79 父の実家に行こう その3
6日ぶりの更新です。
「「「いただきまーす!」」」
「はい、たんとお食べ」
広間で、昼食として出されたばあちゃんの作った料理を三つ子はもきゅもきゅと食べる。
その様子に俺もそうだが、じいちゃんも笑顔になっていた。
「三人とも、美味しいかい?」
「「「うん、おいしーよー」」」
挨拶の時はいいとして、ばあちゃんに美味しいと言うときも三人一斉に言うのは、やはり三つ子だなと今でも思ってしまう。
じいちゃんは、そんな三つ子幼女を笑顔で見ていた。
端から見れば、怪しい笑顔で幼女を見つめる光景でしかないな。
「じいちゃん、三つ子を見つめる余裕があるなら早く食べないと、父さんに取り分が取られるぞ。 特に焼きそばが」
「ぬおっ!? そ、それは困る!!」
俺が呆れたまま、父さんに取り分が取られるぞと言った所で、あわてて焼きそばを確保していた。
父さんとじいちゃんは、焼きそばが好きで2人前分以上は食べられるみたいだ。
なのに太らないとか、あり得なさすぎるだろ……。
「にーしゃまー」
「陽愛、どうした?」
「これ、あげましゅ。 はい、あーん♪︎」
じいちゃんと父さんによる焼きそばの食べっぷりを見てげんなりしている所に、陽愛がフォークに刺したハンバーグを俺に差し出していた。
陽愛からの『あーん』が可愛すぎて、たまらずフォークに刺さったハンバーグを口にした。
「ありがとうな、陽愛。 お兄ちゃんからも……はい、あーん」
「あむっ」
お返しに俺は陽愛が食べやすそうなものをフォークを使って食べさせてあげた。
一口だが、陽愛は笑顔でもぐもぐと食べている。
「にーに、ゆなからもこれあげゆー」
「まなからもこれあげるー」
「おおっと、悪いな二人とも」
「あらあら、幼い子にモテるわねぇ、彼方ちゃん」
「母さん、一応息子には彼女がいるんだが……」
「あらあら、まぁまぁ」
俺が三つ子に『あーん』されている様子を見たばあちゃんが微笑ましそうにそう言った。
そこに父さんが今度はポテトサラダを食べながら俺には彼女がいると言ったようだが、一応は余計だ。
今の俺には、小梅崎 花蓮という立派な彼女がいるんだからな。
「いつも彼方君には娘の面倒を見てもらっていますから、ある意味お兄ちゃんっ子になってるかもしれませんね」
「そうなのねぇ」
「彼方の今の彼女も子供が好きで、よく陽愛達と遊んでくれてるからね」
「なろほどのぉ。 面倒見がよいカップルという事じゃな」
一方で由佳里母さんと父さんは、祖父母と話をしながら食べていた。
まぁ、確かに俺が主に陽愛達の面倒を見てたし、時折花蓮も陽愛達と遊んであげたりしていたしな。
「ん? 着信? 少し離れるよ」
「ああ、分かった」
そんな感じで和やかに食事をしていた矢先に父さんのスマホに着信音が鳴った。
真剣な様子で父さんがじいちゃんに席を離れると伝えてから広間を出ていく。
どうも嫌な予感がする。
その予感はすぐに的中してしまう事になるとも知らずに……。
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