ロリコン対策会議1
脳内会議
『えーでは、第一回ブレイド様対策会議を初めたいと思います』
馬車で家には帰る途中で私は心の中で密かにそんな会議を初めていた。あまりの衝撃に耐えれなくなった結果だが、必要なことかので仕方ない。心の中で円卓を囲む12人の私(cv私)の中でもっともリーダーシップのある私(1番)が仕切り始めた。
『皆さんご存知の通り、ブレイド様はロリコンでした』
『最低よね』
『クズだわ』
『でも、素敵』
『こら私!仮にも私なら拒みなさいよ!』
そんな意見が出る中で静かに手を上げるのは私(5番)だった。
『私(5番)何か?』
『そもそも、この婚約を私は拒めない。そこが問題ですね』
『そうね・・・これは王家からの直々の縁談だし断るのは至難ね』
そう言うとダルそうに手を上げたのは私(7番)だった。
『でも~、あのロリコンに貞操渡したくないし~』
『そうなのよ!イケメンだろうとあんなロリコンはダメよ!』
『だったら~断るしかないね~』
『それが出来たらどれだけ楽なのか・・・』
私(1番)が天を仰ぐと私(11番)が立ち上がって言った。
『なら、今から家を抜けるか?壮大な家出計画だ!』
『いやいや、冷静になろうよ私(11番)。こんな幼女が異世界で一人生き抜くなんて無理ゲーよ』
『やってみなけりゃわからねーだろ!それともお前は大人しく貞操を渡すのか?あんなゲスに』
『それは死んでも嫌だけど・・・』
そこで会議は停滞してしまう。皆が難しい顔をする中で挙手をしたのは私(4番)だった。
『なら、これから力を身につけて護身術を学ぶのはどうかな?』
『その前に貞操がなくなる気がするけど・・・』
『そうかな?ほら、さっき見たでしょ?この世界には魔法があるんだよ。ならさ、魔法で護身術を身につけたらあの王子も下手には手を出してこないかもしれないよ』
『そうは言うけど、そんな簡単に魔法なんて使えないわよ。ラノベ主人公みたいなチートがあれば別だけど、私はトラックにひかれたわけでも、神様に会ったわけでもないから無理でしょ』
うーんと、悩む。
『せめて他の攻略対象だったら手の打ちようもあったのに・・・』
『他の攻略対象・・・それは使えるかも!』
『使える?私(2番)何か策でも?』
そう聞くと私(2番)は不敵に笑いながら言った。
『他の攻略対象に助けを求めましょう!もしかしたら何か事態が変化するかもしれないわ!』
『そうかな・・・余計面倒なことになるような・・それに、仮に事態が動く可能性があっても私は彼らとは今現在接点ないよ』
『そんなのどうとでもなるわ!お城に通っていればきっとチャンスはあるわ!』
『だといいけど・・・』
そんな風に逃避をしているとそんな結論が出てくるが、この結論が更なる悲劇を産むことを私はまだ知らないのだった。