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ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


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33/40

第3部 第3話「水鏡の泉」

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建国プロジェクト:状況報告

第3部・解放編 第3話開始時点

現在地:南の海・水鏡の泉へ向かう船上

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乗船メンバー:信・リュカ・ロガ他

       シーベルト船団・オクト合流済み

目的:水鏡の泉・ウンディーネの解放

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海図には載っていない海流だった。


流れが複雑に絡み合い、普通の航路では島に辿り着けない。

タコの海人オクトロウが船首に立った。

オクトロウ:「ここで左。

     あの渦は避けろ。

     右の流れに乗る」


何度も方向を変えながら進んだ。

やがて霧が漂い始めた。

毒霧だった。

梟人ミネルヴェがソルマーレ王国から得た中和術式を展開した。

霧が晴れた。

島が現れた。

犬人女王リュカ:「きれいな島」

信:「ああ、でも、空気が重い」



人魚の惑わす歌


島に近づいた途端、歌声が聞こえた。

美しかった。

しかし人魚海人マリアナが顔を曇らせた。

マリアナ:「……あれは、本来の歌じゃない。

      強制されている」

オクトロウ:「ああ、以前は歓迎されていたのに、どうしたんだ」

ミネルヴェ:「悪き影響を受けているな」


乗組員の数名がフラフラと海に向かおうとした。

その様子を見てマリアナが歌い始める。

人魚の歌と真っ向からぶつかり、波が揺れた。

惑わしの歌が少しずつ弱まった。

乗員は正気を取り戻す。

マリアナ:「……届いている。

      本来の彼女たちに」



クラーケンの群れとの海戦


惑わしの歌が弱まった瞬間、海面が揺れた。

クラーケンの群れだった。

ペンギンの海人ベルトが水中に飛び込んだ。鯨海人フェルの音波が群れの動きを乱した。オクトロウの8本の触手が複数のクラーケンを同時に掴んだ。

しかし問題があった。

支配された人魚たちが戦闘域に混在していた。

傷つけずに戦うことができなかった。

川獺人ルトラが信を見た。

信が考えた。


連携作戦


信:「ルトラ、水魔法で大きな水球を作れるか」

ルトラ:「どれくらいだ」

信:「可能な限りだ

   ミネルヴェさん、その水球を黒魔術で補強してほしい。

   何重に、頑丈に」

ミネルヴェ:「わかった」

信:「紅蓮でその中に高熱を込め続ける。

   限界が来たらリュカが海中に転移させる」

リュカ:「水球ごと、海の中に?」

信:「超高熱の水蒸気が一気に爆発する。

   その衝撃で人魚たちを傷つけず気絶させる」


ルトラが水の精霊魔法で巨大な水球を作った。

ミネルヴェが黒魔術でそれ補強。

紅蓮の砲身を水球の中に入れ、、燃やし続ける。

水球が赤く輝いた。

ミネルヴェ:「限界だ!」

信:「リュカ!」

リュカ:「はい!」


水球を海中に転移させる。

それは大爆発を起こし海に巨大な水柱をあがらせた。

その衝撃で人魚たちが一斉に気絶した。

クラーケンたちも衝撃で動きが止まった。



海の魔獣の撃退


動きが止まったクラーケンたちを一気に仕留めた。

狼人ロガが激流のボードで水面を走り、クラーケンの急所を次々と突いた。

猪人フォーヌの防錆武器がクラーケンの外皮を貫く。

ベルトとオクトロウマが水中から連携した。蝙蝠人アラファが上空から位置を伝え続けた。

やがて海が静かになった。



上陸、そして魔獣の王の登場


島は美しかった。

木々が茂り、花が咲き、奥に水鏡のような湖が見えた。

しかし空気が重かった。

湖の前に、何者かが立っていた。

サイズは普通の人間ほど。

だが、それを見たロガが足を止めた。

ミネルヴェも青ざる。

その内に秘めた力と質量と禍々しさが、尋常ではなかったのだ。

ロガ:「何だ、あれは」

ミネルヴェ:「強い。

       今まで感じたことのない力だ」


それはが振り返った。

余裕の笑みだった。

リヴァイアサン:「よく来たな、クロノスの。俺はリヴァイアサン。

         もう少しで湖は落ちていたぞ。全く結界とは厄介な」



圧倒的な力の差


ロガが剣を抜き駆ける。

リヴァイアサンの背後から無数の触手が現れた。

触手の一つがロガが吹き飛ばす。

続け様に次々と全員が吹き飛ばされた。

信が紅蓮で回避しながら砲撃を続けた。触手が紅蓮を弾いた。信が吹き飛んだ。

皆の危機にリュカが広域の時空魔法を展開する。

クロノスの紋様が輝いた。

しかしリヴァイアサンが片手を上げた。

禍々しき魔法陣が展開され、リュカの時空魔法が乱される。

リュカ:「力が、乱れされる」

リヴァイアサン:「秩序の力は、ケイオスの力の前では意味をなさない。

         我はケイオスの眷属。

         世界を混沌に沈めし者」


ケイオス。

その名を聞いた瞬間、ミネルヴェだけが反応した。

ミネルヴェ:「……ケイオス。

       混沌の精霊か。

       記録にしかなかった存在が本当にいたのか」

信:「知っているんですか」

ミネルヴェ:「神代の記録に残っている。

       クロノスと対立する混乱を司る上位精霊だ。

       その眷属なら……

       我々では太刀打ちできない」


全員が動けなかった。

絶体絶命だった。


ルトラの叫びとウンディーネの加護


ルトラが湖を見た。

湖の底に、微かな光があった。

消えかけていた。

ルトラが水に飛び込んだ。

それを見てリヴァイアサンがうんざりそうに呟く。

リヴァイアサン:「我を拒むくせに、他の者はホイホイ受け入れるか」

ルトラは水の中で叫んだ。

言葉ではなかった。感情だった。

助けてくれ。仲間を守りたい。 この湖を守りたい。 あなたの力をかしてほしい。

その願いに光が応えた。

湖の底から光が昇ってきた。

ルトラの体を包んだ。

水の精霊ウンディーネの加護だった。


起死回生


ルトラが水面に浮かんだ。

体が光っていた。

水の精霊魔法が、別次元の力になっていた。

ルトラ:「しん、さっきのやつをもう一度やるよ」

信:「こんなところで爆発させたら、皆にもダメージが」

ルトラ:「大丈夫。信じて」

信:「分かった」

ルトラが再び巨大な水球を作った。

ミネルヴェが補強した。

信が紅蓮で熱を込めた。

リヴァイアサン:「何かつまらぬ事を始めたか」

その言葉で触手が3人の元に迫る。

これをロガとフォーヌがなんとか防ぐ。

ロガ:「急げ、長くはもたん」

ミネルヴェが限界と叫ぶ。

今回はルトラが力を収束させる。

そして、リヴァイアサンを指差し解き放つ。

一閃。

その熱線はリヴァイアサンを貫通した。

銅に空いた大穴を見て、リヴァイアサンが初めて表情を変えた。

リヴァイアサン:「面白い」


しかし次の瞬間、空間が歪んだ。

リヴァイアサンが姿を消す。

リヴァイアサン:「また来る。

         その時を楽しみにしている」

声だけが残った。



ウンディーネとの邂逅


湖が輝いた。

水鏡の泉が本来の姿を取り戻した。

水面から光の柱が昇った。

ウンディーネが現れた。

ルトラの前に立った。

言葉はなかった。

ただ光がルトラを包んだ。

ウンディーネがルトラを眷属とした。

続いて信たち全員にもウンディーネの加護が流れ込んだ。

水への親和性が増した。

海が少し、近くなった気がした。

信:「ありがとう」

ウンディーネは言葉ではなく、光で応えた



転移ゲート


犬人女王リュカが湖の前に立った。

目を閉じた。

時空魔法を発動した。すると湖のほとりにクロノスの紋章が形作られた。

水鏡の泉とクロノスリュカの渓谷を空間として繋いだ。

転移ゲートが生まれた。

リュカ:「懐中時計を持って入れば、このゲートを使えるはず」

信が懐中時計をかざした。

渓谷が見えた。

猫人カティが驚いた顔でこちらを見ていた。

カティ:「……なんだ、これは」

信:「ええと、ゲート?

   こちらは、ウンディーネの湖にいて……」

カティ:「…………」


信:「すごいな、これ。まるで、どこでもドア……」


海洋獣人国家の誕生


人魚たちが意識を取り戻した。

リヴァイアサンの支配から解放されていた。

ベルトが信に言った。

ベルト:「なあ信、俺たちここに海人たちの国を作ろうと思うんだ」

信:「そうだね、ウンディーネを守る者は必要だし」

ベルト:「それで、色々とクロノスリュカに協力をお願いしたいんだけど」

信:「最初に言っただろう。全力で支援するよ」

リュカ:「名前は決めた?」

ベルト:「シーベルト。俺たち船団の名前をつける」

フェル:「海人国シーベルトか。なんかかっこいい」

マリアナ:「わたしも好き」


人魚たちが島の防衛に加わった。

ウンディーネの加護が島全体を包んだ。

転移ゲートが国と国を繋いだ。

大陸に、二つ目の獣人国家が生まれた。


夜、信がミネルヴェに尋ねる。

信:「先生、ケイオスとは何なんですか」

ミネルヴェ:「神代の記録にしか残っていない存在だ。

       クロノスと対立する上位精霊。

       混乱・破壊・無秩序を司る。

       魔獣の増加も魔獣の王の誕生も、全てその影響かもしれない」

信:「じゃあケイオスの目的は」

ミネルヴェ:「当然、戦禍を増やし、世界を混沌へと導くことだろうな」



信が手帳に書いた。

ケイオス。混沌の精霊。 リヴァイアサンはその眷属。 今日、初めてその名を聞いた。 これが、本当の敵の正体かもしれない。


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建国プロジェクト:状況報告

第3部・解放編 第3話終了時点

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ウンディーネ:解放完了

 ルトラが眷属となる

 全員にウンディーネの加護が宿る


新国家誕生

 海人国シーベルト

 場所:水鏡の泉の島

 建国者:ベルト

 協力:クロノスリュカ


転移ゲート

 水鏡の泉↔クロノスリュカ渓谷

 懐中時計所持者のみ使用可能


新たな脅威の判明

 ケイオス(混沌の精霊・上位精霊)

 リヴァイアサン:ケイオスの眷属

撃退に成功


ミネルヴェのみが

 ケイオスの名を知っていた

 神代の記録に残る存在


次のマイルストーン

 → ノームの救出(東の鉱山へ)

 → ケイオスへの備えを始める

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第3部 第3話 終了

次話:「帰還と出発」



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