73 花蓮と三つ子と夏祭り その2
お待たせしました。
5日ぶりの更新です。
「お、彼方坊と三つ子の嬢ちゃん達じゃないか。 今日も来たのか」
「ああ、今日は友人達と共にな」
夏祭り会場に入ってすぐに輪投げの屋台をやっているおやっさんが俺に声を掛けてきた。
俺が友人たちと来たと言うと、おやっさんが三太たちを見てこう聞いて来た。
「そっちの坊主と嬢ちゃんは付き合ってるのかい?」
「ぬあっ!?」
ストレートに聞いて来た事に驚きを隠せない三太と、珍しく赤らめながら俯くのじゃ委員長。
確かに傍から見れば手を繋いでるのを見ただけで付き合ってるって思われるよなぁ。
「さんたにーにとしずくねーねはつきあってるのー?」
「「アバーッ!!」」
そこに由奈の追撃が始まり、二人は胸を押さえながら倒れた。
やっぱり幼女の純粋な質問は、時には鋭利な刃になるなぁ。
「由奈ちゃん、あそこのお兄ちゃんとお姉ちゃんに変な事を言っちゃだめだよ」
「ごめんなしゃい……」
そこに花蓮が由奈を諫めてすぐに二人に謝る様子を見て、俺は苦笑する。
「そういう彼方坊もそこの嬢ちゃんとは付き合ってるのか?」
「まぁ、色々あって今は順調に付き合ってるよ」
「そうですよ、私達は恋人同士ですし」
「そうか、彼方坊にも春が来るか」
「今は夏ですけどね」
「ツッコミも切れるなぁ。 じゃあ折角だしそこの嬢ちゃん、輪投げやらないか?」
「輪投げかぁ。 昔は上手くなかったけどね」
おやっさんが花蓮に気付き、付き合っているのかと聞かれたが俺はそのまま付き合っていると公言した。
確かに今の俺には比喩的に言えば『春が来た』と言うべき状態だろうけど、花蓮が今は夏だと突っ込んだ。
そんな話をしてる最中に、おやっさんが花蓮に輪投げをやらないかと誘ってきた。
だが、彼女は昔はあまり輪投げができなかったようだが……?
「やってみたらどうだ? 10回分は俺が払うし」
「流石に彼方君に悪いから、私のポケットマネーで払うよ。 陽愛ちゃん達の為に残しておかなきゃね」
「ああ、確かに」
「じゃあ、おじさん。 やってみますね」
「よーし、5回で300円だ」
一度俺が花蓮の分を支払おうと思ったが、花蓮が制止し、自分で払うと言った。
確かに陽愛達の分も残さないといけないからなぁ。
5回300円なので、10回分……600円を花蓮はポケットマネーから支払った。
「かれんねー、がんばれー」
「かれんねーしゃま、ふぁいとですー!」
「ふぁいとー!」
「小梅崎さんの輪投げ、楽しみじゃのう。 服部君もやってみるかぇ?」
「そうでござるな。 拙者も輪投げに挑戦してみるでござる」
「最後の委員長と服部くんの口調が相変わらず気になるけど、陽愛ちゃん達が応援してるしやりますよー」
「頑張れよ、花蓮」
「もちろんさ! さぁ、一回目いくぞー!」
三太と委員長のじゃ口調とござる口調のやり取りを気にしながらも、三つ子の応援を背に花蓮は輪投げをやり始めた。
昔は苦手だった輪投げは今はどうだろうか?
そう思いながら花蓮の輪投げを見届けるのだった。
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