ラビエスタは出会い系サイトなのか?
それから一週間があっという間に経過した。
橘はアイドル関連の呼び出しで毎日、多忙な姿が見受けられるようになった。
俺はといえば今までと何も変化はなくただ無駄に時間と労力を削っている。
今日もまた同じような動作を繰り返して退屈な授業を受け、終礼を受けて帰るだけ。
言ってしまえば、藤原の呪縛にかかっていたあの時に逆戻りしているような気がする。
藤原はやっと学校を顔だすようになり、陽キャグループの奴らが「わーい」とがやがやしていたのが耳触りで鮮明に覚えている。
橘とあれからあんまり話していない。
帰りの電車も違えば、通学も違う。ただ、昼ご飯を一緒に食べているくらいだが、、
アイドルオーディションを通過したことが学校中に露呈して、色んな学校の人が教室に毎日拷問をするかの如く押しかけて、ご飯どころじゃない。
俺は濁った空気に耐えれず、屋上でぼっち飯をここ最近は繰り返している。
屋上は開放感があり最高だ。
風通がよく、眩く周囲を照らす太陽は心の闇さえ吹き飛ばしてくれるような快い感覚に襲われ、それと同時に睡魔も襲ってくるようだ。
残り三十分の時間を有している。
どうせ、教室に帰っても特にこれとすることはないので、ゲームで時間を潰す。
ラビエスタを起動する。
チーム招待が一斉に襲撃してくる。
廃人共かこいつらは……。
右側に表示されるチーム招待のせいでプレイが押せない苛立ちを覚えて、フレンドをAria以外一括消去しようと試みるが流石にそこまでしなく、チーム招待を拒みプレイを開始する。
二位。
一位を目指して頑張りましょう。
は?一位目指してんだよ!くそがっ。
目障りだなこの二位って数字。
はあと感嘆してスマホの電源を落とすと、そこには一人の女性の姿があった。
「わぁあ」
驚愕のあまり声のトーンが大きくなってしまう。
「すいません。驚かせるつもりは」
高級のブランドのカフェラテを思わせるかのような綺麗な肩までかかる茶色の頭髪。
白雪姫のような白い肌。
前髪で両目は隠れているものの、隙間から見える大きな瞳。
別に前髪を上げても全然可笑しくないくらいのルックスいや、普通に美人といえるルックスの持ち主である。
「……なんの用だ?」
「いや、ラビエスタをやっていたのでつい」
申し訳なさそうにぺこりと軽く頭を下げる。
「君もユーザーなの?」
「はい!」
さっきの弱々しい声とは裏腹の少しボリュームの上がった声は際立って聞こえる。
「……一緒にやる?」
少し馴れ馴れしい気もしたが、このまま気まずい空気が流れる空間には居たくはないと思い、つい誘ってしまう。
しかし、案外間違えではなかったようだ。
「是非!」
ラビエスタを再び起動する。
「名前はなんて言うの?」
「Aliaです。」
俺はその名前を聞いた瞬間、背中が滞るような感覚を味わった。
いや、しかし、名前が一緒なだけなのかもしれない。
冷静になってよく考えると、被った名前は使えなかったな。
スペルが違うとかか?
女性から目をスマホへと咄嗟に移らせる。
恐る恐るフレンド一覧を開放する。
俺の知っているAliaがオンラインになっている。
流石にここまで来たら偶然で捉えるのは難しい。
ほんとにこの人が……。
「まさかとは思うんですけど、全国優勝者のAliaさんですか?」
急に敬語になったことに驚いたのか、身バレするのが早かったからなのか身体をビクつかせる。
「……はい」
こくりと頷きながら、小さな声で答える。




