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71話

ガヤガヤ…

夜が明けない魔族の地。しかし、ここは眩しいほど明るい…ネオンが光多くの異形な者たちが笑顔で歩く。二足歩行をする狼や首の騎士…種族に関わりがないように皆、騒いでいる。


「サリバン様、万歳!万歳!」


「「「万歳!万歳!万歳!」」」


酒場と思われる建物に大声が響く。叫んでいるのは中央に目が一つ、頭に一本のツノを生やした鬼…モノブロスだ。そのモノブロスの掛け声に合わせ、酒場にいる全員が叫ぶ。ここは種族も男も女も関係ない平和で楽しく、そして魔王の統治する国。万歳三唱が終わると、皆再び騒ぎ始める。


「それにしてもサリバン様のおかげでミノタウロスのやつらも、救われたんしな!さすがだぜ!」


「このままサリバン様が魔界を支配してくれればいいんだけどな!」


「そうだな!しかし、聞く話サリバン様はそんなことする気はないそうだぞ?」


「マジかよ!戦なら、俺は進んでいくのによ!」


「俺もだ!同士よ!乾杯だ!」


「おうよ!」


「「乾杯っ!!!」」


そんな酒場の前を一台の豪華な馬車が通り過ぎる。全体は黒く統一され、細かい彫刻まで施されている。見るからに貴族様が乗っていそうな馬車だ。馬車はそのまま真っ直ぐ、道を進む。この道の先にあるのはサリバンの城



「全くうるさい国だ…」


そういうと男は読んでいた本をゆっくりと閉じる。分厚くかなり古いものだと思われる本。男はそっとメガネをかけ直し、カーテンの隙間から外を見る。


「静かにしてきましょうか?…」


男の前に座る甲冑の男が、持っていた剣を持って馬車から出ようとする。男は興味がなくなったのか、見るのをやめると再び本を開き始めた。


「よせ…まだサリバンを敵に回すな…」


「はっ…承知しました」


男が甲冑の男を止めると、すぐに馬車の操者から声がかけられる。


「もうすぐつきやすよ」


「そうか…さて。わかっているな?」


「はい。承知しております。」



「つきやした…」


その声とともに馬車のドアが開かられる。甲冑の男が先に馬車から出ると、本をパタンと閉じ同じく男も出て行く。色白い肌、透き通った綺麗な銀髪…男は少し広角を上げる。不気味なその笑みから、鋭く尖った犬歯が二本あやしげに光る。



「キャァー!」「誰か助けてくれ!」「押すな押すなよっ!」


「ふふふ〜逃げまどえ〜」


多くの生徒がものすごい形相で逃げていく。『死に物狂い』とはこの事かとわかるほど、必死に逃げる。男子生徒は女子生徒を押し飛ばし、誰かが押せばすぐに押し返される。広く感じた廊下は多くの生徒でごった返す。

振り返れば真っ赤に染まった廊下に横たわる生徒たち…逃げまどう生徒たちを追いかける少女…


「ん?名前なんだっけ…えーと…ああ?ああ、エルフと飯を食ってんな…それと、男か…名前はカフ…エルフはなんだ?記憶に乗ってないな…くそ、使えねーまあいいか」


多くの生徒が逃げまどう中、とある女子生徒が後ろから押されバランスを崩した。女子生徒は倒れまいと前の生徒の服を掴む。しかし、前の生徒も必死で掴む腕を引き剥がそうとする。ついに女子生徒は倒れた


「あっ…たすけっ!あ!…やめっ!」

生徒たちは次々走り抜ける。何度も立ち上がろうとすれば蹴られ、踏みつけられた。女生徒が解放された頃には、すでに他の生徒は先にいる。


ペタペタペタ…


廊下を歩く音が聞こえる…女性とからして見れば死へのカウントダウンのようなものだ。女生徒は必死に立ち上がろうとするが、体はすでにいうことを聞かない…足が折れ立つことができない。女生徒は立つことはできなくても、必死に地面を這い蹲りながら必死に逃げる。


ペタペタペタ…


どんどんと足音が近づいてくる。すると、突然髪の毛を掴まれた。ものすごい力のせいで、頭が上がる。


「あ?生きてんのか?こいつも…いや、いらねーか」


「い゛や゛はなぢてぇ!じにがぐない…おがぁざん…おどうざぁん!」


「うるせーな…すぐ殺してやるよ」


女生徒は必死に目を閉じる。少しでも恐怖心を消そうと、目を閉じる。体は全身に力が入り少しでも痛みに耐えようとする…そして、一瞬女生徒の体に衝撃が加わったがそれは痛みではなかった。女生徒は驚いて目を開くとそこには…首なしの騎士が体を抱いていた…


「キャァーーーーー!!!!」


女生徒は大きな声で叫ぶと、そのままガクッと首が垂れた。気絶したのだ…


「馬鹿野郎!デュラー!大事に抱えとけって言ったろうが!」


鎧騎士は必死に体を動かし、自分は何もしていないと言おうとしている。


「おまえたちは何をしている!学園の危機なのだぞ!」


真っ赤なジャケットに真っ赤な髪の男が剣を少女に構えている。叫んだ男もすぐに、少女に方を見るとすぐに拳を構える。ゆっくりと少女の隙を伺う。そのうちに鎧騎士は女生徒抱えたまま走り去る。


「久しぶりだな…コルク…何年ぶりだ?」


「5年ぶり…いや7年ぶりか?…アニス。しかし、久しぶりの戦闘が魔族とはな…」


「ははは!ドラゴンよりかわ可愛いもんだ。さて…校長が帰ってくるまで持たせるぞ。」


「そうだな…」


△時間は少しさかのぼります


「はぁはぁ…」


私は必死に逃げている。あのブラッディピクシーに襲われた少女が逃げ惑う生徒を殺していた…あれは多分少女じゃない…魔族だろ…闇魔法…

ラスティの召喚したあいつなら…いや…まずはモールス先生に報告をしなければいけないだろう…私は高級生の森に向かって走っていく。廊下には誰もいない…生徒は教室で自習だった。

なるべく近道を進んで行く。息が苦しくなるが、それでも無理やり体を動かし走る。何分と経っていないと思うがなんとか高級生の森に着いた。靴箱から出る時間が勿体無いので、そのまま勢いをつけて窓ガラスを蹴り破る。

大きな音と共に衝撃を抑えるため地面を転がり着地する。


「何事だ!誰だ!今は自習…カフじゃないか!おまえは終生の森を…まさか!失敗したのか!」


見上げるとそこにはアニス先生だった。アイス先生とは学園の中でもかなり腕の立つ剣士で有名だ。


「あ、アニス先生!ほ、保健室でブラッディピクシーの時の少女が!人を殺して…」


「なんだと!?…こっちに来い!」


「ま、待ってくださ…息が…はぁはぁ」


「しゃらくせー!」


アニスはそのまま私を抱えると、そのまま走っていく。こ、こんな…私を…抱えて…は、恥ずかしい…

これが…もしかして…ディルもこんな感じなのかな…はっ!何をぁんがえているんだ!私は!…


「おい!おい!カフっ!」


「…はっはい!すいません!」


目の前にはモールスや他の先生方が集まってきていた。空気がとても重い…


「ほ、報告します!私が保健室で魔力回復用のポーションを取りに行った際、ブラッディピクシーの件で襲われていた少女が多くの生徒を黒い魔法で襲っている現場を見ました!」


「な、なんじゃと1?…黒い魔法…まさか…」


「闇魔法…だと思います…」


「アニス、コルク!すぐに行け!デュラー、お前もだ!リーゼル、何人か連れて学園内を調べろ。他に怪しい奴がいないか調べろ!いけ!」


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