37.M
「芹川さん、こんなの書いてみたんだけどちょっと読んでよ」
「またろくでもないのじゃないよね……」
☆
「シュウくん、君みたいな下等なゴミがなぜこの廊下を歩いているのかしら?」
「み、ミツキ生徒会長。ぼ、僕も一応この魔術学院の生徒なのですが……」
「この廊下は貴族SS級クラス専用よ。君のような下賤な貧民の補欠合格Fランカーが歩いていていい場所ではないわ」
「そ、そんな!初耳です!第一この廊下を通らなければ僕は教室に入れな……げぼっ!」
「貧民補欠Fラン陰キャ屁理屈オタクの分際で、最上級貴族のこの私に口答えしていいと思っているのかしら? 次は腹蹴りじゃ済まないわよ」
「ぐ……、あ、ありがとうございます」
「待ちなさい。君は元婚約者だったわね、親が決めたこととはいえ一瞬でもこんな男が婚約者だったなんて信じられないわ」
「……」
「そうね、今から君は私の奴隷よ。そうね、じゃあそこで土下座して私の靴底を舐めなさい。なに? その目は。目を潤ませて今にも泣きそうね、あはは」
「……」
「ふふ、そうよ……ちょっと待ちなさい、服は脱がなくていい。全裸土下座ではない。普通の土下座をしなさい。着衣土下座よ。……てか着衣土下座って何だよ」
「……」
「ふふん、無様で最低だわ。さあ靴の底を舐めるのよ」
「れろ……れろ……れろれろれろれろ……はあはあ……ぺろぺろぺろぺろ、ぺ~ろぺろぺろ……ぐうっ……!」
「あはは、元婚約者で圧倒的強者のご主人様に顔面を踏みにじられる気分はどう?」
「……」
「どうなの?はっきり言ってみなさい」
「……とても……めちゃくちゃ嬉しいです。踏んでいただきありがとうございます……」
「涙なんか流しちゃって、情けないわね。君のなまえは今日からポチよ、返事してみなさい」
「わん……わん……」
「え?何それ。首輪とリード?は?なんでそんなもん持ってんだよ」
「そんなところで何をしてるんだ?」
「あっ、婚約者のサイキ様♡」
「なんだ、シュウじゃねえか」
「……てめえ、底辺仲間だったのに勇者とわかってミツキ生徒会長と婚約したとたん手のひら返しやがって……」
「ポチ?いつ人語をしゃべっていいと言ったの」
「わん……く~んく~ん」
……
「ポチは救いようのない無能ね、こんな魔法も使えないなんて」
「く~ん……」
……
「私が勇者サイキ様と共に聖女として魔王討伐の旅にでることになったら、使い捨ての荷物持ちくらいにはしてあげるわ。いざというとき私達が逃げる間の盾になるのよ。喜びなさい」
「ワンワン」
……
「ついに魔王を倒したわ。ポチは最後まで役に立たなかったわね。冒険が終わったら屋敷の裏庭で飼ってあげるわ」
「へっへっへっ……く~んく~ん」
☆
「ねえ……これざまぁ系?……だよね? いつ覚醒するの?」
「しないよ、逆転無し。あ~読み返したらまた興奮してきた」
「変態」
「ありがとうございます」
「やかましい、てか私にちょいちょい突っ込ませてるのも確信犯だよね……」




