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羽撃く者達の世界 ~演劇部異世界公演~  作者: かなみち のに
第一幕 「羽撃け、友よ。」
10/181

「羽撃け、友よ。」 10

若宮 アオバ  演劇部 3年 男子 副部長

吾妻 アヅマ  演劇部 2年 男子 各種効果

赤堀 サワ   演劇部 1年 女子 作家

村男A

村娘A

騎士A

「大体そんなもん相手の気持ち次第じゃねぇか。」

吾妻アヅマ。画面の中では百戦錬磨。男女間のアレコレは詳しい。

「判りました。私が聞いてきます。」

「おいっ面倒なことを」

お節介娘サワは男の手を引き相手の女性を確認に行く。

村娘A

さりげなく。

なんて言葉はサワには無い。

「ねえねえ。村男Aってどう?」

「えーっ何それー。」

軽い感じだな村娘A

「好きなんでしょー。顔に書いてあるー。」

「うーん。嫌いじゃないけどぉ。なんか強引でー。」

「強引な人って苦手ー。」

「そのくせ何だか頼りなくてねー。」

強引なくせに頼りないかー。

本人自覚しているだけに面倒だなぁ。

ただどうやら嫌いってわけじゃない。

むしろ脈アリと判断する。

「何とかしましょう。先輩方。」

「何とかって何だよ。」

面倒を自ら背負い込むなんて冗談ではない。

「このままだと道具屋先輩に鼻で笑われるだけの存在になります。」

「ぐっ。」


「演劇部に不可能はないっ」

「ヤツの真似は止めろっ。何か策はあるのか。」

「ふふん。ありますよ。」

「聞くだけ聞いてやる。言ってみろ。」

「不良に襲わせて助ける。」

「なんて古典。」

使い古されてはいるが効果的ではある。

「頼り甲斐」に加えて「吊橋効果」も期待できる。

「配役はどうする。」

「ふふん。頼りない先輩方より頼りになる人がいるのですよ。」

相手はあっさりと断る。

理由も実に明確。

「騎士の品位を貶める」

当たり前だ。

「全部終わったら説明して誤解を解きますから。」


学ラン赤Tにリーゼントでサングラス。

「昭和かよっ。」

「部室にこれしか無かったんですよ。」

「君達の世界の悪童は面白い格好をするな。」

騎士に笑われている。

挙句、ターゲットの村娘Aにも笑われる。

「なんですその格好。」

正体もバレている。

まあなんだ。演劇としては成立している。

村男A華麗に登場。

打ち合わせた通りの立ち回りで

バッタバッタと不良共をなぎ倒す。

呆れるやら面白いやら。

三文芝居

この世界にこの言葉を意味する同様の慣用句が存在するだろうか。

慌てふためき逃げ出す三人の昭和。

と、その時。

ヘタレ副部長チキン若宮。

勢い余り木の根に躓き、

よろよろドンと別の木にぶつかる。

堅物騎士とオタアヅマはそんな事知らずにスタコラサッサと逃走。

ぶつかったヘタレ若宮、何と失神してしまう。

困った村娘A村男A。

ともかく運ぼうと村娘Aの家へ。

ここで若宮の天然ジゴロ効果発動。

憐れかな村男A

村娘Aは若宮アオバに惚れてしまう。

「バック・トゥ・ザ・フューチャーかよっ」

からの

「あなたが寝てる間に。」


躓き、転んだが傷一つなく、

昏睡状態になるはずもなく、すぐに目覚める。

「ここはどこ?」

半泣きで軽くパニックになるが

村娘Aの看病により、パニックはさらに酷くなる。

「帰りたいよう。」

赤堀サワは今後を相談しようと見舞いに行くが

村娘Aは軽く拒否する。

「今は眠っていますので。」

「私が看病しますので。」

サワは勘付く。

これはヤバい。面倒な事になった。

何とか説得し、とりあえず顔だけ見せろと

半ば強引に部屋に押し入り、

「先輩。このままだとアレですから狼になりましょう。」

「狼?」

村娘Aは「強引な男性は苦手」と言っていた。

「無理矢理襲っちゃうんですよ。。」

「そんなの無理。絶対無理。」

「演技ですよ。公演だと思って。」

「じゃあQシート頂戴。」

「アホか。あ、ゴメンなさい。」

ある程度の段取りだけ。きっと上手くいきます。

「頼みますよ演劇部のエース。」


ヘタレアオバ。

どうして演劇部なんて入ったのだろう。

入部届なんて出したっけ?

帰りたい。帰りたい。怖い。女の人怖い。

夕食を済ませると、村娘Aが汗を拭きましょうと部屋の中へ。

もうこの時点でダメなのだが

そんな空気が判る奴ではない。

「狼になれ」を真に受けて、もうそれしか頭にない。

これは演技だお芝居なんだと言い聞かせる。

「居心地のいいネグラで餌を与え続けられて」

「男は牙を失う」

心の主題歌、河島英五のオオカミを頭の中で歌う。

「アオバ様。汗をお拭きしますよ。」

ベッドに腰掛ける村娘A

やめとけアオバ。

今はダメだ。

若宮アオバは自分でも信じられないくらいの覚悟でもって

村娘Aに襲いかかる。

「きゃーっ何するのっヤメテっ。」

の声と共に、アオバは

「世話になったな。」

と言い残して去る。

つもりだった。新入部員はそうなると言った。

それを信じたのにっ

村娘Aは、押し倒されるまま押し倒され

抵抗せず、全てを受け入れる。

その艶めかしい表情に

ヘタレ副部長は走り逃げる。


様子を伺っていた演劇部員と

臨時演劇部員の騎士Aと村男A。

勘違いしたのは村男A

基本バカだから避けられるのが判っていない村男A

逃げるヘタレアオバと入れ替わるように

他の演劇部員の必死の制止を振り切り村娘Aを襲いかかる。

当然

バチンっ

ドガっ

「最低っ」

と蹴り出される村男A


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