36 花蓮の両親とのお話
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俺と花蓮がお互い求めあった直後、執事さんからリビングに向かうようにと連絡があった。
時刻は夜の6時半になっており、約1時間は求めあったと思われる。
ひとまず、支度をした後でリビングに向かうと理事長と花蓮の両親がにこやかな顔で待っていた。
「やぁ、彼方君。 お楽しみしていたのかな?」
「ちょっ、何を言って……!」
「なぁに、我々は彼方くんなら歓迎する姿勢だからね。 何も問題はないさ」
「むしろ花蓮は、あなたに唾を付けたがってたからね。 いい具合に発展しててよかったわぁ」
うわぁ。
だめだこの大人たち、早く何とかしないと……。
というか、花蓮とあんな事をすることさえ織り込み済みだったってのか?
「我々にしてみれば、例の祖父から紹介されたあんな男と結ばれるより、先輩の息子である彼方くんと結ばれたほうが遥かにいい」
「ん? 先輩? 父さんの事ですか?」
「おっと、失敬。 その通りだよ。 君の父親である勝次さんは私や妻の先輩でね、色んな方面で手助けしてくれてたのさ」
「お父さんとお母さんと勝次さんにそんな関係が……」
いや、初めて聞いたぞ、父さんが花蓮の両親の先輩だっていうのが。
どんだけ交友関係が広いんだよ……。
「先輩には君が少し遅くなる事はこちらで連絡しておいた。 なに、すぐに終わる話だ」
穏やかな笑顔を浮かべた花蓮の父親と母親が、俺と花蓮に向かって話し始めた。
「まず、君には花蓮と一緒に居てくれて本当に感謝してるよ。 色々あって花蓮はなかなか有意義な学校生活を送れなかったからね」
「友人がいなかったからですか? 件の祖父のせいで」
「理事長から聞いていたんだったな。 その通りだ。 幼いころから私の祖父がよく介入しては花蓮の学校生活を邪魔してきたんだ」
「確か、英才教育と言う名のパワハラだったり……でしたっけ? 自分の思う通りに動く人形にするための」
「そうだ。 そのせいで花蓮は友達がなかなか作れなかったんだ。 一緒に遊びたいのに祖父が許さなかった。 その度に妻の方の祖父母に懲らしめられているし、一度警察沙汰になったのだが、一向に懲りてなくてな……」
ああ、警察沙汰といえば、理事長から聞いたあいの山学園の合格取り消しをさせる為に乗り込んできた件の事だろうな。
それでも懲りないあたり、その祖父が相当歪んでたんだなと改めて知らされたな。
「それは今回無理やりねじ込んだお見合い事件もそうでした。 その祖父は音沙汰がないと気付いたのか、正門付近で待ち伏せをしていたようでした。 でも、何者かの通報によって先ほど逮捕されたと警察から連絡があり、今は私の……母親方の祖父母に任せていますわ」
やはり正門付近で待ち伏せしていたのか。
すぐに逮捕されたのはよしとしたいが、誰が通報したんだろうか。
「それと同時に今回のお見合いをキャンセルする方向で妻の方の祖父母が調整してくれているのでな。 これで肩の荷が降りれる」
「でも、また出て来るんじゃ?」
「そこは、先輩経由で妻の方の祖父母に遠くの寺を紹介してそこで修行させるように仕込んでいるみたいだよ」
「父さん……」
「胃薬いるかい、彼方君?」
「貰います、理事長……」
ここでも父さんが仕込んでるのか。
しかも、和尚さんにも知り合いがいたなんて、交友チート持ちなのかと疑いたくなった。
なんだか胃がキリキリしてきたので、理事長から持ち歩いていた胃薬を貰う事にした。
「何はともあれ、花蓮を縛る者はもういないと言っていいだろう。 私は婿養子で妻程権力は強くないので、私が言うのもなんだが……」
花蓮の父親が一呼吸を置く。
そして、隣の母親と共に、頼み込むようにこう言ってきた。
「これからも、花蓮の事をよろしく頼む」
「私の方からも、花蓮をよろしくお願いします」
花蓮の両親から同時に彼女の事をお願いされた。
今の俺と花蓮は友人としてではなく、恋人としての関係になっている。
俺としても、これからも花蓮と付き合っていきたいのでこのお願いは受け入れようと思う。
これで正式に花蓮と付き合う事が決まり、彼女の家にも顔パスで遊びに来てもいいと言ってくれた。
後、父さんが再婚した際に三つ子の妹が出来た事も花蓮から聞いていたので、三つ子もぜひ家に来て欲しいとも言っていたな。
そんな感じで、確約を得た俺は理事長と共に車で送ってもらい、帰宅した。
そして、花蓮も明後日から学校に来れるので、無事中間テストには間に合いそうだ。
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