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羽撃く者達の世界 ~演劇部異世界公演~  作者: かなみち のに
第一幕 「羽撃け、友よ。」
44/181

「羽撃け、友よ。」 44(第一幕 終)

王都の漁港に船を用意した。

それに乗り隣国の中の国へ。

北の森へ向かいレミーとメリアの母に会う。

海路もしくは陸路、その時点で有効な方法で東の国を目指す。

さらに東の国から北の大陸へ。


メリア殿下。(王の妹として訳された)

侍女のルメニー。

魔女のツグミ

騎士団長のサイレス。

勇者キリ

「止めてください。二度と勇者呼ばわりしないでください。」

「それは三つ目のお願いか?」

「そうです。三番目のお願いでいいです。」

演劇部長の月夜野アカリ。

「にゃ。」

黒猫ノトがキリの頭の上に飛び乗る。

「もうだめだな。ノトは私の相棒として連れて行く。」

ツグミの宣言にオルンは溜息で返事をする。

出発後、彼女は早々に新しい黒猫を協会に手配し

後日到着する黒猫を「シノン」と名付け生涯の相棒とする。


「指輪に集いし旅の仲間だ。」

道具屋笠懸ヒサシの言葉に

「やめろ縁起でもない。」

指輪隊は離散する。死者も出る。

「演劇部は、一つだ。」

月夜野アカリを中心に演劇部員が一つの塊になる。

「チェシャ猫は言った。道を決めるのは行き先を決めてからだ。」

「私達の目的地は一つ。それぞれの我が家だ。」

迷えるアリス達よ。しばしの別れ。


キリは旅立ちの前に受けるべき処分を受けるつもりでいた。

「異世界の者による兵器の使用」

勇者だの英雄だのの前に、この国では犯罪者。

レミーは笑った。

「それはもう済んだよ。」

済んだ?罰は?

「君を名誉国民にしたのは君がこの世界に現れてからに遡る。」

つまり兵器を使用したのは国民だと。

厳密な規定は

「召喚された者の以下略」

ではなく

「異世界の者による以下略」

これはオルンの手柄だった。

彼女は召喚に関する全ての条例を調べ直し

前述の通りの記述を確認した。

「他の皆は?」

「何の心配もいらないよ。君は本当にイイ奴だな。」

「なんです突然。」

キリにはもう一つ確認しておきたい事があった。

国王レミー。

彼が、彼こそが僕や演劇部の皆を召喚したのではないか。

まだ知り合って僅かな期間であるが、

キリはこの新国王を既に「尊敬」している。

だがこれはキリ個人の勝手な思い込みでしかない。

いや、だからこそなのだろう。

結局キリは聞けなかった。

「期待」は「苦悩」の元。誰かの言葉だ。だが誰でも言いそうな陳腐な台詞。


「ピータンの食事はくれぐれも」

「メリア。メリア。判っている。」

兄との別れよりもピータンと離れるのが辛い。

「これお芝居にできるわね。赤堀サワ。宿題よ。」

「ふわい?」

「私が戻るまでに殿下とドラゴンの物語を作りなさい。」

「がってんだ。」

「ずっと洞窟に閉じ込めておなかいで、出てこないと思ったら鼻面叩いてでも」

「メリア。メリア。そんな事したら怒るだけだよ。」

「大丈夫。もうやってみたから。」

「そうなの?」

「叩いたのはボクじゃないけどね。」


兄と妹の何とも「なごやか」なやりとりの中、

副部長若宮アオバがキリに歩み寄り

こっそりと、耳打ちするように囁く。

「部長を頼むよ。あの人あれで本当はとても繊細なんだ。」

ああいいなぁ。

演劇部の人達は、本当にみんな「仲間達」なんだ。

若宮アオバから言われる前に、

笠懸ヒサシにも、倉渕ミサトにも同じ事を言われた。

一年生赤堀サワには

「部長に手を出したら○ス。」

と脅された。

吉岡ハルナがごにょごにょ言って、赤堀サワが通訳をする。

「あん?なんかまた写真撮りたいって。何それ。何の写真?」

「ごにょごにょ。」

「ふろ?何それ。お前ハルナに何したんだっ。」

とんでもない勘違いだ。


「今更だとは思うが、君も災難だな。」

「災難?」

「君が我が部室に現れなければ、異世界で旅に出ることも無かっただろうに。」

月夜野アカリの言葉にキリは笑う。

月夜野アカリは少年の笑顔を始めて見た。

この子「人」にもこんな笑顔を見せるのか。

「あの時僕は部室の中を「あ、異世界だ」って思ったんですよ。」

「新入部員勧誘式用にファンタジーを演るつもりだったからな。」

「部室の中も外も異世界ならもう異世界って呼べませんよね。」

ここは、こここそが少年の羽撃く世界。


第二幕 迷子の青空 続きます

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