87 花蓮とプール その2
「着いた着いた。 相変わらず賑わってるなぁ」
「まぁ、もうすぐ夏休みも終わるしね」
目的の市民プールは、俺の家から南へ徒歩30分にある場所なので、花蓮の護衛さんが乗る車で連れて行ってもらった。
この市民プールは夏休みの間のみ一般開放されている場所で、近隣の人達で賑わう場所でもあった。
駐車スペースに車を止めて、受付でお金を払う。
各自でスイミングキャップを持ってるかを確認してから更衣室に入る。
俺はすぐに着替えられるが、花蓮は少し時間が掛かるだろうし、着替え終わった後でプールサイドで待っていた。
「お待たせー」
(おお……っ)
少し待ってから花蓮が手を振りながらこっちに来た。
あの時のショッピングセンターで買ったあのビキニタイプの水着だ。
プールサイドに映る花蓮の水着姿に釘付けになってしまう。
「こーら、あんまり見つめすぎない。 家の中ならいいけどここは市民プールだからね」
「あ、ああ、ごめん」
「ふふ、まぁ気持ちは分かるけどね」
花蓮に優しく頭をポンポンと叩かれた事で我に返る。
確かにここは市民プール。
多数の人達がいるので、このご時世だと下手したら通報されかねないのだ。
とはいえ、花蓮の水着姿を堪能したいのも本心なのだが、それについては彼女の家とかで楽しんだ方がいいのかも知れないな。
「しかし、本当に人がおおいなぁ」
「まぁ、もうすぐ夏休みが終わるからね。 そうなれば市民プールも予約者以外は入れなくなるしね」
「それでか」
どうもこの市民プールの一般開放は夏休み限定らしい。
夏休みが終わると一般の人は入れなくなると花蓮は言った。
まぁ、市が運営している以上、そういう形になるよな。
温水プールコーナーがあれば話は別だけど、ここは昭和時代からあるプールらしいので、温水プールはないようだ。
「さらに今回は警備の人もいるね。 例の無差別ナンパ男対策かな?」
「そういやそいつの被害にあった人がいるんだっけ?」
「トイレに行くところを狙ってナンパ仕掛けて失禁させるまでしつこく言い寄った事もあったらしいしね。 今回はうちの護衛さんも一緒だし捕まえられるでしょ」
「そうあって欲しいね」
一番の懸念の無差別ナンパ男についても、子持ちであろうがなかろうが自分のペースに持ち込んで言い寄っていく上、かつて失禁に追い込ませて無理やりお茶しに行こうとしていた事もあったという。
花蓮の護衛さんが一緒なので、捕まって欲しいのは同意する。
「さて、こんなしんみりした話をするより泳ごうか。 折角プールに来たんだしね」
「そうだな。 ここは楽しんでおこうか」
「じゃあ、あっちの方がスペース空いてるし、そこでね」
花蓮はそう言いながら、俺の手を引っ張ってスペースが開いている場所に向かう。
今日は特に泳ぐ人が多いので、俺達が泳げる範囲は限られている。
なので、その範囲内でたっぷり楽しもうと思う。
護衛さんもナンパ男を警戒しながら楽しんでるみたいだしね。
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