草野球カップ3回戦・最上ノーストップズ戦(その5)
「片山もテンポ良く抑えたがら、3回、打順下位だけんど、勝ち越すべ」
「はい!」
「この勢い大事にしよう」
「うん」
「じゃ~…、勝ち越すぞ!!」
「おー!!」
『3回の表、N`Carsの攻撃は―8番 レフト 桜場。レフト 桜場』
『N`Cars、この回は8番から。前の試合はノーヒットでしたが初戦の1回戦で2塁打が1本あります』
「プレイ!」
キィン!
『高く上がって…、これはキャッチャーのバックネット方向へのフライ。打球がスライスする、風もある…、難しいが!?』
バシッ。
「キャーッチ! バッターアウト!」
『捕りました。1アウト』
「ナイスキャッチ!」
「惜しい惜しい、それで良いよ!」
『9番 サード 都筑。サード 都筑』
『N`Carsはこれで一廻り。ラストバッターの都筑ですが前の試合は3安打2打点』
―繋がれると厄介だぞ。慎重に。
―うん。
キィン!
『痛烈な当たり―!』
バシッ。
『しかしレフト正面のライナー。2アウト』
―危な…。
―9番とて侮るべからず、ってか。良いバッター揃ってるね。
『1番 センター 萩原』
―ん? そういえばN`Carsのバッター…、前2試合と雰囲気が違うな?
「さっきのさっきのー!」
「もう1本飛ばすよー!」
―いや、当たりはそうなんだけど…、あっ。バット短く持ってる…。そういや振り回し癖のある桜場もそうだしさっきの都筑もそうだ。何かあるのかな…。
カキ―ン!
―やっべ油断した…!
『センターへ大きな当たり! センター下がって…、こちら向き』
パン。
「キャーッチ!」
『掴んで3アウト。最後はセンター後方へのフライに終わりました』
―あっぶな…。策略にばっか気ぃ取られててリードが疎かになってた…。
「ナイスセンター!」
『3回の表終了。大きな当たりを打たれる場面もありましたが瀬見投手、初回以来の3球で三者凡退です』




