攻略対象が大人
注意、気持ち悪い真性のロリコンが出ますのでご注意を。まずは一人目。
なんとかバレないように朝食をとってから、色々と着飾るために準備をしたのだが、メイドさんて凄いね。動きに迷いがないというのか、気がつけば色々終わっていた。
担当するメイドに恐縮していると、皆から少しだけ不思議な表情をされたが・・・元のレイナのようなワガママな振る舞いなんて出来そうになかった。だって、演技とか無理ゲーなんだもん。それに元々コミュ障で、ボッチで根暗な私がいきなりワガママお嬢様になるとかラノベタイトルにでもなりそうな奔走が必要なことがわかる。
そうして、馬車に乗せられて王城に着くが、あまりの大きさに思わず感嘆の息が出そうになるのを堪えるのに必死だった。そこいらにいる衛兵さんのクオリティの高さにもびっくりしたけど、リアルに剣があるのを見てからさらにびっくりした。そして、もうひとつ驚いたのは・・・
「ま、魔法・・・」
「お嬢様?訓練場がどうかされましたか?」
「なんでもありません」
思わず口にしてしまったが、訓練場にて行われていたのは炎やら水やら雷やらをファンタジーに打ち出す光景のオンパレード。詠唱をしているのか声が聞こえてくるが、間違いなく魔法なのだろう。え?でも、待てよ。私が知る『メモリアル★プリンセス』には魔法なんて単語は出てこなかった。普通の貴族の恋愛もので、そんなファンタジー要素は皆無だったはず。
まあ、異世界転生の観点から見たらあっても不思議じゃないけど、もしかしてそっくり乙女ゲームの世界に転生したわけではなく、あくまで近い要素を持った異世界と考えるのが妥当かな?それなら乙女ゲームの強制力とかはないかもしれないし、私がヒロインに追い詰められる展開も・・・多分大丈夫だろう。
「こちらで、殿下はお待ちです」
そんなことを考えているといつの間にか着いてしまったようだ。ど、どうしよう、憧れのブレイド様に会えるなんてファンからしたら光栄の至りだよ。あ、でも、悪役令嬢だから私は攻略対象には嫌われてるかもしれないし、なんとか鋼のメンタルで耐えないと。
「お初にお目にかかります。メルティ公爵家のレイナ・メルティです」
そうして部屋に通されてからなんとかそれらしい挨拶と淑女の礼を真似てみるが、そこで一瞬フリーズしてしまう。
「ああ、来たか」
そう言ってから座ってる椅子から腰を上げて立ち上がるブレイド様。なんだけど・・・なんか、サイズが想定と全然違うんだけど。見上げる形になるほどに大きい・・・180cm近くあるか?しかもなんだか凄く大人って雰囲気なんだけど、これって・・・
「初めてまして、メルティ嬢。レイズ王国第一王子、ブレイド・レイズだ」
「あ、はい・・・あの、その・・・ブレイド殿下。出会い頭でこんなことをお聞きになるのは失礼かと存じますが、お年はいくつなのですか?」
「私か?22歳だ。しかし最初の質問がそれとは驚いたよ。やはり噂とはあてにならないものだ」
22歳?え?マジで?な、なんでブレイド様がそんなに年上なの?確かゲームでは同い年だったはず。いや、落ち着こう。おそらくゲームの知識は参考程度に考えた方がいいかもしれない。そうだ、ここはゲームの設定にそっくりの全く別の異世界なんだと認識しよう。よし、OK。
「ま、立ち話もなんだし座りたまえ」
「は、はい・・・」
「他の者も下がってもらって構わない。今回はメルティ嬢のことをよく知りたいからな」
「殿下、しかし・・・」
「下がりたまえ」
そう冷たく言うと使用人達は下がっていった。私の付き添いの侍女がどうするかアイコンタクトを求めてきたので、私は少しだけ考えてからなんとか言葉を出した。
「殿下の命令ですから、下がってください」
「かしこまりました。何かありましたらすぐにお呼びください」
「はい、お願いしますね」
ふぅ、なんとか話せてよかった。しかしこれからブレイド殿下と一対一で話すと考えると気は抜けない。おそらく婚約の話のはずだけど、私は別にブレイド殿下と結婚したいわけではない。攻略対象以外で、メルティ公爵家にとって利益になりそうな人がいいのだから、多少嫌われても大丈夫だろう。よし。
「さて・・・今回は、君と私の婚約についてなのだが、その前に聞いてもいいかな?」
「は、はい」
「メルティ嬢は今何歳だ?」
「えっと、5才です」
「やっぱりそうか・・・」
その言葉に顔を覆う。も、もしかしてこれは婚約にはならないフラグなのかな?こんな年下の幼女と婚約なんてダメだっていう気持ちなのかな。だとしたら、凄くマトモな精神で好感が持てる・・・と、そんなことを思っていたが、覆ってる顔の下にチラリと見えた笑みを見てからそれは恐怖に変わる。
「くくく・・・なるほど、私の性癖をわかっていてあえてこうくるとは父上もわかっている。しかもこんなに好みの幼女はそうはいない」
「ぶ、ブレイド殿下?」
「ああ、すまない。メルティ嬢。しかしそれにしても、噂よりかなり大人しいようだし、何より美味しそうだ」
そこで色っぽく舌を舐めるように唇を潤すブレイド様だったけど、私はある可能性を考えてしまって動けなかった。ま、まさかこの人・・・
「私はね、メルティ嬢。子供が大好きなんだよ。なにしろーーー」
そう言ってから濁った瞳で私を見て言った。
「無垢な子供を犯すのは何よりも得難い快楽だからね」
ろ、ろ、ロリコンがここにいますよー!!!!!!ヘルプミーお巡りさーん!!!!そう心の中で叫びながら必死に顔に出さないようにすることが一杯一杯だった。そして、これがまだ地獄の入り口にすら入ってないことにこの後気づくのであった。




