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羽撃く者達の世界 ~演劇部異世界公演~  作者: かなみち のに
第一幕 「羽撃け、友よ。」
42/181

「羽撃け、友よ。」 42

「またここに来ていたのか。」

メリアは主役を捜していた。

隣に月夜野アカリがいて呼び声に振り返ったキリの表情を見て

「そうか。話したのか。」

黒猫ノトがメリアの足元に駆け寄り頭を擦り付ける。

彼女はそれを抱きかかえ

「とにかく戻ろう。話を後だ。」

晩餐会に戻るとレミーが出迎える。

「やっと宣告できる。」

何のだ。

どの件についてだ。

とうとう首を跳ねられるのか。

国王レミーは集まった住民に静寂を求め注目させる。

何を言われるのか不安でいっぱいのキリは

レミーがこの席で何を言っていたのか殆ど覚えていない。

一通りの演説を終え、宣告したのは

「彼をこの国の名誉国民とする。」

そして

「守護竜を救った礼として一つ。」

「国を救った礼として一つ。」

「そして僕の命を救ってくれた礼として一つ。」

「僕は彼の三つの願いを叶えると皆に約束する。」


日が暮れるまで続いた晩餐会が終わり、

キリは城に残り夕食に招かれる。

「さすがにもう食べられないので。」

と丁寧に断り

皆の前での宣告について訪ねる。

レミーは本当に「どんな願いも叶える」つもりでいた。

のだが、キリの願いにさすがに少々戸惑い、

「あ、明日まで待ってくれ。」


「何をお願いしたの?」

オルン宅に戻りお茶(紅茶のようだ)を飲みながら興味津々。

「旅に出ようかと。」

「旅?」

「はい。いなくなった演劇部の人を探さないと。」

「王子に任せておけよ。」

ツグミが笑う。

「王様よ。」

オルンが訂正する。

「まったく。グズグスしていると他の女に取られるぞ。」

「貴女も魔女ならそれが無理なのは知っているでしょ。」

ツグミの軽口にオルンは思いの他強く返す。

「あ、あの。」

キリが口を挟む。

「実は二つ目のお願いがですね。」

レミーが困ったのはその願い。


翌朝、早々にキリは城からの遣いに叩き起こされ連行される。

「せめて朝食を。」

「私だってまだですっ。」

遣いのルメニーもご立腹だ。

レミーは城内をウロウロと落ち着かない。

メリアは朝食の席に着いて何故かニヤニヤしている。

レミーはキリの姿を見るなり

「まだだっ。まだ考え中だっ。」

小学生かよ。

「法を変えるのは容易な事では無い。」

国民からの要望を

長老と執政官が議論し、

国王に上申する。

「それは全て国民の利益でなければならない。」

それ以外の個人的な要請は会議で弾かれる。

(それ以前に各地区長が提出を認めない)

「そもそも要望は国民にのみ与えられた権利で」

「今回のコレは個人的な問題だ。」

「それでは僕が要望します。」

名誉国民になると聞いた。その権利を有しているのであれば。

要望に必要な手続きもします。

「しかし。」

それでも難色を示すレミーを制し続ける。

「オルンさんとツグミさんに聞きました。」

魔女の世界において、

「王族との交際」は禁止されていない。

掟だとか法だとかはなく、

良識に従っただけの「慣習」だと。

「そうだ。だからこそ。」

結構頭の固い人だなぁ。

メリアはずっとニヤニヤしている。

「レミーは照れているだけだ。続けてくれキリ。」

「へ?はい。」

もっと言うなら、この国の法にも

「魔女とは結婚できない」なんて項目はない。

もしかしたら過去、

何処かの国で魔女が国を乗っ取ろうとした事案でもあったのかも知れない。

国民の「不安」だの「不信感」を煽るから。は本音だろうが

国なのか魔女なのかが言い出した慣習を

どちらも守り続けているだけ。

「だから国民からの要望でそれを可能にすればいい。」

その都度検討する。とか魔女の資質による。

こんな言葉さえいらない。

「王族の結婚相手はどのような制度にも縛られない」

この一文でいい。


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