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次の日、ポールは木で作ることにして、トゥレーが加工することに。トゥヴォとフェムが助手として手伝うことになった。わたしは外の大工に頼んでもいいかなって思っていたんだけど、3人が是非やらせて欲しいっていうことで、臨時手当を出すことにしてお願いしてみた。トゥレーは木工加工を仕事にしていたので、加工魔法が使えるようになったというので思ったより大丈夫そうだ。
そういうことで、今日は一人で薬草採取に行く。最近いつもついてくるフェムがいないと少し寂しい。一人で師匠のところへ行くのは、フェムを出し抜くようで、なんか違うような気がして今日は寄らずに帰ることにした。
あ、フェムいないから美の女神さまの教会へ行こう。フェムは教会巡りも一緒についてきているけど、なんか美の女神様の教会に行くのは抵抗があるらしい。男がなんで美を追求しなくちゃいけないんだとか葛藤があるらしい。そこまでのものじゃないとは思うんだけどね。
街でも中心地にある美しい美の女神様の教会へは、黒目黒髪を解除してからも定期的にお祈りに来ている。中は美を欲する女性たちがぎらぎらとしたオーラをまき散らしながら参拝に来られている。ぎらぎらしすぎて近寄りたくはない。
だから、手身近に、
黒目黒髪を解除してくださって、ありがとうございます。今はとても幸せです。今後ともよろしくお願いいたします。
祈りはこんな感じだ。今日も同じように祈ったところ、
『いつも真摯な祈り受け取っています。そなたのずっと変わらない純粋で綺麗な心映えに加護を授けましょう。』
頭の中でメッセージが響く。おお。加護だ。やっぱり最初の加護は美の女神様だったな。黒目黒髪の関係もあって、一番身近な存在だもの。そうだろうなって自分でも思っていた。
司祭様に確認したところ、美の女神様の加護は数十年に1人ぐらいで、その効果は老けにくくなるとか。周りにいる女性たちにばれたらヤバイので、こっそり出ていくことにした。
他の神様のところへはその後フェムと一緒に祈り続け、フェムは気合の入っていた武人の神様から、わたしは商売の神様から加護を受けた。もっとこれからも儲けまっせ!
わたしたちが神様から加護を貰ったことを他の子たちに伝えると
「フェムだけずるいぞ。俺も欲しい。」
「フェム兄ちゃん、いいなぁ。」
「サンディ様は商売の神様ですか。羨ましいです。」
エットが商売の神様の加護をえらく羨ましがる。そうだよね。借金していて苦しかったから、お金儲けに憧れるのだろう。フェムとの実験で、がめつくなくお礼の言葉と真摯な気持ちで祈ることで加護が得られるというのを伝えたところ、みんな時間のある時に教会へ行く!ということで落ち着いた。
トゥヴォとセクスは武人の神様、トゥレーとフューラは美の女神様、エットは商売の神様のところへとりあえず通うそうだ。シューはまだ何だかよくわからないけど、仲間外れされるのは嫌なので、エットに着いていくと言っている。
みんなに、がめつく欲望が駄々洩れになるのはダメなんだよと念を押しておく。特にエット欲まみれの願い事はダメだからねー。神様にはまずは感謝だよ。
それにしても、人生初の神様からの加護だよー。異世界転生して良かった。めちゃくちゃ嬉しい。この世界努力したらその分きっちり報われるんだよね。
頑張った分が報われるということで、スライムばかり倒しているけど、レベルも上がってきている。レベルが上がる時は天の声が頭の中で聞こえるっていうことも知った。わたしはまだ3回しか聞いていないから、レベル3ということらしい。フェムはレベル10もあるらしい。少し悔しいが、戦闘力はそう上げたいと思っていないので大丈夫。武人の神様の加護は戦闘力を上げるというものらしい。フェムが、動きがよくなったんだと喜んでいる。
ちなみに商売の神様の加護は、騙されないように気づきが鋭くなるだ。騙そうとする人の話を聞く時勘が働くようになるみたい。なかなかいい加護だと思う。儲けるのは自力で出来るからね。
その後、家令相談案件の2件、絵本を作るとスライムの魔石をギルドから買い取るについては、どっちも話を進めて良いということになった。
絵本の方のプロの絵かきさんは家令が探してきてくれるそうだ。剣と魔法の世界だ。最初はシューに騎士とお姫様の溺愛系、セクスにはドラゴンと戦うS級冒険者のこっちの世界のお話を絵本仕立てにしようかと思っている。前世の物語を持ってくるのに、少し抵抗があったんだよね。純粋な子どもだからこそ、こっちの世界のお話にまず馴染んでもらおう。
スライムの魔石に穴を開けるのは、みんなで試したところ、集中力がいるので、上から3人、エットとトゥヴォ、トゥレーが出来たので、仕事が終わった夜にやってもらおうことにした。もちろん給与は上乗せだ。
少ない魔力でも穴を開けられるので、今後売れだしたら外に頼んでもいいかもしれない。今は3人がやる気だからお願いしている。穴あけは慣れたら1個5秒ぐらいで出来るみたいで、いつの間にかわたしより早くなっている。エットたちは毎日苦しい中働いてきたから、魔法の使い方も熟練しているんだね。わたしも頑張ろう。
スライムの魔石が装飾品に使われるようになったら値段上がるかもしれないから、装飾品として世に出す前に、ギルドで在庫になっている分をたくさん買ってみた。
何に使われるのですかと聞かれ、家令が微笑んで何も知らない方がいいですよ感を醸し出して帰ってきた。まぁ売り出したらすぐにわかってしまうんだろうけどね。
トゥレーは本当楽しそうにアクセサリーを作っている。どこで売り出そうか思案中だ。
街中にある宿屋の場所で小物もドレスも売るブティックを作ってもいいかどうか、人手の問題もあるし、商売敵もいるかもしれないので検討中。




