魔族戦争編 80話 聖女 ラスティ
投稿遅れてすいません…過去がちょくちょく出てきますが、間違ってたら宜しくお願いします…
『祝福された精霊の霊光』をかけたせいでラスティの体は未だに光り輝いている。じぃはあまりに神聖な光で体調が悪くなったので下がらせ、みんなを集めておいてもらう。俺もいつの間にか身体中にまとっていた闇魔剣士の魔力が解除され視線が低くなる。ラッテはうるさかったので、じぃと共に下がらせてある。
とりあえず光が収まるまで何もできないので、壊された屋敷を直していく。コルクの魂記録の『錬金術』を使い、高温で溶け、それが冷えて固まった地面から混ざってしまったものなどをとりわけ、形状を変化させ地面に戻す。翅を背中から生やし飛翔し天井の凍りついているシャンデリアの氷を払い落とす。水滴などを残さないように、最後に錬金術で分解する。とりあえず、目に付く箇所を直し終えると、横になっていたラスティが目を覚ました。すぐに闇魔剣士でデュークの姿になる。
「目覚めたか…小娘…」
「あなたは?…あ…」
ラスティはそっと俺の顔を見ると、俺の体に触れてくる。その瞬間身にまとっていた闇の魔力が打ち消され小さなディルの姿になってしまう。俺はあくまで無表情でラスティを見ると、ラスティはニコニコと可愛らしい笑顔で見つめてくる。
「はぁ…」
「見た瞬間わかったよ…忘れた?…私は魔力が見えるの…闇魔法でも、ディルの魔力は澄んでいる…でも、不思議…闇の魔力で他の魔力を隠すなんて…普通できない」
「まあ、いいじゃないか…」
ラスティに近づいてわかったが、ラスティの周りの魔族の地特有の闇が浄化されている…今のラスティに闇魔法は効きそうにないな…
「それで、ディル…ここはどこ?…」
「ここは魔族の地…まあ…俺の家かな…」
「家?…」
そういうと突然背後からじぃの気配がした。シャンデリアには一瞬で火がつき明るくなる。ラスティはじぃを見た瞬間表情を強張らせ、警戒をしている。その様子を見てじぃは何も言わないので、俺がラスティに話をする
「待てラスティ。あれは…俺の祖父だ」
「ん?…ありえない。ディルは人間。奴は魔族…濁ってない」
「それでも俺を育ててくれたんだ。血のつながりなんて些細なもんだ」
「それじゃあ、王子様じゃないの?…アヴィオール…」
「それも俺だ。まあ、話すと長くなるから省略するが…「時間はある…話して。私が魔族に何をされたのかも…」
まっすぐ俺を見てくるラスティ。意地を張って黙っていれば、ラスティも譲らないだろう。このまま平行線より、俺が折れた方が早いと判断し、俺は口を開いた。
俺の出生はわからないが、デュークに拾われマリアに育てられ…勇者にデュークが殺され、俺は勇者に連れて行かれ育てられ、学園に入学し…という話を当たり障りのない程度に話す。ラスティは驚きながらも黙って話を聞いてくれた。俺の後ろにいたじぃも、なぜか驚いていた…そういえば、俺赤ちゃんだったもんな…
「それで、ラスティは魔族に体を乗っ取られて…」
「カフは?…どうなったの?…」
「カフは大丈夫だ。おそらくだがな…」
「そう…」
「話を戻すが、その後魔族…バクという名だが、そのバクが俺の家までのこのこやってきた。それで、案内をさせていたメイドにあしらわれ、俺が闇領域に閉じ込めた」
「闇領域?…」
「魔法が使えない空間だよ。覚えてないか?終生の森で使ったろ?」
「ああ…あの無能なスキル」
「今の発言は聞かなことにする。それで、ラスティ…変わったことないか?主にステータスで」
「変わったこと?…ステータス……は?」
「ん?」
ラスティがジト目で俺を見てくる。やはりステータスは変わっているか…見てみるか
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☆基本情報
名前 ラスティ=ネイル
年齢 6歳
性別 女
職業 聖女
☆ステータス
攻撃 320
防御 450
魔力 6700
速さ 210
知 450
運 88
☆スキル
・聖魔法
・光魔法
・白魔法
・精霊魔法
・自然魔法
・火魔法 lv2
・氷魔法
☆称号
・精霊に愛されし者
・聖女
・エルフの王女
・歩く教会
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おお!なんて偏ったステータスだ…というより魔力が飛び抜けているのか…さすがエルフというか…
俺がラスティのステータスを見ていると、ラスティが声をかけてくる
「なんで、職業が…聖女になってるの?…」
「まあ、成り行きだ。もう一度悪魔に体を乗っ取られたいか?」
「いや。」
「なら、我慢しろ…まあ、すぐに学園に返してやるから…さて、行こうかな。」
俺はラスティを起こすと、そのまま廊下を進んで行く。さっきからじぃがある一定の距離を保って歩く。聖女だし警戒をしているのかな
「それと、俺はもう学園に戻らないつもりだ…いろいろあるからな…」
「なんで?」
「いろいろあるんだよ。だから、カフを頼んだ。」
これから魔族で戦争が起きる可能性があるし、学園に帰っている暇はないしな。それに巻き込みたくないしな…
俺が真剣な顔でラスティに頼むと、一瞬動揺が見えたがすぐに俺に頷き返す
「わかった…いつか帰ってきて…」
「気が向いたらな…」
少し照れてしまう…帰ってきてか…くそ…かわいいな。
しばらく歩いていると、応接室が見えてきた。さて、入る前に姿をデュークに変える。奴隷たちを転移させたのもここだったな…俺は応接室の扉を開けるとそこにはランドルフ、ベテルギウス、マリアが集まっていた。俺は慣れたように上座に座り、じぃがラスティを案内して席に座らせる。皆が驚いたような目で俺を見てくる
「みんな集まってくれたな。ラスティ自己紹介してくれ」
「は、はい…私はラスティ・ネイルです…ども…」
「ら、ラスティ!だと!?」
突然椅子を倒して立ち上がるランドルフ。ランドルフはそのままラスティを見つめながら近づいていく。じぃが動こうとしているが、すぐに止める。何かそういう話を最初に受けたしな…
「ネイル…ラスティか…こんな大きくなったか……そうかそうか…ごめんな…ごめんな…人間が悪いんだ…恨んでくれていい…ごめんな…」
「ん?…どういうこと?…あなたは?…」
「そうか…俺のことを覚えちゃいねぇか…お前の親父は俺のパーティメンバーだったんだ…『ゴッドファーザー』って二つ名忘れもしない。アマレットがパーティをやめて国王をするなんて言ったのは驚いたが、立派に国王やってたな…」
「お父さんを知っているの?…」
「ああ、お前のことも昔抱っこしたこともある…一個上にお姉ちゃん…確かミスティだったな…」
「お姉ちゃんを知ってるの?今どこにいるの?教えて!」
ラスティが弾丸のように間を置かずに話すなんて珍しい…いや、初めてだ。かなり表情が焦っているようでランドルフが若干引いているが、ゆっくりと肩を掴んで落ち着かせる。
「ごめんな…さすがにわからねぇ…」
「そっか…」
ん?ラスティの姉?…どっかで聞いたことが…えーと…
「なあ、そのお姉さんってミスティって名前か?」
「なぜそれを?」
「ディル?…」
「奴隷を解放させた時に、後から来た貴族を覚えているか?あいつらにまじって居たな」
「それは、おかしいですぜぇ、ディル様!だってミスティちゃんは皇国でコイヌ学園…プロキオンの学園に在学中のはずだ。」
「もしかしたら、ウェッタの貴族じゃなく皇国の貴族だったのか?…そういえば聖女にしろアヴィオール家にしろ…何か怪しいな…なぜ魔族がウェッタを狙う必要があったんだ?…わからん」
「ディル様…考えるのは後で。ご友人を巻き込みたくないのでしょ?…」
「ああ…すまない。んん!」
じぃの耳打ちから話すことをやめ、喉を鳴らす。すると、皆が静かになり俺を見てくる。俺はそっと立ち上がる
「すまない。皆が集まってもらったのはラスティのことなんだが、ラスティは今回聖女になった。聖女というのはよくわからないが、あまり公にできるものでもないと思うから皆に相談したい」
「では、まずはわしから話そう。聖女とはこの世に住む全ての種族の上に立つ存在じゃ。常に体から聖魔法を発しており、どんな傷でも治せる。もしも、皇国に彼女の存在がバレれば即連れて行かれるだろう」
「マジか…ラスティちゃん…聖女になったのか…」
「うん…ディルがやってくれたと思うよ。ランドルフおじさん」
二人が笑顔で会話をしている。まあ、中が良くなったのはいいけどさ…
「さて、どうしたものか。ステータスはほとんど見ることはできないんだよな?」
「ええ、ステータスは『鑑定士』かステータスを開く魔導具がなければ見ることができなはずよ」
鑑定…確か、学園に一人いたな…俺の入学の時に最初に受付をした女性だ…まあ、あまり関わりはないだろう。
「さて、ならステータスでバレることはないか。その他の理由でバレることは?」
「ないはずじゃ。多少、彼女の周りは空気がいいか、魔力が澄んでいるくらいだろう…」
「そうか…なんか心配して損したな。それでどうやって彼女を送るか…」
「なら、ワシを使ってくれ。ワシの学園から来たとすればええじゃろ?一筆書くぞ?」
「何か案があるのか?…」
「ワシに任せてくれ。」
ニヤリと笑うベテルギウスを見ながら、俺は不安を抱きながら頼んだ。




