょうぶだよ、あやあや」
「ゆきちゃんたちはひとみしりなんでしゅ」
「だからげんきだしてー」
「見た目幼女な人が本当の幼女に慰められるって……」
「改めて見るとすごい絵面じゃなぁ」
「彼方さん、あの落ち込んでる見た目幼女な人が理事長さんなんですね?」
「信じられないかも知れませんが、理事長で母の友人です」
ゆきちゃん達のリアクションに落ち込む理事長を陽愛達が慰める光景は、いつ見ても凄い絵面だ。
由佳里母さんも無言ながら呆れている様子だ。
「まぁ、とにかく早くケーキを食べようじゃないか。 プレゼントも渡さないといけないからな」
「そうでした。 私も持ってきているんし、委員長もだよね?」
「そうじゃ。 服部君に教えて貰ってな」
「なら、ゆきちゃんとふたばちゃんはお兄ちゃん達と一緒にケーキを食べようか」
「「うん」」
「陽愛達も理事長が落ち着いたらこっちに来るんだぞー」
「わかったよ、にーに」
「りじちょーさんはまかせてくだしゃい」
「おにーちゃんは、ゆきちゃんたちをおねがいね」
理事長がなかなか立ち直らない中、父さんの一声でケーキを食べてしまおうと言った。
来客ばかりで忘れていたが、今日は俺の誕生日なんだよな。
花蓮やのじゃ委員長はプレゼントも持ってきてくれてるらしく、どんな物か今から楽しみで仕方がない。
三太は友人なので、ある程度は予測しているし、来てくれるだけでも有難い。
「おかあさんとゆきとふたばからもおにいちゃんにプレゼントがあるよ」
「え、そうなの?」
「私と一緒にこれだと選んだプレゼントを持ってきているんですよ」
「そうですか。 楽しみです」
ゆきちゃんとふたばちゃんとお母さんの美波さんからもプレゼントを渡される事が確定し、これも楽しみになってきた。
暫くしてようやく立ち直った理事長も陽愛達と一緒に合流し、ケーキを食べる。
ゆきちゃんとふたばちゃんとも打ち解けたようで、何よりだ。
そして、みんなでケーキを食べ終わり、プレゼントを渡される時間がやって来た。
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