第3部 第3話「水鏡の泉」
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建国プロジェクト:状況報告
第3部・解放編 第3話開始時点
現在地:南の海・水鏡の泉へ向かう船上
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乗船メンバー:信・リュカ・ロガ他
シーベルト船団・オクト合流済み
目的:水鏡の泉・ウンディーネの解放
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海図には載っていない海流だった。
流れが複雑に絡み合い、普通の航路では島に辿り着けない。
タコの海人オクトロウが船首に立った。
オクトロウ:「ここで左。
あの渦は避けろ。
右の流れに乗る」
何度も方向を変えながら進んだ。
やがて霧が漂い始めた。
毒霧だった。
梟人ミネルヴェがソルマーレ王国から得た中和術式を展開した。
霧が晴れた。
島が現れた。
犬人女王リュカ:「きれいな島」
信:「ああ、でも、空気が重い」
人魚の惑わす歌
島に近づいた途端、歌声が聞こえた。
美しかった。
しかし人魚海人マリアナが顔を曇らせた。
マリアナ:「……あれは、本来の歌じゃない。
強制されている」
オクトロウ:「ああ、以前は歓迎されていたのに、どうしたんだ」
ミネルヴェ:「悪き影響を受けているな」
乗組員の数名がフラフラと海に向かおうとした。
その様子を見てマリアナが歌い始める。
人魚の歌と真っ向からぶつかり、波が揺れた。
惑わしの歌が少しずつ弱まった。
乗員は正気を取り戻す。
マリアナ:「……届いている。
本来の彼女たちに」
クラーケンの群れとの海戦
惑わしの歌が弱まった瞬間、海面が揺れた。
クラーケンの群れだった。
ペンギンの海人ベルトが水中に飛び込んだ。鯨海人フェルの音波が群れの動きを乱した。オクトロウの8本の触手が複数のクラーケンを同時に掴んだ。
しかし問題があった。
支配された人魚たちが戦闘域に混在していた。
傷つけずに戦うことができなかった。
川獺人ルトラが信を見た。
信が考えた。
連携作戦
信:「ルトラ、水魔法で大きな水球を作れるか」
ルトラ:「どれくらいだ」
信:「可能な限りだ
ミネルヴェさん、その水球を黒魔術で補強してほしい。
何重に、頑丈に」
ミネルヴェ:「わかった」
信:「紅蓮でその中に高熱を込め続ける。
限界が来たらリュカが海中に転移させる」
リュカ:「水球ごと、海の中に?」
信:「超高熱の水蒸気が一気に爆発する。
その衝撃で人魚たちを傷つけず気絶させる」
ルトラが水の精霊魔法で巨大な水球を作った。
ミネルヴェが黒魔術でそれ補強。
紅蓮の砲身を水球の中に入れ、、燃やし続ける。
水球が赤く輝いた。
ミネルヴェ:「限界だ!」
信:「リュカ!」
リュカ:「はい!」
水球を海中に転移させる。
それは大爆発を起こし海に巨大な水柱をあがらせた。
その衝撃で人魚たちが一斉に気絶した。
クラーケンたちも衝撃で動きが止まった。
海の魔獣の撃退
動きが止まったクラーケンたちを一気に仕留めた。
狼人ロガが激流のボードで水面を走り、クラーケンの急所を次々と突いた。
猪人フォーヌの防錆武器がクラーケンの外皮を貫く。
ベルトとオクトロウマが水中から連携した。蝙蝠人アラファが上空から位置を伝え続けた。
やがて海が静かになった。
上陸、そして魔獣の王の登場
島は美しかった。
木々が茂り、花が咲き、奥に水鏡のような湖が見えた。
しかし空気が重かった。
湖の前に、何者かが立っていた。
サイズは普通の人間ほど。
だが、それを見たロガが足を止めた。
ミネルヴェも青ざる。
その内に秘めた力と質量と禍々しさが、尋常ではなかったのだ。
ロガ:「何だ、あれは」
ミネルヴェ:「強い。
今まで感じたことのない力だ」
それはが振り返った。
余裕の笑みだった。
リヴァイアサン:「よく来たな、クロノスの。俺はリヴァイアサン。
もう少しで湖は落ちていたぞ。全く結界とは厄介な」
圧倒的な力の差
ロガが剣を抜き駆ける。
リヴァイアサンの背後から無数の触手が現れた。
触手の一つがロガが吹き飛ばす。
続け様に次々と全員が吹き飛ばされた。
信が紅蓮で回避しながら砲撃を続けた。触手が紅蓮を弾いた。信が吹き飛んだ。
皆の危機にリュカが広域の時空魔法を展開する。
クロノスの紋様が輝いた。
しかしリヴァイアサンが片手を上げた。
禍々しき魔法陣が展開され、リュカの時空魔法が乱される。
リュカ:「力が、乱れされる」
リヴァイアサン:「秩序の力は、ケイオスの力の前では意味をなさない。
我はケイオスの眷属。
世界を混沌に沈めし者」
ケイオス。
その名を聞いた瞬間、ミネルヴェだけが反応した。
ミネルヴェ:「……ケイオス。
混沌の精霊か。
記録にしかなかった存在が本当にいたのか」
信:「知っているんですか」
ミネルヴェ:「神代の記録に残っている。
クロノスと対立する混乱を司る上位精霊だ。
その眷属なら……
我々では太刀打ちできない」
全員が動けなかった。
絶体絶命だった。
ルトラの叫びとウンディーネの加護
ルトラが湖を見た。
湖の底に、微かな光があった。
消えかけていた。
ルトラが水に飛び込んだ。
それを見てリヴァイアサンがうんざりそうに呟く。
リヴァイアサン:「我を拒むくせに、他の者はホイホイ受け入れるか」
ルトラは水の中で叫んだ。
言葉ではなかった。感情だった。
助けてくれ。仲間を守りたい。 この湖を守りたい。 あなたの力をかしてほしい。
その願いに光が応えた。
湖の底から光が昇ってきた。
ルトラの体を包んだ。
水の精霊ウンディーネの加護だった。
起死回生
ルトラが水面に浮かんだ。
体が光っていた。
水の精霊魔法が、別次元の力になっていた。
ルトラ:「しん、さっきのやつをもう一度やるよ」
信:「こんなところで爆発させたら、皆にもダメージが」
ルトラ:「大丈夫。信じて」
信:「分かった」
ルトラが再び巨大な水球を作った。
ミネルヴェが補強した。
信が紅蓮で熱を込めた。
リヴァイアサン:「何かつまらぬ事を始めたか」
その言葉で触手が3人の元に迫る。
これをロガとフォーヌがなんとか防ぐ。
ロガ:「急げ、長くはもたん」
ミネルヴェが限界と叫ぶ。
今回はルトラが力を収束させる。
そして、リヴァイアサンを指差し解き放つ。
一閃。
その熱線はリヴァイアサンを貫通した。
銅に空いた大穴を見て、リヴァイアサンが初めて表情を変えた。
リヴァイアサン:「面白い」
しかし次の瞬間、空間が歪んだ。
リヴァイアサンが姿を消す。
リヴァイアサン:「また来る。
その時を楽しみにしている」
声だけが残った。
ウンディーネとの邂逅
湖が輝いた。
水鏡の泉が本来の姿を取り戻した。
水面から光の柱が昇った。
ウンディーネが現れた。
ルトラの前に立った。
言葉はなかった。
ただ光がルトラを包んだ。
ウンディーネがルトラを眷属とした。
続いて信たち全員にもウンディーネの加護が流れ込んだ。
水への親和性が増した。
海が少し、近くなった気がした。
信:「ありがとう」
ウンディーネは言葉ではなく、光で応えた
転移ゲート
犬人女王リュカが湖の前に立った。
目を閉じた。
時空魔法を発動した。すると湖のほとりにクロノスの紋章が形作られた。
水鏡の泉とクロノスリュカの渓谷を空間として繋いだ。
転移ゲートが生まれた。
リュカ:「懐中時計を持って入れば、このゲートを使えるはず」
信が懐中時計をかざした。
渓谷が見えた。
猫人カティが驚いた顔でこちらを見ていた。
カティ:「……なんだ、これは」
信:「ええと、ゲート?
こちらは、ウンディーネの湖にいて……」
カティ:「…………」
信:「すごいな、これ。まるで、どこでもドア……」
海洋獣人国家の誕生
人魚たちが意識を取り戻した。
リヴァイアサンの支配から解放されていた。
ベルトが信に言った。
ベルト:「なあ信、俺たちここに海人たちの国を作ろうと思うんだ」
信:「そうだね、ウンディーネを守る者は必要だし」
ベルト:「それで、色々とクロノスリュカに協力をお願いしたいんだけど」
信:「最初に言っただろう。全力で支援するよ」
リュカ:「名前は決めた?」
ベルト:「シーベルト。俺たち船団の名前をつける」
フェル:「海人国シーベルトか。なんかかっこいい」
マリアナ:「わたしも好き」
人魚たちが島の防衛に加わった。
ウンディーネの加護が島全体を包んだ。
転移ゲートが国と国を繋いだ。
大陸に、二つ目の獣人国家が生まれた。
夜、信がミネルヴェに尋ねる。
信:「先生、ケイオスとは何なんですか」
ミネルヴェ:「神代の記録にしか残っていない存在だ。
クロノスと対立する上位精霊。
混乱・破壊・無秩序を司る。
魔獣の増加も魔獣の王の誕生も、全てその影響かもしれない」
信:「じゃあケイオスの目的は」
ミネルヴェ:「当然、戦禍を増やし、世界を混沌へと導くことだろうな」
信が手帳に書いた。
ケイオス。混沌の精霊。 リヴァイアサンはその眷属。 今日、初めてその名を聞いた。 これが、本当の敵の正体かもしれない。
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建国プロジェクト:状況報告
第3部・解放編 第3話終了時点
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ウンディーネ:解放完了
ルトラが眷属となる
全員にウンディーネの加護が宿る
新国家誕生
海人国シーベルト
場所:水鏡の泉の島
建国者:ベルト
協力:クロノスリュカ
転移ゲート
水鏡の泉↔クロノスリュカ渓谷
懐中時計所持者のみ使用可能
新たな脅威の判明
ケイオス(混沌の精霊・上位精霊)
リヴァイアサン:ケイオスの眷属
撃退に成功
ミネルヴェのみが
ケイオスの名を知っていた
神代の記録に残る存在
次のマイルストーン
→ ノームの救出(東の鉱山へ)
→ ケイオスへの備えを始める
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第3部 第3話 終了
次話:「帰還と出発」




