表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

転生先は幼女

幼女転生(^^)



前世の記憶というものを信じるだろうか?少なくとも私はその手の現象を夢見る普通の冴えない女子高生だった。クラスにいるけど目立たない地味で暗いオタク少女。好きなことは二次元に逃避することだったが、いつかは自分で創作活動をしようという気持ちもある普通のオタク少女だった。



ーーーという、前世の記憶を思い出したのがついさっき。


頭痛がして早めに就寝したと思ったら、次には幼女の体になっていた。そして、私は近くの鏡を見て思わずフリーズしてしまった。そこに映るのは銀髪の美幼女。そして、何の因果か私はこの容姿の人物を知っている。


リアルの人間ではない。そもそも私にリアルで話せる恋人どころか友達、知り合いすらコンビニの店員さんくらいしかいないくらいの壊滅っぷりだからだ。・・・別に悲しくなんてないよ。本当だよ。


さて若干話が反れたので、話を戻そう。


リアルの人間でないなら答えは一つだけ。それは私が就寝前にやっていた乙女ゲーム『メモリアル★プリンセス』という恋愛シミュレーションゲームに出てくる悪役令嬢のレイナ・メルティという少女を幼くした姿にそっくりなのだ。何故そう思うのか、不思議だが、すんなりとそれが自然なことのように感じた。つまり・・・


「乙女ゲーム転生・・・」


なんだかえらく可愛らしい声が出たが、そうとしか思えない。異世界転生、しかも乙女ゲームへの転生。色々と確認はしないといけないが、少なくとも私はモブキャラから一気に悪役令嬢へとクラスチェンジしてしまったようだ。夢ならいいなと頬っぺたを軽く摘まむとなんとも柔らかい感触に和んでしまう。


はぁ・・・これはええもんや。いや、そんなことをしてる場合じゃない。と、そんなことをしていると、コンコンというノックと一緒に声が聞こえてきた。


「お嬢様。入ります」


そう言ってから部屋に入ってきたのはマジもんのメイドさん。しかも超可愛い。あ、でも待てよ。私幼い頃のレイナの態度がわからない。確か悪役令嬢のレイナは王子に恋心を拗らせたワガママキャラのはず。昔からそうならそうしなきゃいけないけど・・・よし頑張ってワガママになってみよう!


「お嬢様。朝食の準備が整いました」

「わかりました。すぐに行きます」


・・・無理でした。そんな度胸ありません。そんな度胸あればとっくの昔に友達100人作ってます。そんな私の内心は知らないだろうメイドさんは私の言葉に驚いたような表情を浮かべてから言った。


「お着替えをお手伝いさせていただきます」

「あ、はい・・・」


恐縮しながら着替えを手伝ってもらう。なんだか凄く申し訳ないが、今は少しでも情報が欲しいし、何か聞くべきだろうか・・・


「本日はご機嫌がよろしそうですね、お嬢様」

「そ、そうですか?」

「はい、いつもなら、私に罵りの一つでもありそうなものなのにないのは、やはり緊張なされているのですね」


いつもはそんなことをしてたのかレイナさんよ・・・しかし緊張?何かあるのかな?だとしたらヤバい。早くレイナのキャラを掴まないと。


「本日はお嬢様がブレイド殿下にお会いになるのですからね。緊張は仕方ありませんね」


ブレイド?それって、もしかして乙女ゲームの『メモリアル★プリンセス』の攻略対象の一人、第一王子のブレイド・レイズのことかな?だとしたらこれは婚約に関するものなのかな?そうなるとこれからあの攻略対象を間近で見られるのか・・・ヤバい!緊張してきた。サインと握手は貰えるよね?いや、そんなファンみたいなことは今は置いておいて、それにしても王子にいきなり会うのはかなりきついな・・・まあ、なんとか無難に過ごすしかないかな。


そんな風に思っていたこの時の私を今は殴りたいくらいだ。歯車がすでに噛み合ってないことに気づけなかったのはきっと、少なからずこの転生に期待していたからだろう。結論から言ってそれは大きく下にいくことになるが、私はそれに気づけなかったのだった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ