表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

3.婚約は破棄される事はありません。いい加減に諦めて下さい。

「どうぞ、お掛けになって。」


 ブランチュ侯爵家に私は招待された。お互いに挨拶をした後、ブランチュ令嬢の命令で使用人は誰一人いなくなり、二人きりになった。


 ブランチュ令嬢は何を言って来るのだろう。レナード様の事を諦めたという話かしら? 私への謝罪とか? 少しだけ期待に胸を膨らませた私だったけれど、


「単刀直入に言います。ハイチュウ令嬢が何をしても、私とアルフォート侯爵の婚約は破棄される事はありません。いい加減に諦めて下さい。」


 そんな期待を切り捨てられた。私は相手が侯爵令嬢であろうと、レナード様の為ならば立ち向かうと決めていた。だから、反論する事にした。


「…ブランチュ侯爵令嬢。私とレナード様は愛し合っています。お言葉ですが、貴女は邪魔者なんですよ。ブランチュ侯爵令嬢がどんなにレナード様の事が好きでも、貴女の想いは届きませんよ!!」


 私の言葉に、ブランチュ侯爵令嬢は黙り込んだ。私の言う事は正しくて、何も言い返せないのね! 良い気味だと思う。


「…なるほど、改めてよく分かりました。アルフォート侯爵の仰っていた通りですね。」


「な、何がですか…!?」


「貴女は、侯爵の妻には相応しくありません。」


 その言葉に、忘れていた痛みを思い出す。何故、ブランチュ令嬢がその言葉を知っているの!? 


「っ、ど、どうしてそれを、?」


「…私の話を聞いていなかったのですか? アルフォート侯爵から聞きました。」

 

 いや、待って…レナード様がブランチュ令嬢にそんな事を言う筈がない……なら、やっぱり。


「…ひ、酷いですブランチュ侯爵令嬢!! 貴女がレナード様に、私にそんな事を言うように脅したのですね!?」


 なんて最低な人。こんな人がレナード様の婚約者になるだなんて、絶対に許せない。


「…私がアルフォート侯爵を脅した? 何故そんな話になるのです。」


「私を騙そうとしたって無駄ですわ!! だって、レナード様は私を愛しています。それは、ずっとレナード様の傍にいた私が誰よりも知っています! そんなレナード様が、私が妻になる事を反対する筈ないじゃないですか!!!」


 そう、私は知っている。レナード様の想いを。ランカ・ブランチュの嘘に騙されたりしないわ!


「……成る程。確かにアルフォート侯爵はハイチュウ令嬢を愛しているのでしょうね。」


 その言葉に、私は勝った、ランカ(この女)に勝ったんだ! と思った。でも、


「でも、アルフォート侯爵がハイチュウ令嬢は妻には相応しくない、と言ったのは本当の事ですよ。」


 続けられた言葉に、私はまた凍り付いた。

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ