12.キャットテイマー
「冨野くんまた小説書いてるの?」
「うん、追放ものだよ。ビーストテイマー斉木。ただし猫のみ」
「斉木君、名前使われてんじゃん」
「一応使っていいか聞いたけど『主人公ならアツい』って喜んでたよ」
「何その基準? 軽いね」
「まあ斉木はフリー素材みたいなもんだからOKなんだよ」
「いろいろ雑だね君達、それでどんな話なの?」
「猫専門テイマーの斉木は勇者パーティーから理不尽にも追放されてしまった」
「いや悪いけど猫専門なら理不尽じゃないかな、かわいいけど」
「愛玩動物としか見られてないが、猫は他のどの動物にもない異能を持っている。みんな猫の能力を見くびっていた」
「あ、思ったよりちゃんと考えてそう」
「彼らの着地能力は他の動物にはない特異能力としか言いようがない。俊敏性もきわめて高く、蛇との闘いで負けることはまずないと言われてる。大型猛獣も本気の猫の攻撃には怯んで逃げだす。当たり前のように体長の何倍もある高さに飛び乗り、液体となりわずかな隙間も通り抜ける」
「なるほどね、猫の特性を生かせば勇者パーティーを見返せそうだね」
「しかし、猫は極めて気まぐれで自分勝手な生き物である」
「……ちょっと雲行きが怪しくなってきた」
「彼らは労働をバカがすることだと思っている。適当ににゃーにゃ―言って遊んでれば、人間とかいう下僕が餌を持ってくるからだ」
「斉木君のテイマーの地位が危ういね」
「結局猫の下僕にしかなれない斉木は引退して猫カフェ経営者になった」
「うーんオチが弱いかな」
「じゃあ脱走した茶トラが翌日魔王狩って得意げにくわえて見せにきた。で斉木は無事英雄になったとかならなかったとか」
「だいぶバカになったね。でも英雄にはしてあげな」




