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 あくる日。私はいつも通り診察室から患者を呼んだ。声がしてしばらく、診察室の扉が

開き入って来るや否や患者は私をじっと見つめた。不思議に思い、私は何かあったかと尋

ねると首を横に振り、椅子に腰かける。


 今日はどうされましたか。


 え……えっと。最近、お腹の調子が良くないみたいなんです……。


 なるほど。では、本日はこちらの薬を処方します。二日後、またこちらにいらして下さ

い。


 ふ、二日後ですか。わ……わかりました。


 お大事に。


 私は診療録に処方する薬を記入し、助手に手渡す。受け取った助手も何度も私を見て驚

く。今日の私はそんなにおかしいのかね。まぁ、そんなことはどうでもいい。次の患者を

呼ばなくては。

 次の患者は数日前から頭痛がすると喚いていた。これがまた私の頭に響く声。あまりに

も耐え難く、顔をしかめてしまったがこれも処方をし、三日後にまたくるように伝えた。

 今日の診察はいつもより少なかったせいか、これで終わりだった。机を片付けていると、

精算を済ませた助手は私から逃げるようにして出ていった。静かになった診療室に小さな

闇が現れる。その姿を確認しなくても、私にはわかる。


 ホウ。ウマクイッテイルヨウダナ。


 当たり前さ。私を誰だと思っているんだ。


 ソレハ失礼シタ。ソレデ、サッキノ薬ハイツ効果ガデル?


 早くて明日か……個体差があるからなんとも言えん。


 ソレモソウカ。シカシ、オ前ハ実ニ面白イ。知識ヲ分ケ与エタ甲斐ガアッタ。


 薬を服用した私は、しばらくの間は悶え苦しんでいた。胸が焼ける痛みが来たかと思え

ば、全身が凍えそうな寒気に襲われたりと散々だった。寒暖差に意識を振り回され、気が

付いた時には髪が真っ白になっていた。これがザガンの言う副作用なのだろうか。それ以

外などこもおかしな個所はなかった。髪の毛はいずれ白くなるものだ。今はその時期は早

まっただけで、特別驚きもしなかった。


 永遠ノ命ヲ授カッタ気分ハドウダ。


 至って何も変わりがないものだな。でも、今は最高の気持ちだ。


 不思議なことに、頭の中は澄み切っていて、なんでもできそうな位だった。でも、私が

できることはたかが知れている。さて、これからどうするか……。


 そういえばザガン。私に薬の調合を教えてくれると言ったな。


 アア。


 それで、試してみたいことがあるんだが……。


 私はザガンの耳元で囁いた。するとザガンは目を細めて笑った。そしてそれは腹に響く

ような音に変わった。


 ククク。ソノ考エ、実に面白イ。ナラバ色々ト準備ヲセネバナランナ。


 ああ。色々としてみたいことがあるんだ。頼んだ。


 ザガンから教わった薬を患者に投与し、患者の状態を記録。それを元に次の薬を制作す

るときの参考にする。ただ、患者がいなくなったらどうなるという問題だが……それは、

またザガンに頼んで補充ができる生命体を生成してもらえばいい話。さて、ザガン。仕事

の時間だ。指導を頼んだ。




                       完

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