第8話「アキラのカラオケデート」
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新たに“姉妹”に加わった“妖狐”のユイちゃんや、編入試験で知り合った“妖犬”のタユネちゃんとの特訓なんかが始まった週、その週末の6月22日土曜日、ボクことアキラは“ワールドアクア”の小倉駅の中央広場(モノレールの改札の目の前にある広場)で、ヨウ兄と待ち合わせをしていた。
そう、今日はボクの編入試験合格のお祝いということで、ボクとヨウ兄だけの二人きりデートに付き合ってもらうことになったのだ!
とはいえ、午後からサクヤ姉やマイカ姉達との大切な話し合いがあるみたいだから、午前中のほんの数時間のみだけど、それでもその間ヨウ兄を一人占め出来るというのは願ってもないことだ!
ヨウ兄と二人きりというのは、前世でもほんの数回しかなく、その数回もデートではなく、戦闘訓練とか敵情視察とかそういうので、全くムードなんてものはなく、そもそも前世のヨウ兄はボクのことをあくまでも“相棒”としてしか見てくれてなかったから、そういう雰囲気になりようが無かったというのもある。
だから、今日は前世からの念願叶っての、二人きりのデート!ということになる。
ちなみに、今日のボクの服装は我らが姉妹のファッションリーダーであるノゾミちゃんとメイコちゃんにコーディネートしてもらった。
まず、頭には“ワールドアイラン”で売っている、“妖犬”用の紺色の犬耳帽子!
ボーイッシュなボクの見た目に対して、カワイらしい犬耳帽子を被ることで、カッコカワイイ妹となり、シスコンのヨウ兄を瞬殺出来るらしい。
そして、ボクのモフモフ犬尻尾はあえて隠さずに、デニムのショートパンツのお尻部分を改造して、丸ごと出るようにしている。
“ワールドアクア”には妖獣はいないので目立ちまくるが、そこはあえてコスプレ風ファッションとして誤魔化す作戦らしい。
皆から“甘えん坊モード”と呼ばれている状態になったボクが、犬耳犬尻尾のままヨウ兄に迫れば、ヨウ兄の理性は崩壊するから、後は流れに任せてイける…、らしい。
そのため、トップスには“ワールドアイラン”で流行っているアニメ『ワンワンガールズ』という五人組の“妖犬”の美少女戦隊モノのデフォルメイラストが、左胸の辺りにワンポイントで描かれた、ヘソ出しの白シャツを着ている。
それから、肌の見えている部分にも、一部生体金属のパーツが使われているんだけど、その部分は化粧で隠すことも出来なくは無いと言われたが、そこはボクの中のカッコよさ優先であえて、そのまま見せることにした。
犬尻尾と合わせてコスプレの一種だと言い張ればいい。
そうして待つこと数分、ヨウ兄が待ち合わせ時間より30分も早くやって来た。
家は一緒なのだから一緒に出ればいいのではないかと思ったんだけど、デートには雰囲気も大事だからあえて待ち合わせるものよ、とノゾミちゃんに言われたのだ。
そうしてやって来たヨウ兄はボクの姿を見るなり、すごく驚いた顔をした。
「うおっ!?アキラもう来てたのか!?
というか、尻尾とか生体金属とか隠してないのか!?色々マズイんじゃ!?」
「そーいうヨウ兄こそ早いじゃん!まだ30分前だよ?
あと、尻尾とか改造部位はコスプレって設定でいくから、今日はこのままよろしくね♪」
そう言ってボクはヨウ兄の腕にぎゅっと抱きついた。
「じゃ、せっかく早く会えたんだし、早速デート開始ーっ!」
「お、おう…っ!」
ふふふ、ヨウ兄が少し戸惑ってる♪
当然だよね!だって、この妹のおっぱい(バストサイズは88!)が腕に押し付けられてるんだもん!
前世では抱きついても全然反応してくれなかった(サイズは今より少し小さいくらいだった)のに、妹のおっぱいとなった途端、反応するなんて、ヨウ兄は心底シスコンなんだな~♪
「えっへへ~♪」
「アキラ、甘えん坊モードに入るの早過ぎないか…?」
「えー?そんなことないよ~♪ボクはいつも通りだよ~♪」
「いやいや、いつもより1オクターブくらい声が高くなってるから!」
とまぁ、こんな感じでボク達のデートはスタートしたのでした♪
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さて、いざデート!と意気込んでみたはいいものの、さすがに朝の9時前ではやっているお店も少ないのは当然で。
「んー…、あまりにもノープラン過ぎたな…」
「あははは…、いやー、まぁ、こんなこともあるよ…」
とりあえずカラオケ店なら24時間やってるだろうとの目論見で、駅前にある某有名カラオケチェーン店に来てみたら、11時開店となっていて、早くも途方に暮れているボク達。
「ま、まぁ、この辺には他にもカラオケ屋はいっぱいあるし!」
「そ、そうだね!開いてる所もあるよね!」
ボク達じゃなければ一発で愛想を尽かされそうなヨウ兄の無計画デートプランを楽しむことにして、ボクはヨウ兄に付いていく。
それから魚町銀天街の方へと向かい、しばらく歩いたところで24時間開いているカラオケ店を見つけたので、早速そこに入ることにした。
「案外あっさり見つかったねー」
「ああ、とりあえず一安心だな…
というか、せっかくのデートなのに、いきなりこんなんで悪いな…」
「ううん、全然気にしてないよ?
むしろ、そういうヨウ兄だからこそ、ボク達姉妹以外からの女性に告白されることはあっても、すぐに飽きられそうだから、寝とられの心配とか無いしね!」
「…ご、ごもっともで……」
「だからさー、ボク達には感謝しなきゃだよ~?」
「ははー!こんな駄目男を愛してくれて感謝感激雨あられでございます!」
「あははは!何それー!?」
そんな話をしながら、ボク達はとりあえずドリンクを頼み、ドリンクが来るのを待って曲を歌い始めた。
基本的に歌うのはヨウ兄だ。
ボクはこの世界の曲をまだほとんど知らないからね。
ボクが覚えた曲は、マコト君から習った魔法少女系のアニソンとか、カズヒちゃんから習った特撮ヒーロー系の曲がほとんどだ。
ヨウ兄もほとんどがアニソンや特撮ソング系で、字幕の裏でアニメーション映像が流れると、内容は知らなくてもテンションが上がったりした。
とはいえ、ボクはヨウ兄のカッコいい歌声を一人占め出来るだけでもうキュンキュンだったので、具体的に何を歌ったかまではほとんど覚えてないんだけど。
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さて、そんな感じで2時間があっという間に過ぎ、デートの時間は残り1時間弱となってしまった。
「どうする?もう少しカラオケ続けるか?それとも、あと残りの時間は何処か別の場所にでも行くか?」
「このままカラオケでいいよ!」
「そうか?でも、アキラはほとんど歌えないだろ?つまらなくないか?」
「全然!ボクはヨウ兄と一緒にいられるだけで幸せなんだから!」
「そうか?でも…、」
「…なら、ちょっと刺激的なこと、しちゃう?」
「刺激的なことって…、」
「ふふ~ん♪ヨウ兄、ボクの隣に来て♪」
「お、おう…」
ヨウ兄がボクの隣に座ったのを確認すると、ボクは腰を浮かせてヨウ兄の膝の上に座った。
「あっ、アキラ!?」
「ヨウ兄~♪ボクのこと、ギュッてして欲しいワン♪」
ボクはわざと語尾に“ワン”をつけておねだりすると、ヨウ兄が有無を言わさずギュッと背中からボクを抱きしめてくれた。
「…ッ!?かっ、カワイ過ぎるぞ、アキラっ!!」
「あぁんっ♪」
そしてヨウ兄の手はやがてボクのおっぱいに伸びて、服の上からボクのおっぱいを優しく揉み始める。
「あぁ…っ♪ヨウ兄…っ♪」
「はぁ、はぁ…、アキラ…っ、アキラ…っ!!」
おっぱいを揉まれ、ボクの中の女が目覚めてくるのと同時に、ボクのお尻にパンツ越しに当たっているヨウ兄のムスコも覚醒してくるのが分かった。
「えへへ…、ヨウ兄のココ、すっかりおっきくなってるよ…♪」
ボクはお尻の谷間でヨウ兄の大きくなったムスコを挟み、刺激する。
「ぐ…っ!そういう、アキラのココも、すっかり敏感になってるぞ…」
「やんっ♪」
すると、今度はヨウ兄がボクのおっぱいの先端でその存在を主張し始めた乳首を、服越しに指でやや強めに摘まんだ。
「はぁ、はぁ…、ヨウ兄~♪」
「はぁ、はぁ…、アキラ…!」
それから、ボク達はどちらからともなく、唇を重ねていた。
お互いの舌を絡ませ合う、恋人同士のキス。
あぁ…、ボク、本当にヨウ兄に愛されてるんだ、って心の底から思えるようなキス…♪
勿論、前世で愛されていなかったわけじゃない。
だけど、その“愛”は、あくまでも“相棒”に対する愛情止まりだった。
それが不満だった訳じゃない。
そうではないけど、でも、ボクもリンちゃんみたいに、妹として愛されたかった。
その想いが、ようやく叶ったと、改めて実感した。
とはいえ、ヨウ兄が向けるその愛は、とんでもない数になっていたけれど…(苦笑)
でも、それでも、こうして一人の妹として抱かれている幸福には替えがたく、ボクは残り少ないこの時間を、よりヨウ兄からの愛を感じるために使うことにした。
「…ヨウ兄、ボクもう、我慢出来なくなっちゃった……♪」
「ああ、俺もだよ、アキラ……!」
そこから先はもう言葉なんていらなかった。
お互いの下半身に身に付けていた衣服を必要最低限だけ下ろし(さすがに個室とはいえ公共の場なので、全部脱ぐのはお互いに躊躇いがあった)、お互いの性器を露出させると、ボクの希望もあって、さっきまでと同じ体勢、ボクがヨウ兄の膝の上に座った体勢で、ヨウ兄のムスコを、ボクの下のお口で受け入れた。
「あぁん…っ♪ヨウ兄~…っ♪」
「はぁ、はぁ…、アキラ…、アキラ…っ!!」
ボクは全てをヨウ兄に委ねた。
いつの間にか服の中に入ってきていた両手が、ボクのおっぱいとその先端の乳首を優しく、揉みしだく。
一方、下半身では、ヨウ兄が激しく突き上げてきて、ボクの奥を殴るように刺激する。
その上半身と下半身で異なる刺激が、ボクの脳を蕩けさせ、背中に翼が生えたような感覚が沸き上がる。
「あっ…、あっ…、も、もう、ダメ…っ!ボク、もう…っ、」
「アキラ…っ、アキラ…っ!!俺も、もう…っ!!」
「うん、ヨウ兄…っ!!一緒に…っ、一緒にイこ…っ♪」
「ああ…っ!!アキラ…っ!!」
「ヨウ兄ぃいいいぃっ♪♪」
ボクの膣内に、ヨウ兄の欲望が放たれるのと同時に、ボクも絶頂を迎えた。
ただの“相棒”同士では得られない、ボク達兄妹同士でしか得られない、最高の快楽♪
「ヨウ兄…、大好きだよ…♪」
「ああ、俺も愛してるよ、アキラ…!」
それから、ボクはそのままヨウ兄に後ろからギュッと抱きしめられたまま、時間がくるまで過ごしたのでした。