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姉と妹

 自分の行動のせいで、セレネを怒らせた。

 あの紅い瞳に睨まれ足がすくんで動けなかった。

 その後のことは曖昧で、ふわりと体が浮いたと思えば、一瞬にして景色が変わったように見えた。

 そして———


「お、お姉ちゃん……あの…おろして……」


 気が付けばセレネに横抱きにされていた。


「ミスラ……」

「っ!?」


 ミスラの赤面要求を無表情で流し、セレネは抱く腕の力をぎゅっと強めた。


「なっなななに!?」

「ちゃんとお肉、食べてる?」

「は……?」


 セレネはミスラの腕や足を手で揉み、身体の肉付きを確かめた。


「ちょっ、どこ触って……」

「お風呂の時も思ったけど、ちょっと細い……?」


 必死にセレネから離れようとするも、ミスラの力では適わなかった。むしろセレネはミスラを落とさないようにと更に距離を詰めようとする。


「昔はもう少し柔らかかったのに……」

「う、うるさいなぁもうっ!ちゃんと食べてるよ!」

「ほんとに?」

「本当だよ!もういいからおろして!……さすがにずっとこの体勢は恥ずかしい……!」

「……………わかった」


 ———………

 部屋に戻る途中、長い廊下を並んで歩いた。

 ミスラは何も言わないセレネをちらりと盗み見て、話の切り出し方を探していた。

 あの子らに自分のことを聞くことは出来なかったが、今ならセレネから全てを話してくれるかもしれない。

 でもまた怒らせたら?

 出来ればあの感覚は二度と味わいたくない。

 ミスラに直接向けられたものではなかったにせよ、あの瞬間彼らを敵視したことは明白だった。

 どうしてそんなにも隠したがるのか。

 考えれば考えるほど、答えは迷宮入りしていくばかりだ。


「ミスラ」


 突如呼ばれたミスラは驚いて体をびくりと震わせた。


「な、なに?」

「………」


 いつの間にか歩みを止めていたセレネは、振り返ったミスラの瞳を真っ直ぐに見つめた。


「お姉ちゃん?」

「ミスラは、知りたいの?自分のこと」


 まさかそっちから聞いてくるとは思わなくて、ミスラは一瞬目を見開いた。

蒼依です。こんばんは。

セレネはあまり表情豊かな方ではないです。逆にミスラはいつもにこにこしてます。双子って顔は似ているけど中身はほんとに違う場合が多いですよね。本人たちは顔も違うって言いますけど、だいたいの人たちは見分けるのに時間がかかるものですよね。

今回もお読みいただきありがとうございます!

それでは次話もよろしくおねがいします∠( ˙-˙ )/

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