35 花蓮の事情と彼女への告白
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「それにしても、地下にこんな部屋があったなんてな」
地下にある部屋とは思えない位にファンシーなレイアウトは、元々花蓮の為に用意された部屋だとしか思えなかった。
その発言を察した花蓮がこの部屋の意味を話した。
「この部屋は私が酷い目に遭いそうな時の為の避難用の部屋なんだよ。 今回みたいに父方の祖父が私を狙っているからね」
「お見合いをねじ込まれたんだっけ?」
「うん。 一応、母方の祖父母が懲らしめてくれてはいるし、キャンセルできるようにして貰ってるけどね。 そもそも小梅崎家はお見合いはご法度なんだけどね」
「それでもあの祖父だから、不安があると」
「そう。 私が登下校する最中に待ち伏せして、拐おうと画策してるかもって。 あの祖父、昔にも私を英才教育という名のパワハラみたいな事をしようとしてたから」
なんとまぁ……。
改めて聞くと相当アレな性格の祖父なんだなぁ。
小梅崎家ではご法度な筈のお見合いを無理やりねじ込んでくる程だから。
「それで暫くこの部屋に引きこもってた訳か」
「そうだよ。 あの祖父は私を自分の思うままの人形にさせようとしているから。 私の意思で受験したあいの山学園に合格した際もあの祖父だけは猛反対してたからね」
「あの祖父がフェードアウトするまではか?」
「多分ね。 この部屋はトイレや風呂も設置されてるけど、食事以外は部屋に出れないからね。 不便だよ」
そうなると件の祖父が大人しくならない限り、花蓮はこの部屋に引きこもる羽目になる。
中間テストがもうすぐ迫ってくる時期なので、花蓮も焦る。
「メールとかでやり取りする事は出来るけど、それでは寂しさを紛らわす事が出来ないからね」
花蓮が寂しそうにそう呟く。
この際だ。
俺も本音を言おう。
「俺もさ、花蓮が欠席してからは、何かポッカリと穴が空いたような感じだったんだよ。 花蓮がいたから話も弾んだんだなって」
俺の話に花蓮は黙って聞いている。
「それが2、3日続いてから花蓮の存在がどれだけ大きかったか、思い知らされたよ。 出会ってからたった1カ月くらいしか経ってないのにさ。 だから、これを言おうと思うんだ」
花蓮は、固唾を飲みながら俺の次の言葉を待つ。
「俺は、花蓮の事が好きだ」
俺の告白に、花蓮は両手で口を押さえながら涙目になる。
「あの時にも言ったけど、私も彼方くんが好きなんだ。 だから、君からそれを聞けてすごく嬉しいよ」
「ははは、こんな状況での告白だから申し訳ない感じだったけどな」
涙を指で拭いながら、笑顔で応える花蓮。
今、こんな状況なのに、告白するのは迷惑じゃないかと思ったがそんな事はなくて安心した。
「それでも、私達も陽愛ちゃん達が成長するまで見守ってあげないとね」
「ああ。 陽愛達も花蓮に会いたがっているからな。 陽愛達にとっては花蓮は理想のお姉ちゃんみたいだから」
「そうだね。 早く解決して陽愛ちゃん達にも会ってあげないとね」
「とにかく、これからも宜しく頼むよ、花蓮」
「こちらこそよろしくね、彼方くん」
陽愛達のこれからの事も確認した俺と花蓮は、恋人になった証として、ゆっくりと唇を合わせた。
その後、花蓮から求められたので、連絡が入るまで彼女の求めに応じたのだった。
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