懸念
この子達の話を聞いて、自分の中の何かを変えることが出来るだろうか。いや、変えなければならない。
そう強く決意して、ミスラは瞳を開いた。
「お願いします」
聖なる扉を背に、ミスラはハンプティ、ダンプティに頭を下げた。
ふたりは相変わらずお互いの手を握ったまま、からかっているようにも見える笑みを浮かべている。
「わたしのこと、全部教え………」
「ミスラ!!」
開きっぱなしだった部屋の入り口から、ミスラの言葉を遮り叫んだのはセレネ。
「え、お姉ちゃ……」
「ミスラ、何してるの」
ゆっくりとこちらに向かうセレネの表情は、前髪に隠れ見えない。だがミスラの名を呼ぶ声はいつもより若干低い気がした。
「えぇっと……」
まずい。怒っている。
ミスラはそう直感で感じ、一歩引き下がる。
「お姉さんはハンプティたちとお話してるの!」
「邪魔しないで!」
ハンプティとダンプティが両手を広げミスラを取られまいと、セレネの前に立ちはだかった。
「邪魔なのはお前らだ。ミスラを私から引き離して、何をしようとした」
「ハンプティたちはお姉さんの正体をおしえてあげようとしただけ!」
「悪いことなんてしてないんだから!」
それを聞いて、セレネの眉はぴくりと動いた。
「ミスラの、正体を……?お前らが……?」
そう呟くと、セレネは吐き捨てるように言った。
「お前らに私たちの何が分かる!」
黒い前髪から覗く魔物のような紅い眼差しに3人が恐れを抱いたと同時、セレネは風の速さで駆け抜けミスラを攫った。
ハンプティとダンプティが我に帰り振り返った時には、佇む扉だけが彼らを見下ろしていた。
こんばんは。
久しぶりのセレネ登場でしたが、どうでしたでしょうか(/ー▽ー)/
桜が綺麗な季節だとたくさんの人が言ってますねぇ。わたしはまだ一輪も見ていませんが。
今回もお読みいただきありがとうございます!次話もまた明日に!




