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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、  作者: 涼風悠
ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、幼馴染で両想いですが、攻略キャラ達が全力で邪魔してくる。もう、俺(私)達のことは諦めてください。

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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、心底自分達の事は諦めて欲しいと思うのだった。

 郁人は、教室に戻ってくると、すでに宏美が郁人の席の近くでニコニコ待機していた。


「…郁人様…大丈夫でしたか~?」

「ああ…しいて言うなら、何もなかったことが…問題だがな」


 郁人はため息をつきながら、自分の席に座る。頬杖をつく郁人は、遠い目をしていた。そんな郁人に、ゆるふわ宏美は、小首を傾げて疑問顔である。


「そっちは…大丈夫だったのか?」

「はい~…ただ…美月さんが…梨緒さんと屋上に行かれて~…少し不安ですね~」

「そうか…なぁ…ゆるふわ…」

「…何ですか~? 郁人様?」

「あいつが戻ってきたら…俺…刺されるとかないよな?」


 机に両肘を立てて、両手を口元に持っていく郁人は、冷や汗ダラダラである。そんな郁人に、ゆるふわ宏美も、ゆるふわ苦笑いで、冷や汗ダラダラで考えるポーズを取る。


「さ…さすがに…それは…ないとは言い切れませんが~…大丈夫だと思いますよ~!!」


 ゆるふわは宏美は、ニコニコ不安顔で、ダラダラ冷や汗を流しながらの、大丈夫宣言である。勢いしか見られないゆるふわ宏美に、郁人は不安を覚えるのである。


「何が大丈夫なのかなぁ?」


 聞き覚えのあるヤンデレボイスが背後から聞こえてくる。郁人と宏美は、ビクッと全身が恐怖に震える。ゆっくり後ろを振り返ると、清楚笑顔で、清楚立ちしている梨緒がいたのである。


「あ…いえ~…そのですね~…郁人様…何が大丈夫なんですか~!?」

「俺に振るな!! ゆるふわ!!」


 気配無く背後に立っていた梨緒に恐怖する郁人と宏美である。もはや、しどろもどろである。


「…まぁ…いっかぁ…おはよう…郁人君…それと、宏美ちゃん…それとも、ひろみんって呼んだ方がいいかなぁ?」


 清楚笑顔で挨拶をしたかと思えば、突如ヤンデレモードで、宏美を見つめる梨緒である。ニコニコ笑顔で冷や汗ダラダラのゆるふわ宏美である。表情から、ヤバイヤバイと思っているのがまるわかりである。


「その~…できればですが~…ひろみんはやめて頂けると…助かります~」

「そっかぁ…いいと思うよぉ…ひろみん…ねぇ…宏美ちゃん…それ…誰がそう呼んでたかなぁ?」

「…記憶にございません~!!」


 ゆるふわ宏美は、絶叫するのである。目線で郁人に助けてと訴えている。そんな宏美を、郁人は、机に両肘をついて、両手で口元を隠して、知らんぷりするのであった。


「見捨てないでください~…わたしぃ、悪くないですよ~!! 殺さないでください~!!」

「え!? こ、殺したりしないよぉ!! もう…人の事なんだと思ってるの? 宏美ちゃん」


 郁人に泣きつくゆるふわ宏美は、必死に郁人を腕を捕まえて、揺するのである。そして、必死に命乞いをする宏美に、驚きの表情を浮かべる梨緒である。


「あ…そういえば…郁人君…私…とても、嫌な噂をね…聞いたんだ…ねぇ…郁人君…夜桜さんと…郁人君が付き合いだしたって…噂なんだけどぉ…郁人君…どう思う?」


 にっこりヤンデレスマイルで、梨緒は郁人にそうヤンデレボイスで尋ねるのである。郁人と宏美の動きが止まるのである。そう完全に停止する。そして、その梨緒の発言に、クラスメイトからも、全力注目される。


(郁人様…わかってると思いますが…絶対に秘密ですからね~…ここでクラスメイトにバレたら…わたしぃ達の命は…ないですよ~)

(…いや…しかし…男として、ここは、はっきり言った方が…)

(絶対ダメですよ~!! わたしぃは、死にたくないですよ~!!)


 視線で会話する郁人とゆるふわ宏美である。教室を沈黙が支配するのである。クラスメイト達が、郁人の発言に聞き耳を立てていた。


「それは…あれだ…秘密だ…なぁ…ゆるふわ…」

「ちょ!! わたしぃに振らないでくださいよ~!! その…そんなことはないと思いますよ~!!」

「そっかぁ…ふ~ん…じゃあ…後ね…郁人君のファンクラブの間でも、ある噂が流れてるんだよねぇ…ファンクラブ会長が…郁人君と付き合ってるていう噂もあるんだよねぇ?」

「それはない」

「それはありえませんよ~」


 その噂は、即否定する郁人と宏美である。声が完全にハモる二人である。


「そ…その…り…梨緒は…もし…もしも、俺が…美月と付き合ってるとしたら…どうなんだ?」

「い、郁人様!?」


 恐る恐る尋ねる郁人に、ヒィと恐怖の表情を浮かべて郁人を見るゆるふわ宏美である。


「…どうして…そんな事聞くのか…わからないけど…フフフ…どうすると思うのかなぁ? 郁人君は?」


 最高のヤンデレスマイルで、両手を合わせて、小首を傾げながら、ヤンデレボイスで言い放つ梨緒に、冷や汗が止まらない郁人と宏美である。


「いや…わからないが…まぁ…とにかく…あれだな…うん…この話はやめよう…なぁ? ゆるふわ」

「え!? ええ~!! そ、そうですね~…もっと、楽しいお話をしましょうよ~」


 全力で誤魔化しにかかる郁人とゆるふわ宏美に、ニッコリ笑顔で、そうだねと答える梨緒である。彼女の心の奥底が、ドス黒い嫉妬で蝕まれ、それでも、自分を誤魔化して、郁人の傍にいることを心に決めた梨緒であった。


 そんな、梨緒の儚げで、悲しい笑顔から、視線を逸らす郁人は、心の奥で思う事があったのである。






 屋上から、教室に移動する美月は、教室に入るなり、あからさまに不機嫌な政宗と浩二が、美月の机の近くに居たのである。美月は、露骨に嫌な顔をして、自分の席に向かう。


「…美月か…おはよう」

「美月ちゃん…おはよう」


 完全に、二人を無視して、スクールバックを机に置いて、席に座る美月に、イケメン挨拶をする政宗と浩二である。


「……おはよう」


 美月は、やはり、礼儀正しい子のため、挨拶されれば、無視できない性格なのである。不機嫌に挨拶をかえす美月なのである。美月は、教科書などを取り出して、机の中にしまうのである。


「…美月ちゃん…ちょっと…聞きたいことがあるんだけどさ…細田宏美と登校したってマジ?」

「……本当だけど…何でそんなこと聞くのよ?」


 美月は、浩二の方を見ることなく、不機嫌にそう尋ねる。浩二は、頭を抱えて呆れている。


「美月ちゃん…正直、細田宏美と仲良くするのはやめた方が良いぜ」

「……何でそんな事言われないといけないのよ!!」

「美月ちゃん!?」


 美月は、いきなり、友達になった宏美の悪口を言われたと思いさすがに、浩二を怒鳴る美月である。キッと浩二を睨みつける美月である。


「美月…彼女は、朝宮の手下だ…あまり仲良くはしない方がいい…俺達は美月のためを思って、言ってるんだ」

「そうだぜ…美月ちゃん…それに…細田宏美と仲良くすると…男子生徒からも不満の声が上がるから…正直…ファンクラブ維持するためにもやめて欲しいんだ」

「……私が誰と仲良くするかは、私が決めるの…私の事は、放っておいてくれないかな?」


 美月は、政宗と浩二にはっきりとそう言い放つのである。二人を睨む美月に、何故か、心配そうな表情をする政宗と浩二である。


「美月…俺は、何があっても君を守るから…安心してくれ…たとえ、今、俺の想いが理解できないとしても」

「そうだぜ…美月ちゃんことは、僕達がサポートするからさ…少しは、信じてくれよな」


 美月は、心の奥底から呆れ果てるのである。机の上で、美月らしからぬ頬杖をついて、窓の外を眺める美月なのである。


(この人達に何を言っても無駄だよね…はぁ~…ひろみん…やっぱり、どうせ、この二人、私の事馬鹿にしてるのよ…ほんと…私の事は、放っておいて欲しいよ)


 そんな風に考えている美月に、政宗は、美月の机の上に両手を置いて、美月に顔を近づける。露骨に嫌な顔をして、美月はのけ反るのである。


「美月…俺が君を絶対に守って見せるから…俺の事を見ていてくれないか?」

「……ごめんね…私は…郁人とつきあ…」

「美月!! 大丈夫だ!! 俺が君を守るから!! そんな嘘を言わなくていい!!」


 いきなり大声で美月に言い放つ政宗に、目を見開いて、驚く美月である。正直、ドン引きな美月である。


「……ねえ…私を守るって…何なのよ? 別に私…そんな事頼んだ覚えがないんだけど?」

「美月ちゃん……大丈夫だぜ…今はわからなくてもいいからさ…いずれわかると思うぜ」


 浩二が呆れながらそう言うのである。美月は更に不機嫌になる。なぜか自分が理解してないという話になっていて、不快な美月なのである。正直もう、この二人と会話したくない美月は、完全に無視を決め込むつもりで、窓の外を眺めるのである。


「美月…機嫌を悪くさせたなら…謝る…だが…きっと、いつかわかってくれる日が来ると、俺は信じているから…」


 そう悲しそうな表情を浮かべて、美月の机から離れる政宗だった。そんな政宗を完全に無視する美月は、心の奥底から思ったのである。






 そう郁人と美月は、心の奥底からこう思ったのである。俺(私)達の事は諦めて欲しいと、全力で、自分達の事を邪魔してくる人達に、切実にそう思う郁人と美月なのであった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。ぜひ、ブックマークと評価もよろしくお願いしますね。


さて、これで、序章完結です。想定していたより、かなり長くなってしまいました。連載小説って、毎回区切りが必要だから、とても難しいですね。序章が完結したため、序章を加筆修正を加えたいと思っています。これは、地道に作業したいと思っています。


さて、感想も募集していますので、感想頂けると嬉しいです。


新キャラなども、登場予定の次章ですが、おまけ話などを先にやりたいと思ってますね。具体的に言うと、中学時代の郁人と美月の話などですね。


長くなりましたが、本当にここまで、読んで頂きありがとうございます。ぜひ、次章以降も、読んでもらえたら嬉しいです。


では、次回の更新もよろしくお願いしますね。

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