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74話


「貴様!ちょこまかと…」


「当たったら死ぬんだ、当たり前だろう」


魔族はなおも攻撃をかわし続ける。すでに時間は15分ほど過ぎているだろう…残り10分ぐらいだ

ラスティの表情も白くなってくる。さっきまでの勢いはなくなり、今は私に寄りかかっている


「先の結界を解除する。その代わり、魔法を使う。」


すでにラスティに返事をするほどの力はない。天使はそれをわかっていて行ったのだろうか、魔族に斬りかかりながら同時に詠唱を始める。綺麗で澄んでいて、清らかな詠唱…しかし、魔族は一瞬で姿が見えなくなると私の首に手がかけられた。ものすごい力で私は軽々持ち上げられる。すぐにラスティを救おうと、ラスティを腕の力だけで天使の方に投げる


「ウグゥ…」


「詠唱をやめろ、こいつが死ぬぞ」


「『聖神「ダメ!」


天使が構わないといった表情で魔法を放とうとするが、ラスティが大声で止める。急に邪魔が入ったせいか、魔法のために集まっていた魔力が消えていく。魔族は嬉しそうにニヤニヤと笑う。天使は小さく舌打ちすると剣を構えて迫ってくる。私ごと斬り伏せてくれて構わない。荷物になりたくないしな


「やめて…」


「なぜだ!奴を殺すチャンスではないか!」


天使が途中で、振り返り声を荒げる。私もラスティの考えていることが理解できなかった。


「友達だもん」


「一人の命と引き換えに多くの命が助かる可能性もあ


天使が最後まで言い切る前に、魔族が天使の顔面を殴りつける。天使は嘘のように壁をぶち破る。


「はははは!こりゃ、おもしれー。」


魔族は満面の笑みで倒れているラスティの髪を掴み顔を向けさせる。その顔は目を真っ赤に充血させ歯をくいしばっていた。


「最高の表情だ。俺はその顔結構好きだぜ?豚の餌にしてやりてぇ」


悪魔はそのままラスティの髪を掴んだまま、魔族が先頭になる時に置いた何かの元に向かう。何か…それは顔がない死体…赤いジャケット…それと、あの体躯…見覚えが…

悪魔は片足を死体に乗せる。


「こいつ知ってるか?ははははは!」


「く、狂ってる!」



「モールス!なんだ、この状況は!説明しろ!」


「学園に魔族が現れました。」


「なんじゃと…どこじゃ、いますぐワシが討伐をする」


「学園魔法の許可を」


「貴様…もしや、まだ使っておらんかったのか…」


「申し訳ない…」


「じゃから、サウロンやディルが…いや、魔族が来ているなど、何も言っていなかったな…ワシが魔法を使う。」


「シリウス!!!私の…ディルはどこにいる!!!」


「ローズついたか!アンカと共に隠れていなさい」


「アンカが!いないんだ!黒馬に噛まれたと思ったら、ここにいた!説明してくれ!」


「何じゃと!?アンカがいないじゃと!?最後にいたのはどこじゃ!話せ」


「黒馬でかけていると、なぜかディルがいて、」


「アンカがいた時、ディルもいたのじゃな!」


シリウスがローズの肩を掴み、叫ぶ。それにローズも叫びながら答える


「いた!だけど、あの恐ろしい黒馬が近くにいる!まさか、黒馬に!私は国に戻る!」


「待て、あの黒馬はディルの飼い馬じゃ!ディルがいるなら、安心じゃ!」


「なぜ、そんなことが言える!貴様も悪魔か!この私から子供を奪おうとするなら、ただではすまぬぞ!」


「ったく…『安眠』」


シリウスが暴れるローズの目を手でそっと覆い睡眠の魔法を使う。ローズは力なくその場に倒れる。


「『学園のあるじとして、学園に命ず。学園にいる全生徒を『籠れ』。教員をここに『集合』させろ』


シリウスが大きな声で学園にっ向かって叫ぶと、学園が真っ白な光に覆われる。

『籠れ』の一言で、学園で授業をやっていた生徒は皆、強制的に自室に転移され出ることも入ることもできなくなる。

『集合』の一言で、学園いた教員は皆シリウスの指示した場所、目の前に転移させられる。


「ん?ここは、どこだぁ?」



魔族が死体に足を乗せると、突然どこかに引っ張られる感覚が襲ってくる。


「ちっ…だが、どこへも行かせはしないんだなー」


魔族は両手で私とラスティに、魔力を流してくる。黒く気持ち悪く体が全力で拒否をするが、魔族はなおも入れてくる。


「ん?この死体もどこかに転移するみたいだな…行ってみるか」


そう魔族が言うと、一瞬で視界が変わった。目の前は校舎ではなく木々だ。森だ…


「ん?ここは、どこだぁ?」


「ヒィー、魔族!?」

「魔族だ!!!」


多くの戸惑う声が聞こえる。声質から皆教師だと理解した。これなら、私も助かるかもしれない…



「皆、落ち着くのだ。魔族、その手を離せ。」


「シリウスじゃなーか…早いな」


「貴様、先の魔族だと!?なら、ディルはもしや…」


「ディル?…ああ、あのクソガキか…ぜってー殺す」


どうやらまだ生きているようだ。しかし、どうやって魔族から生徒を守?…

考えていると、突然空から何かが飛んでくるのがわかった。


「貴様は許さん、」


「何!?天使…いや、大天使ではないか!」


大天使はものすごい速度でまっすぐ魔族に真っ赤て飛んでいく。魔族は軽く舌打ちすると、手につかんでいた一人の少女を天使に投げつける。天使はすぐに速度を落とし、少女をそっとだきしメル


「そいつはいらねぇ…こいつがいればな!」


魔族はもう一人の少女の頭に触れると、そのまま目を閉じた。一瞬、魔族と少女が黒い魔力で包まれた。そして、黒い魔力が止むと、そこには力なく倒れる魔族と、真っ赤な目をした少女が立っていた。少女は軽く肩を鳴らす


「いやー。視線が低いな…おお!魔力の上限高いな、さすがだ。」


「貴様!その体を返せ!」


天使が焦った表情で叫ぶ。一瞬魔族がニヤリと笑うと、天使が頭を抑えてうずくまり始めた。


「まさか、天使がま・さ・か・召喚されていたなんてねーこりゃ、面白い」


「くっ…魔力が…侵されていく…」


魔族に切りかかっていた天使の持つ剣がどんどんと黒くなっていく。天使自身も全身をかきむしり暴れ始める。目には完全に白目になり、どんどんと姿が黒くなっていく。


「おもしれぇー。クソみたいな聖魔力が真っ黒く染まっていくぜ」


「おい、その子から出て行け!」


「シリウスかー。それ、天使さん。相手してやれよ」


「ウガガガガガガ…」


天使はなおも体を痙攣したようにピクピクと動かしている。


「まあ、いいや。天使に命ず、この学園にいるものを殺せ。」


天使は突然立ち上がり、まっすぐにシリウスを見る。天使は手を広げると、真っ黒な剣が握られていた。その目は真っ赤な涙を流している。


「御意…」


そういうと、天使は剣を振り回しシリウスに迫る。シリウスは魔族に打とう準備していた魔法を天使に打つ。しかし、天使は剣で魔法を受け止めると、そのまま弾き飛ばした。


「さて、俺は帰るかな〜」


「待て、絶対に逃さない…ラスティの体から出て行け」


悪魔に投げられた少女が、体を乗っ取られた少女の体に抱きつく。どう見ても勝ち目はない。相手は魔族だ。


「お前かー友達っていいよなー気持ち悪くて、俺ゲテモノ好きなんだわー」


「出て行け」


「放せよ…殺すぞ」


「殺しても構わない…ただ…その体は…友達なんだ…」


「うぜー。」


魔族は抱きつく少女の顔面に肘を入れる。ドゴっと鈍い音がするがそれでも少女は離さない。

そこから魔族はムッとしたのか、何度も顔やほおを殴り続ける。すでに少女の顔の骨は折れ、鼻は曲がり歯が飛び散る。殴られた頭は陥没しているのか、ボコボコだ。

それでも離さない少女に切れた魔族は、少女の腕を無理やりほどくと、そのまま方をひねり上げ肩を3回転ほどさせる、腕からはゴキゴキゴキと人体からは聞こえない音が響く。それでは気が済まないのか、魔族は少女の腕を掴んだまま胸に何度も膝を入れる。あまりの衝撃に頭が上下に激しく動く。体は吹き飛びそうになるが、魔族が腕を掴んでいるせいで吹き飛ぶことができず直で膝の攻撃を受ける。


「ひどい…」


誰かの声が響くほど、あたりは静かになっていた。天使ですら動かず、少女を見ていた。

悪魔は気が済んだのか、少女から手を離すと、何やら詠唱を始める。だんだんと黒い何かが魔族に集まり始める。

すると、少女が魔族の足に這いずりながらも近く。ズ…ズ…と服を引きずる音が聞こえる。

魔族は深くため息をつくと、詠唱をやめ足元の少女の頭を掴み持ち上げると、そのまま腹の辺りを蹴り少女の体は吹き飛ぶ。再び詠唱する魔族…誰も止めない…

詠唱が終わったのか、振り返る魔族


「それじゃあ、あばよ〜天使、あとはよろしく〜」


魔族はそういうと、体を多くの蜘蛛に変え消えていった。


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