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79話

「ほぉ…やるじゃん。まずはお前から殺してやるよ…」


バクは殺すつもりで放った魔法を、躱されたのに苛立ち次々に魔法を放つ。ラスティの体を使っているバクはラスティの魔力も魔法も使えるので、エルフ特有の精霊魔法を放ち続ける。吹雪が吹いたり地面から炎が噴き出したりと、屋敷がどんどん壊れていく…が


「ははは!おもしろーい!!次はなになに???」


「ちっ…くそ…なんでだよ!」


「早く早くー」


マグマのようになっていたり、凍っていたりと廊下が地獄絵図だが、魔法を放たれた本人は凍りついたシャンデリアをつついている。ラッテはシャンデリアの上でバクを見下ろす。その大きな瞳がキラキラと輝きながらバクを見る姿は、獲物を狙う者のようだ。


「わかった…なら、これでどうだ?」


ラッテを見上げながらニヒルな笑みで見返すバクは、そっと歌うように詠唱を始める。澄んだ声が広い廊下に響く。


「『雷光の細槍(ライトニングレイピア)』」


バクの詠唱が終わり、光が一瞬でラッテの頭を貫通する。ラッテは目を見開いて固まっている。確実に当たったことを見て確認したバクは限界まで小さな口を広げ大声で笑う。腹が立っていた分当たったことで気分が上がっているのだろう。


「ねえ、もう終わり?」


「ははははっはぁ…は?…」


バクがすぐに振り返ると、そこには満面の笑みで立っているラッテがいた。頭には風穴は空いていない。あまりの驚いきで、戸惑ったバクは無詠唱でできる魔法をラッテに打ち続けるが、ラッテの体に当たることなくその姿は消えてしまった。バクは周囲を見渡しながら必死にラッテを探すが見つけることができない。すると、廊下にラッテの声が響く


『それじゃあ、こっちの番ねぇ〜?』


純粋な子供が楽しそうな声だが、バクにとっては姿が見えない相手が攻撃してくると聞けば怖いだろう。バクは必死に姿を探していると、突然背中を撫でられる。すぐに振り返るが、今度は脇腹を撫でられる。攻撃をしてくるわけではなく、殺意も敵意も感じられない撫でるという攻撃。まるでいつでも殺せるぞ?と無言で言われている気がして止まらない。


「や、やめろ!やめろ!!!!!」


『えーー…楽しいじゃん…』


その声の後、突然目の前にラッテが現れる。ラッテは明らかに損ぼりとした表情でバクを見つめる…それと同時にバタバタとした羽ばたき音と共に多くの蝙蝠が飛んでくる。ラッテはさっきとは表情が変わり、首だけを背後に回して叫ぶ


「ディル様!ディル様!」


蝙蝠はすぐに集まり、一瞬でディルの姿に変わる。後ろにはジルがバクを睨む。


「貴様…わかっているのだろうな…」


ジルが低い声でバクを脅し、俺はゆっくりとバクに近づく。バクは一瞬驚いた様子だったが、すぐに余裕な顔を浮かべ俺を見てくる。


「ん?お前はどうするつもりだ??まさか、勇者の子供がまさかのデュークだったとはな!なんだ?子供に化ける魔法でも使ってんのか??」


「黙れ…それ以上しゃべるな…」


「あ?詠唱ぐらいさせてくれよ!『雷光の細槍(ライトニングレイピア)』」


バクが叫びながら魔法を発動するが魔法は俺に当たる前に消滅する。まさかの出来事に驚いたバクはどんどん聖魔法の魔法を放ってくるがことごとく消滅する。どんどんと顔が赤くなっていくバクをにらみながらゆっくりと進む。一歩一歩…ゆっくりと…


「な、なんでだよ!聖魔法だぞ!ま、魔族だろ!な、なんで!くそくそくそ!」


予想とは違う結果に驚き、迫り来るディルが恐怖でしかない。一歩一歩近づく悪魔の足音…バクは恐怖で怯えながら必死に頭を使い考える…魔法が効かない。物理攻撃もこの体は無理だ…なら…

そう思ったバクは一気に前に駆け出し、目の前で首だけを背後に向けたラッテの首に手を回す。


「来るな!この女を殺すぞ!」


「これって脅されてるんですか!?ですか!?」


バクに首を絞められながらも驚いた笑顔で俺を見つめるラッテ。どうも余裕にしか思えないその態度…まあ、ステータスで言ったら魔力以外は全てラッテの方が上だしな…ラッテは俺の目を見てくるが、俺が真剣な目だったことに気が引けたのか、大きく頷くとバクの腕から消えジルの後ろに移動した。


「なっ…!」


「さあ、どうする?」


なぜ、俺がラスティの体をバクがのとったというのに余裕だったのか…それはラスティの体にいる限りバクは俺に攻撃ができない。そして、その体に触れることさえできれば死ぬこともできない。

それと、わざわざ俺の弱みを握るために友人であるラスティを狙ったということは有効活用するまで殺さない。


すでにバクの目の前に来ている俺はそっと、バクの腕を掴みあるスキルを発動させる。すると薄黒い膜がラスティの体を中心に包み込む。これで、このラスティの体では何もできない


「じぃ…こいつを縛り付けてくれ。こいつはもう攻撃できない」


「承知しました…」


じぃは俺の目の前のラスティの体を丁寧に勝つ逃げることができないよう縛り付ける。

『闇領域』…懐かしいな…シリウスの結界がなくなり、俺が終生の森から学園を守った時も、ラスティにかけたな…完全安全領域…どんな魔法も、どんな武器もその意味を持たない…最強のエリア…


「ディル様。拘束しました。喋られないように猿轡をしておきました。どうなさいますか?…」


「ご苦労…何かいい案はあるか?…」


「どうですな…聖水風呂にでもつけてみますか?」


「それもいいが…ラスティの息が続くか?…」


「…続きませんな。それに一度記憶を見たものは、遠距離でもう一度体に入ることができますし…確か、聖女の魔法の『祝福された精霊の霊光(シリーコートライト)』で肉体を一瞬聖魔法に置き換えれてしまうのは?元は闇魔法ですし」


真顔でそう言ってくるじぃ。そんな魔法あったかな…てか、全身を聖魔法に置き換えるとか言っていることが怖すぎるがそれが一番いいだろう…

俺はおばあちゃん(墓を掘り返した時会ったローズの母だ)の死体から魂記録した聖魔法をステータス欄で確認していくと確かにスキルが会った。

---------------

祝福された精霊の霊光(シリーコートライト)

 体の中にある魔素を全て聖魔法にし、体を清める。聖女が後継者に使用する魔法。聖魔法を全て使用できるようになる。

----------------


相当なスキルなんだな…まあ、これならラスティに影響はないか…。さっきから俺の体をぐるぐると回るラッテが猛烈にうざいが無視する。


「とりあえず、じぃとラッテは離れてくれ…」


じぃがすぐに後ろに下がるが、ラッテは俺の目の前に立つ。俺がため息をつくと同時にじぃが一瞬で現れ、首根っこを掴み上げ連れて行く。


「ああああ〜首がもげる〜」


「主が入っているのですから、奴隷は言うことを聞きなさい」


「はい…」


二人が完全に離れたのを確認してから、『闇領域』を解除する。その瞬間俺に魔法を打とうとしてくるが、俺はまだ地震の闇領域を解除していないので魔法は消える。ある程度待ってからバクが諦めた一瞬を使って魔法を発動させる


「『祝福された精霊の霊光(シリーコートライト)』」


俺が詠唱すると、突然ラスティの体が光輝く。あまりの光に目が開けられないくらいだ…これ、大丈夫なのか?…


なんかあっさりな終わりかたでしたね。

次話から

カフ視点の学園編とディル視点の魔族の地の戦争編です。


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