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72話

私の名前はリーゼル。この学園を卒業し10年間魔法省で働き、その後この学園に招かれ変身魔法学の講師をしている。

現在三賢者の学園で最も安全と言われていたこの学園が危機に陥っている…シリウス校長の留守、結界の消失。魔族の襲来…今学園の希望は校長が戻ってくること…ただ一つ。


「モカ、フラン!私についてきなさい。高級生の校舎から調べます。」


私が教えている生徒の中で、最も優れた生徒を二人連れ校舎を調べる。モカ=ドリーは、私の若い頃のようにおとなしく冷静に魔導を突き詰める勉強熱心な子。フラン=ドルートは魔導に情熱を注ぎ、新たな魔法を開発しようと情熱を注ぐ勇敢な子。この二人と私なら…


「『人と獣の境界線 象る姿は偽り 真実を隠して我が体に憑依せよ 『噓偽』」


私は変身魔法を自分にかけ、姿を変える。変えたのは獄楼狼と呼ばれる魔獣だ。私が変身できる生物の中で最も移動速度が早いからだ。私は二人を見ずに、一気に学園に駆け込む。しばらくすると、後ろから2mほどの鷹と紫色の体色をした豹が追いかけてくるのがわかったので速度を落とす。鷹はモカの変身魔法で、豹はフランだ。

校舎を一気に駆け上がり、廊下を駆け巡る。見落としがないか、確認しながら駆けていくが何も見つからない。上まで調べると、今度は中級生の校舎を調べようと階段を降りようとすると突然下から何かが近づいてくる。

私はそっと速度を落としながら、その気配に近づく。それは真っ黒い肌をした吸血鬼だった。数は3体…関わっている時間はないが、まずは報告が第一だ。念話をモールスにかける


『モールス様、中級生階段にて吸血鬼を三体確認。』


『了解した。わかっておるな』


『はい…』


短い念話が終わると、一気に吸血鬼に近づく。相手が認識できないほどの速さだ。目には見えていない…

一瞬で吸血鬼の頭に無詠唱魔法を叩き込む。なぜ、この私が校舎を見てこいと言われたのか…それは私には『幻影魔法』が使えるからだ。かけた相手には自分の魔力が続く限り、幻影を見せることができる。今、この魔法が使えるのは三賢者以外に誰もいないとまで言われている…吸血鬼はおそらく、無限に続く階段を上っている幻影を見ているのだろう。


「速度を上げます。ついてきなさい」


「「はい」」


二匹の返事を聞きながら高速で降りていく。中級生の校舎は三体だけのようで、そのまま初級生の校舎に向かう。確か近くに魔族と戦闘をしているアニスくんとコルクくんがいるんだ。

私はまずは上の校舎に向かう。今は授業中で皆が静かに授業をしている。階段を駆けていくがここには誰もいないようだ。おそらく、あの三匹の吸血鬼が分かれて校舎を襲うつもりだったのだろう…よかった…


『モールス様、校舎の確認は終わりました。三匹だけのようです』


『そうか…わかった。アニスとコルクの様子を報告してくれ』


『わかりました』


念話を着ると、すぐに階段を降りアニスとコルクが駆け付けた保健室前の廊下に出る。もしもの場合に備えて、体を壁に隠しながら廊下を見る。そして、私は目に映る光景を初めて嘘だろうと思った。


「ガハッ…クソがぁ…」


「ァガッ…ウ…」


ありえない…私が魔法省で働いている時から有名な冒険者だった二人が今地面に倒れ、四肢は無残にも切り落とされかろうじて生きているほどだ。コルクくんに至っては胸が動いているだけだ。すぐに駆け出して、二人を救助しなければ。今ならまだ助かる可能性が…そう思った時、二人をこのような状況したと思われる少女の姿をした魔族がゆっくりとアニスくんの頭を掴み、コルクくんの頭に足を乗せる。


「さようならー」


「クソガァああああああああああああ!!!!!!」


可愛らしい声には感情がなく、冷たい一言だった。その声とともに、アニスの頭は握り潰され、コルクの頭は踏むみ抜かれた。ビチャビチャと、不快な音と共に血肉が飛び散る。

私はなぜか冷静になっていた。この事実を伝えなければ。そう思い、モールスに年わしようと魔力を頭に集めていくと、突然頰が熱くなったと感じた瞬間に私の体は吹き飛んだ。まるで水切りのように地面に何度もぶつかりながら吹き飛ぶ…


「リーゼル様!すぐにモールス様の元に!」

「時間を稼ぎます!」


二人は姿を人に戻し、杖を魔族に構える。二人は理解していたのだろう…

なぜモールスが数人を連れてと言ったのか。それは私を守ること…たとえ死に絶えようとも私が逃げる時間を作る


「『地は砂に 底のない砂に 迷いしものを巻き込め 『砂地獄』」


「『破壊の衝撃 価値の無い鉄屑 我が魔力で兵となれ 『鉄兵騎士』」


モカの詠唱で、魔族の足元の地面が小刻み揺れ始めだんだんと砂になり、どんどんとすり鉢状になっていく。魔族は砂に体の半分が飲まれていき、抵抗しているが逆にどんどんと埋もれていく。フランの魔法により、校舎の壁や床から鉄棒が飛び出し、砂に飲まれていく魔族に向かって飛んでいく。


「すまない…」


私は小さな声でそう呟くと、必死に駆け出した。自分の出せる最高の速度だ。

視界が高速で変わっていく…中級生校舎…高級生の校舎…廊下が流れていく。



「さて、戻るぞ。予想以上に時間がかかっている…結界をかけ直す必要があるしの…」


「そうか、わしはいかんぞ。勝手に行け。」


「その体は学園の生徒のものじゃ」


「ちっ…だが、少し借りる。」


「わかった。ハマル!ケルピーを連れて近くの町まで移動するのじゃ。馬車は使えん」


「わかりました、お気をつけて」


「うむ…」


シリウスはそっと自動車に手を触れると、馬車が光輝いていく。これは馬車が移動する時に運転者の魔力を魔素で増やし貯めた魔力を、自分の取り込んでいるためだ。一回で、シリウスの魔力を8割回復できる。

回復しきったシリウスはすぐに転移魔法の書かれた魔法陣を取り出し魔力を込める。


「では、気をつけるのじゃ。ハマル、ケルピー」


そういうと、一瞬でシリウスの姿は消えた。



「モールス様。報告です。」


「おお、帰ったか…」


「はい。アニス、コルクは死亡。死亡です。」


「そうか…わかった。しかし…これは困った「キャァ!」


突然空に黒い影ができると、勢いよく女性が転がってきた。女性はぐるぐると地面を3度転がるとそのまま大の字で寝っ転がった。周囲にいた教師はすぐに剣を構え戦闘態勢になる


「いててぇ…っここはどこだ!?」


「あ、あなた様は…もしや…」


「私はローズ=アヴィオール。すまないが、ここはどこか教えてくれるか御老体」


「ここは、メッタルム学園の高級生の森でございます」


「なん…だと!?」

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