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婚約している王子には少しも愛されていない聖女でしたが、幸せを掴むことができました!  作者: 四季


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21話「進展がありました」

 あれから数ヶ月。

 何度も顔を合わせ徐々に絆を深めていった私とアイルティストンはもうすっかり親しい仲になった。


 そしてそんなタイミングで「我が国へ来てくれないだろうか」と頼まれて。


 これまで考えてみたことはなかった。

 けれどもいざ彼の口からそう言われると嬉しさがあることは確かで。


 彼と共にありたいという思いはあったから、頷いた。


 これから先ずっと共に歩んでゆきたい。

 そんな風に言われた時には密かにかなり感動した。


 ただ、こちらが感動して涙するよりも先に彼の方が涙をこぼしたものだから驚いてしまい、それによってこちらの涙は引っ込んだ。


 国王として生きているアイルティストンは優しいけれど淡々とした人だ。なのでそんな彼が涙する日が来るなんて欠片ほども想像していなかった。そんなこと、もしかしたら起こるかもしれない、くらいも考えてみたことはなくて。そもそもアイルティストンの表情が大きく揺れ動くことがあるなんていう発想がなかった。それも、泣く、なんて。そんな反応は彼から最も離れたところにあるものだろうと思っていたのである。


 その後私はアイルティストンと正式に婚約。


 彼が治める国へと引っ越すこととなった。


 また、生まれ育った地から離れる数日前、王子ガオンの両親である国王夫妻から「息子の愚かな行動について謝罪したい」という話が舞い込んできて。

 想定外の出来事に戸惑ったけれど、アイルティストンが同行してくれるとのことだったので、彼と一緒に国王夫妻のところへ行った。


 この忌まわしい王城へ足を踏み入れる時が来るなんて――複雑な心境だった、本当に、けれども隣に愛する人がいてくれるから辛くはなかったし勇気を持ち続けることができた。


 私はもう孤独ではない。

 私はもう傷つけられるだけの弱い女ではない。


 だから凛とした振る舞いで国王夫妻に向き合うことができた。


 ――と、そんな感じで気合いを入れて行ったのだけれど、国王夫妻は本当に謝罪してくれただけだった。


 急にそんなことを言い出して何がしたいのか? 怪しい、怪しすぎる。何か得たいものが発生でもした? それで私に近づこうとしている? そんな風に悪く思いたくはないけれど、でも、信じることはできない、王家の人間は。なんせ彼らは私にとって悪でしかない。そんな人に謝りたいと言われて素直に受け入れられる人間がどこにいる? そんな人間は稀ではないか?


 ……なんて、色々考えていたけれど。


 国王夫妻は息子ガオンとは違っていた。


 また、そこで聞いた話によれば、ルルネは処刑されガオンは謹慎となっているそうだ。


 それでも完全に償えたとは思わないでほしい。


 そんな簡単に罪を償えると考えてほしくはない。


 けれど、悪しき二人が何もせず笑顔で今日を生きているよりかはずっとましだから、そういうことになっていると聞いて安心した。

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