85 ゆきちゃん&ふたばちゃんと遊ぼう
「あーっと、ゆきちゃんおしいなぁ」
「うー、くやしい」
「だいじょうぶだよ、ゆきちゃん。 ゆなもへただから」
「次はふたばちゃんか。 がんばれよー」
「うん」
ゆきちゃんとふたばちゃんを連れて三つ子と室内で遊ぶ部屋に入ると、早速由奈が輪投げをしようと言ってきた。
これも由佳里母さんが買ってきたおもちゃで、室内でもできるプラスチック製の奴だ。
まず由奈が輪投げを数回したが、一個も決まらなかったようなので、すぐに頭を撫でて労ったので、泣かずに済んだ。
ゆきちゃんもあともう少しと言う所で外れてしまったので、かなりくやしかったようだ。
そんなゆきちゃんの頭を優しく撫でながら、ふたばちゃんの番になった。
「えーいっ!!」
可愛らしい掛け声と共に、ふたばちゃんは少し離れた棒の的に向けて輪っかを投げる。
ふたばちゃん、声も可愛いんだなぁ。
「あ、はいった!」
「ふたばちゃん、すごーい!」
ふたばちゃんの投げた輪っかは、見事に棒の的に入ったようだ。
それを見た愛菜もすごいと褒めていた。
「おにいちゃん、ふたば、やったよ」
「ああ、すごいぞ。 流石はふたばちゃん」
「えへへ……♪」
黒髪セミロングの頭を撫でながら、ふたばちゃんを褒める。
ふたばちゃんも嬉しそうに目を細めている。
「次は陽愛、そして愛菜だな。 ふたばちゃんに負けるなよ」
「はい! ひなもがんばりましゅ!」
「まなもまけないよー!」
陽愛、愛菜の順に輪っかを投げたが、陽愛は外れてしまったが、愛菜は何とか棒の的に入ったようだ。
俺は労うと同時に頭を撫でであげた。
楽しく遊ぶのだから、ギャン泣きしないようにフォローしてあげないとな。
そういった感じの順番で何度か輪投げをやり、楽しんだ後は絵本を読んであげることに。
ゆきちゃんとふたばちゃんは、母親と父親に絵本を読んでもらっているが、実の兄からは構って貰えてないようで、俺と一緒に絵本を読むのは楽しみだったようだ。
5人の幼女が俺の周りに密集しつつ、一緒に絵本を読んでいた。
幸い、今回の絵本も新しく由佳里母さんが買ったものなので、幼女達はわくわくしながら絵本のお話を聞いてくれていた。
「さて、そろそろ時間かな?」
「そうだね。 そろそろママによばれるね」
そうしているうちに夕方になったようで、そろそろゆきちゃんとふたばちゃんはお母さんと一緒に家に帰らないといけない。
由佳里母さんからそろそろ終わるよと言ってきそうなタイミングなので、俺達はリビングに向かう。
「その前に、ゆきちゃんとふたばちゃん、おいで」
「「うん」」
遊んであげる前に二人のお母さんが言っていた事を思い出した俺は、ゆきちゃんとふたばちゃんを呼んだ。
とてとてとこっちに来たところを、二人まとめて優しく抱いた。
「あ……」
「おにいちゃん……」
「お家に帰ると寂しい思いをするだろうしね、少しこうしてやりたいと思ったんだ。 ごめんな」
「ううん、ゆきはうれしい」
「ふたばも♪」
そう言いながら二人は俺の身体を頬ずりする。
実の兄が二人をいない者として扱われている反動で、俺のような兄が欲しかったのだろうな。
「また、陽愛達と遊んであげてな」
「「うん」」
「にーしゃま、はやくママのところへ」
「よし、行こうか二人とも」
俺はゆきちゃんとふたばちゃんの手を繋いで、リビングへ向かう。
陽愛達も一緒にゆきちゃんやふたばちゃんとおしゃべりをしながらリビングに行く。
二人の家庭環境は兄以外は良好なんだし、兄がもう少し柔軟になってくれればと思いながら。
ゆきちゃん達のお母さんは、俺にお礼を述べて、またお話してあげてと告げてから、二人と一緒に帰って行ったのだった。
作者のモチベーションの維持に繋がりますので、よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。




