68 三つ子幼女と夏祭り その1
花蓮とのデートから少し時は流れ、現在はお盆休みの時期。
大体の社会人は、この時期を利用して帰省しているらしい。
もちろん、休みでない業種もあるわけだが。
花蓮もこの時期は、母方の祖父母が来ているみたいなので、遊びに来ることはないらしい。
なので、今日は俺達家族は3日ある夏祭りのうちの最初の祭りに行くことにした。
町内会の人達が催している小さな祭だが、活気は他の祭と大差ないくらいに、賑やかだ。
「わー、にぎやかでしゅ」
「すごいすごーい♪︎」
「ひとがいっぱいだー」
「人が多いから、はぐれないようにしっかり手を繋ぐんだぞ」
「「「はーい♪︎」」」
元気よく返事をしながら、はぐれないようにしっかり手を繋ぐ陽愛達。
俺は陽愛と由奈、由佳里母さんが愛菜と手を繋いでいる。
父さんはみんなの分の財布を握っているので、陽愛達の手を繋ぐ事が出来ないと悔やんでいたがね。
「さて、まずはどの屋台にしようか?」
「あれやりたい!」
「あら、あれは……」
「ほぉ、輪投げか」
由奈がやりたいと言って指差しした先には、輪投げ屋さんがあった。
他の子供達もやってるみたいで、賑わっているようだ。
「よし、まずはそこに行こうか。 陽愛や愛菜もいいな?」
「「うん♪︎」」
「わーい♪︎」
俺が由奈の行きたい場所である輪投げ屋さんに行く事を陽愛や愛菜にも伝える。
陽愛や愛菜も輪投げをしたかったらしく、その屋台に行く事を了承してくれた。
当然、由奈は大喜びだ。
「お、勝次さんと彼方坊じゃないか」
「あれ、おやっさん?」
陽愛達の手を繋いだまま、輪投げ屋さんに着くと、俺が『おやっさん』と呼ぶ高齢の男性が輪投げ屋さんをやっていた。
他のスタッフも一緒にやっているみたいだが。
「今年は輪投げをやってたのですね。 去年までは焼きそば屋さんだったのに」
「ああ、俺も年でな。 今回は息子に任せてる。 あそこが息子がやってる焼きそば屋さんだ」
「なるほどね」
どうもおやっさんは高齢に勝てず、今年は焼きそば屋さんを息子に任せたらしい。
とてもそうには見えないが、やはりジワジワと来てるんだろうな。
「さて、彼方坊はここで輪投げやるのかい?」
「あ、俺じゃなくこの子たちだ」
「おじちゃーん、わなげー」
「ひなもやりたいでしゅ」
「まなもー」
「おおっ、この子たちは彼方坊の妹さんかい?」
「まぁね。 父さんが再婚した際に出来た妹だ」
おやっさんと俺、父さんが陽愛達のいる場所に顔を向くと、三つ子が早くやりたいといった感じで楽しみにしていた。
悪いね、待たせてしまって。
「なるほどなるほど、じゃあ5回で300円な」
「という事は三人だから900円か。 これでいいですか?」
「1000円の預かりで、100円のお釣りさね。 勝次さんが財布を握っていたのか」
「一応、大黒柱なもんでね」
「さて、嬢ちゃん達はこの輪っかをあそこに向けて投げてごらん。 全部外れても参加賞をあげるから気楽にな」
「「「うん!」」」
そして、陽愛達が一生懸命に輪投げをし始めた。
気楽にしていいっておやっさんが言ってたのになぁ。
まぁ、そこも可愛いからいいけどね。
父さんも由佳里母さんもそんな陽愛達の様子を見て微笑んでいたようだ。
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