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三十一話
ふたりからの返事に、ぼくは愛想笑いを浮かべる。運命的なカップルだなと、お似合いだなとも思った。素敵だなとも、皮肉でなく思ったりもした。そういえば赤羽と菅原さんもなにげに結構合ってる気はしたが、あのあと会ったりはしているのだろうか?
「それで上月先輩は、輿水さんとはどのような関係なのですか?」
まさかの質問に、頬を引き攣らせる結果となった。
ぼくは額を押さえ、
「いや、関係って言われても……言うなら、単なる行きずり?」
「? 行きずりの女の子を合コンに呼んだんデスか?」
真面目か。ぼくは手をどけ、彼女の眼を盗み見た。真剣だった。むしろ目が合ったことに首を傾げられた。さすがは飛び級の天才少女、何事にも疑問は残さない主義といったところだろうか?
面倒といえば面倒、気にしないといえば出来なくもなかった。
だけど相手にしないという選択肢は、その時のぼくにはなぜかなかった。
「いや……実はオレ自身、彼女のことは計りかねててさ。むしろ第三者の意見を伺いたいところっていうのがホントなんだけど?」
チラリ、と視線を送ると、彼女はぽかんとした顔をしていた。
――どゆこと?
「知らないんですか?」
――だからなにを?
「彼女、この大学の理事長の娘さんですよ?」
嘘みたいな、それこそホントの話だった。




