86 花蓮とプール その1
夏休みが終わるまで後8日。
今日は、花蓮と近くの市民プールで一緒に泳ぐことになった。
昨日に俺からその旨を切り出し、花蓮は喜んで申し出を受け入れてくれた。
花蓮も楽しみにしているようでよかった。
待ち合わせはいつもの俺の家ですることに。
幸い、今日は由佳里母さんと父さんは仕事が休みなので陽愛達の面倒を見れるのだ。
一応、今の三つ子も保護者と一緒かつ子供用のプールであれば泳げる。
しかし、ここ最近おかしな人間が市民プールに紛れており、子持ちであろうなかろうと平気でナンパしに来るらしい。
そのため、三つ子と一緒に市民プールに行くのは危険なのである。
それでも今回、花蓮と一緒に行く事になったのだが、これは護衛さんが5人くらい同伴するからだ。
(まぁ、5人の護衛さんが同伴なら無差別ナンパも防げるだろうな)
そんな事を考えながら準備をしていると、インターホンが鳴った。
花蓮が来たのだろう。
「はーい」
『やっほー、彼方くん』
「花蓮か。 今、開けるぞ」
モニター越しの後ろのマッチョな護衛さん達が気になったが、ひとまず花蓮を家に入れる。
「ごめんね、ちょっと準備に手間取って」
「いや、俺も準備をしてたところだから。 それより、さっきマッチョな護衛さんが見えたが」
「ああ、いつぞやの脱獄女を捕まえた男女の護衛さんコンビの片割れでね、実は夫婦なんだよ。 子供もいるよ」
「なん……だと……!?」
まさか、さっきのマッチョな護衛さんがあの脱獄女を捕まえた立役者の一人で、その片割れの女性とは夫婦だったなんて。
しかも子持ち! 世の中は色々あるんだなぁ。
「かれんねーだー!」
「かれんねーしゃま、おはようございましゅ」
「おねえちゃーん!」
「陽愛ちゃん、由奈ちゃん、愛菜ちゃん、おはよー」
そんな事を思っていたら、陽愛達が花蓮を見て彼女の元へ駆け寄ってきた。
花蓮もそんな三つ子を優しく受け止める。
この流れも見慣れたもんだなぁ……。
「じゃあ、ある程度触れ合った事だし、そろそろ行くか」
「そうだね。 そろそろ行こう。 ごめんね、今日はお兄ちゃんと二人で行くところがあるから」
「だいじょうぶー。 にーにをよろしくねー」
「にーしゃまともっとなかよくなってほしいでしゅから」
「きょうはパパとママがいるからだいじょうぶー」
一応、花蓮も陽愛達に謝っていたが、当の三つ子はきちんと理解しているみたいだ。
可愛いのにしっかりしているんだなぁと感心する。
まぁ、せっかくのチャンスなので二人でプールデートを楽しむのだ。
「じゃあ、三人とも行ってくるよ」
「「「いってらっしゃーい!」」」
三人が一斉にハモって、一緒に手を振って見送ってくれた。
4歳にしてここまで優しいとは、天使とはまさにこのことか。
これは帰ってきたら存分に甘えてやらないとな。
そう思いながら、花蓮と一緒に市民プールへと向かうのであった。
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