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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、  作者: 涼風悠
ギャルゲーの主人公と乙女ゲーのヒロインは、恋人同士ですが、幼馴染の時より恋人同士っぽくないのですが、どうすればいいですか?

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ゆるふわサブヒロインは、幼馴染たちの調査をするのである。 その6

 冷や汗ダラダラな、ゆるふわ宏美は、廊下の床にぺたんと座って絶望の表情を浮かべているのである。


「宏美ちゃん…コソコソ何かやっているとは思っていたけど…7組の教室の前で何をしているのかなぁ?」

「こ、これはですね~…た、たまたま、偶然、思いがけずに、7組の教室の前に居たわけでして~」

「ふ~ん…たまたま、7組の教室に来て、偶然、7組の教室の前に立って、思いがけずに教室の中を覗いていたって言うのかなぁ? ひ、ろ、み、ちゃん?」


 深淵の闇のような瞳に睨まれて、もはや恐怖に飲み込まれそうな宏美は、涙目になりながらも、なんとか笑顔を作って、誤魔化そうとするのである。


「そ、そうですよ~…わ、わたしぃ何もしてませんよ~!!」

「そっかぁ…私は宏美ちゃんに用事があってねぇ…宏美ちゃんのことを探していたんだけどねぇ…これは…見過ごせないかなぁ」


 圧倒的な圧を放つ梨緒に、ガタガタ震えるゆるふわ宏美である。この二人のやり取りは物凄く目立っているのである。


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!! ひろみん、怖がってるでしょ!! やめてあげてよね!!」

「美月!! 待つんだ!! 美月!!」


 美月は、その様子を見ていたが、梨緒に怯える宏美を見て、宏美の元に駆けつけるのである。そんな美月に仕方なくついていくイケメン二人である。


「夜桜さん…あなたには関係ないよねぇ…ごめんねぇ…覇道君と永田君には迷惑かけたよねぇ…すぐに連れて帰るからねぇ」

「あ…ああ…連れて帰ってくれるなら…問題はない」

「そ、そーだな」


 梨緒は、圧倒的な圧を放ちながら、政宗と浩二を丸め込むのである。二人にとって、謝られた上に、宏美を美月から遠ざけてくれるなら、文句を言うことはないのである。それをわかっている梨緒の人心掌握に恐怖を感じる宏美なのである。


「だ、ダメだから!! ひろみんは私の親友なんだからね!!」


 そんな中、美月だけが、梨緒を睨んで、宏美の前に立って、威嚇して牙を向くのである。そんな美月を、ハイライトオフの瞳で睨み返す梨緒なのである。


「あ…あの…なんでここに梨緒さんがいるんですか~」


 恐る恐る、美月の背中に隠れて尋ねるゆるふわ宏美を、睨む梨緒に、あまりの恐怖に竦み上がる宏美に、ひろみんは私が守ると両手を広げてガードする美月なのである。


「逆に聞くねぇ…なんで、私がここに居ると思うのかなぁ?」


梨緒は、宏美にそう尋ねながら、宏美に近づこうとするが、美月が、相も変わらず宏美の前に立って、守るモードなのである。梨緒と美月は、面と向かって対峙しあうのである。両者の胸がくっつきそうなほどの距離で睨み合う美月と梨緒である。


「夜桜さん…そこ…どいてくれないかなぁ? 私、宏美ちゃんに用があるんだよねぇ」

「絶対いやだよ!! ひろみんが怖がってるでしょ!! ひろみんは私が守るんだからね!!」


 二人の険悪なムードに、周りは息を呑むのである。胸を張り合う美月と梨緒に、何故か奈落の底に落ちたような絶望の表情のゆるふわ宏美は、心の底から落ち込むのである。


「はぁ~…ごめんねぇ…覇道君だっけ…夜桜さんの幼馴染なんだよねぇ…夜桜さんのこと、どうにかしてもらえないかなぁ?」


 美月の必死にひろみんを守りたいガードに、呆れる梨緒は、呆然と立ち尽くしている政宗を見て、そう言う梨緒は、あからさまに、早く美月をどうにかしろと言う圧が込められているのである。


「あ…ああ…美月…さぁ…教室に戻ろう」

「嫌だけど…今はそれどころじゃないよね!! ひろみんのピンチなんだよ!!」

「み、美月ちゃん…1組の事は…1組に任せねーか?」

「なんで!? ひろみんは私の親友なんだよ!! 私がひろみんを守るんだからね!!」

「み、美月さん~!!」


 政宗が、美月に近づき説得するが、失敗して、援護に来る浩二も、撃墜されるのである。その勇ましい勇姿に感動するゆるふわ宏美なのである。


「はぁ~…つかえないなぁ」


 ぼそりとそう呟く梨緒は、ニッコリ笑顔で宏美を見ると、宏美は、美月の背中に隠れるのである。


「宏美ちゃん…今、夜桜さんに守ってもらって、後で、私と二人でお話しするのとぉ…今、私と二人でお話しするの…どっちがいいかなぁ?」


 両手を合わせて、ニッコリ笑ってそう言う梨緒だが、あからさまに、後だとどうなるかわかるよねぇと言う圧が込められているのである。もはや、選択肢ですらない選択に、ゆるふわ宏美は涙目なのである。


「だから、ひろみんを脅すのやめてよね!! ひろみんをイジメたら私が許さないんだからね!!」

「…ふ~ん…夜桜さんに何ができるのかなぁ…それに、別に私は宏美ちゃんをイジメたりしないよぉ…ただ、少しだけ…お話があるんだよねぇ」


 圧倒的な、梨緒の圧に、ヤバさを感じる政宗と浩二は、美月に教室に戻ろうと促し、政宗は、美月の肩を掴むが、その手を美月が払いのけるのである。


「邪魔しないでよね!! だいたい、私は、この女のこと、前から気に入らなかったのよね!! ここで、決着をつけてやるんだから!!」

「奇遇だねぇ…私も、本気で夜桜さんのこと嫌いなんだよねぇ…まぁ、でも、今は宏美ちゃんに用事があるんだよねぇ…だから…そこどいてくれないかなぁ」


 烈火のごとく怒る美月と、水流のごとく静かに怒る梨緒に、周りの空気は物凄く重いのである。あまりの険悪な雰囲気に、おろおろする宏美に、美月に手を払われて驚き、落ち込む政宗は、自分の手をジッと眺めているのである。


「み、美月ちゃん…と、とりあえず落ちつこーぜ…み、三橋も…ここで喧嘩すると、センコーがうるせーぜ」


 あまりの険悪な雰囲気に、生徒達が騒ぎ出す中、浩二は、まずいと思い二人をなだめるのだが、美月と梨緒は、相変わらず睨み合い険悪なムードなのである。


「本当に…夜桜さんは邪魔だなぁ…まぁ、いいかぁ…じゃあ、もう、ここで聞いちゃうねぇ…ねぇ…宏美ちゃん…宏美ちゃん…郁人君に何をお願いされたのかなぁ?」


 梨緒の心を見透かすヤンデレボイスに、心臓を鷲掴みにされたような感覚に襲われる宏美の顔は真っ青なのである。


「やはり、貴様!! 朝宮の指示で動いていたのか!? 何を企んでいる!!」


 先ほどまで、呆然としていた政宗が、梨緒の発言を聞いて、鬼の形相で、宏美を怒鳴るのである。


「お、おい…政宗まで、落ち着けって…細田が企んでいたことくらいわかってただろーが」


 怒って、宏美に詰め寄ろうとした政宗を止める浩二である。怯える宏美を庇う美月は、政宗を睨みつけるのである。


「郁人に何をお願いされてても、別にいいでしょ!! ひろみんは悪くないよ!!」

「ねぇ…宏美ちゃん…夜桜さんにもはっきり言ったらどうかなぁ…宏美ちゃん…郁人君と宏美ちゃんはどういう関係なのかぁ…教えて欲しいなぁ」


 宏美を庇う美月を無視して、宏美に圧をかける梨緒なのである。


「と、とくに…なんでもないですよ~!! ただのお友達ですよ~!!」


 ゆるふわ宏美は、必死にそう言うが、梨緒に疑惑の視線で見られ続けるのである。政宗と浩二にも、ジッと見られる宏美は、逃げ場がないのである。


「そっかぁ…じゃあ、郁人君から…宏美ちゃんは…何をお願いされたのかぁ…教えてくれないかなぁ」

「な、なにもお願いなんてされてないですよ~!! い、郁人様が、わたしぃに頼る訳ないじゃないですか~!!」

「……宏美ちゃん…私…嘘は嫌いだなぁ…本当の事を言って欲しいなぁ…ねぇ…覇道君もそう思うよねぇ」


 梨緒は、政宗に不敵な笑みを浮かべながらそう言うのである。その梨緒の笑みに、目を見開いて動揺する政宗なのである。


「どういうことだ…貴様…何が言いたい!?」

「だからぁ…それを、今から宏美ちゃんに聞こうと思ってねぇ…ねぇ、宏美ちゃん」


 顔は笑顔のハズなのに、全く笑っているように見えない梨緒に、恐怖で震える宏美なのである。


「あ、あの…そ、その…り、梨緒さんは…い、郁人様とは…その…あのですね~」


 しどろもどろになる宏美に、視線が集まるのである。宏美は、意を決して、思っていることを口にしようとするが、その時ある人物が現れるのである。


「ゆるふわ…悪いな…そろそろ、教室に戻るぞ」


 そう言って、宏美の発言を中断させたのは、呆れた様子で、現れた郁人なのであった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。ぜひ、ブックマークと評価もよろしくお願いしますね。


さて、颯爽登場の郁人ですが、彼の登場でさらにカオスなりそうですが、しかし、梨緒はやはり、物凄く鋭い子のようで、この作品では、完全に強キャラですね。まぁ、美月視点からすると、ラスボス的な人物ですから仕方ないですね。


もしも、この作品がギャルゲーなら、メインヒロインは、三橋梨緒で、美月は、幼馴染ポジションのキャラという事になると考えると、やはり、梨緒は強キャラなのです。ですが、この作品は、ギャルゲーではないですからね。


次回は、ゆるふわ宏美を助けに来た郁人は、どうやってこの場を凌ぐのでしょうね。やはり、最後に頼れるのは郁人なんだよね!!


では、次回の更新もよろしくお願いしますね。

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