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19話T

いつもより早く目をさました俺は、すぐにステータスの確認を行う。昨日アンカの誕生会に出席することが決まった…と言ってもアンカの護衛としてだが。そしてローズと数名のメイドやお手伝いさんにかけた影盗聴(シャドウコール)により色々な情報を入手したが今回のアンカの誕生会は他国の貴族も大勢来るらしく、かなり大きなものになるらしい。人がいればその分事件が起こるので、俺の愛おしい妹に何か起こらないように万全を尽くすと同時に、多くの貴族に影盗聴(シャドウコール)をかけるつもりだ。なるべくこの世界の知識が欲しいしな…


「さて、とりあえず戦闘が起こった場合は魔法なしで対処するか…シリウスにバレたら面倒だしな。」


ーーーーーーーーーーーーーー

☆スキル

・魂記録

・闇領域

・疾走

・闇魔剣術 lv9

・闇魔法 lv9

・火魔法 lv2

・闇触力得 lv3

・詠唱破棄 lv3

・剣術 lv7

・槍術 lv7

・弓術 lv3

・偽装 lv6

・狂言 lv5

・無表情 lv6

・身体強化 lv6

・物理耐性 lv5

・魔法耐性 lv3

・苦痛耐性 lv4

・精神攻撃耐性 lv3

・野性的格闘 lv1

ーーーーーーーーーーーーーー


使えるとしたら剣術と槍術に耐性系スキルか。危険を予知できるようなスキルがあればいいのだが、そんなワガママは言えないか。まあ、何か起こればすぐ対処すればいいだけだ。最悪アンカを救うためなら魔法もバレても構わないつもりだ。アンカはそれだけしてもいいように思える。


「初めての公の場に出ると決まって緊張しているのかな…俺らしくないな…」


俺はそっと髪をかきあげながら窓から空を眺める。デュークもまさか俺に妹ができるとは思わなかっただろうな…

俺は頬を軽く叩き気を引き締め、いつもより早く練習着に着替え腰に昨日ウォッカからもらった『星斬り』を腰に差しシリウスからもらった魔法の杖を星斬りとは逆の腰に差す。そういえばこの杖の名前を聞くの忘れたな…



いつもより早く練習場に着いたため、俺以外に誰もいなかった。さて、ちょうどいいので星斬りに慣れるため素振りでもと思い真っ白い鞘から星斬りを抜く。本物の剣を持ったことがあるが、比べものにならないほど星斬りは軽くうっすらと光を反射する刀身はかなりの切れ味と見ただけでも理解出来る。昨日ウォッカと模擬戦をしたがあの時は興奮もあり感じなかったが、この剣は異常だ。剣術スキルを発動させていないのに、発動しているような感覚だ。もしかしたら昨日ウォッカを殺していたかもしれないな。素振りをするのはやめておこう…


「おう、ディル。朝早いな。気に入ったか?やっぱりお前も子供だな〜」


そう声をかけてきたのは大きな皮袋を背負ったウォッカだった。ウォッカの俺のむける目はまるで子供がおもちゃで遊んでいるのを見ている祖父のような暖かな目だった。実に不服だ。


「おはようございます。子供ですから。それで、その荷物はなんですか?」


「ああ?こいつはお前へのプレゼントだ。まあ、一時的なやつだがな…」


「プレゼントですか?……それに一時的なとは?」


「まあ、見せてから説明してやる」


そういうとウォッカは皮袋を下ろし広げると、中には黒色に光る皮製のコルセットのような鎧と、皮製のロングブーツ、肘まですっぽりと収まる手袋。茶色の武器を固定できる革ベルト。そして、大きな黒いロングコートが入っていた。


「これがプレゼントなのですか?」


「ああ。とりあえず着てみろ。ちなみにこれは服の上から着るもんだからな?」


俺は言われた通り装備を着てみる。ブーツのサイズから手袋の長さまで全て俺の体に合っていた。どことなくコスプレのように思えて少し恥ずかしい。


「似合ってんじゃねーか。」


「そうですか?…」


俺はその装備に星斬りと杖を差し直してから、最後にロングコートを羽織る。襟は高く、折らないタイプで顔をだいぶ隠せるな。俺がコートを羽織るとウォッカの少し表情が少し曇った。


「どうかしたんですか?…」


「お前は俺が教育した中で最も優れたやつだ。なのに、国の紋章(エンブレム)を背負えないとはな……国王は何を考えてるのやら……俺は悔しいぜ…それにお前は俺たちと同じ鎧を着せてやりたかったぜ…」


確かに俺の背中は何も描かれていない。まあ、日本の記憶があるとコートの後ろに何か描かれてると違和感を感じるんだが…まあ、この世界ではそれが常識なのか?いや、装備だからか?よくわからなん

それにウォッカと同じ装備って、フルアーマーだろ?…あんな重い装備着たくないんだが…


「仕方ありませんよ、私は母上の実の子ではありませんから。」


「俺ならブチ切れてると思うんだがな…お前も苦労するな」


なんとも思っていないことを同情されてもと思うが、その場を乗り切ろうと適当に笑顔を作る。ウォッカは俺の顔を見ると小さく鼻で笑うと立ち上がる。


「これからお前はその装備を着ていろ。……他の奴らに牽制にもなる。」


「わかりました?」


最後の方だけ小声になっていたのだが、他の奴ら?…うーん気になるワードだが、深く聞いても答えないだろう。

俺は聞こえていないフリをすると、突然ウォッカが俺の横っ腹を蹴り飛ばそうと足を出してくるのが見えたがその攻撃に反応できず吹き飛ばされた。だが、『野生的格闘』の発動条件の敵意をウォッカが俺に向けたので発動したが痛覚が麻痺されあまり痛くなかった。俺はすぐに起き上がり、突然攻撃してきたウォッカに一言言おうとすると既にウォッカが俺の目の前まで来ていた。その目はいつもの練習の時の目ではなく殺意を感じる目だった。武器は持っていなくてもウォッカは馬鹿でかいハンマーを振り回す男だ。そんなゴリラに攻撃されればひとたまりもない。俺はウォッカの迫る拳を交わすと同時に「前蹴り」をするがすぐに躱されもう片方の拳が鳩尾に突き刺さる。先ほどの避けた大振りの拳はフェイントだったようだ。あまりの衝撃に意識が遠のくが根性で持ちこたえ吹き飛ばされながらもすぐに態勢を整える。吹き飛ばされたおかげで距離ができた。


「突然ですね…ウォッカさん…」


「突然?お前を殺そうとする人間にも、そう聞くのか?」


「わかりましたよ…」


俺はロングコートを脱ぎ、剣を固定していたベルトも外す。拳でくるなら拳で返してやる。俺は少し腰を下ろし拳を構える。構え方など何も知らないので全てイメージだ。それを見たウォッカは軽く鼻で笑うと俺に向かって駆け出してくる。俺も試したいことがあったんだよ…

俺はそっとウォッカの動きをギリギリまで見つめる。剣術スキルを発動した時、視野が広くなったり相手の行動が手に取るように理解できた。だが、それはスキルを発動しているからだと思っていた。でも、俺はその状態を経験している。なら、その状態を再現したらいいのではないかと思っていた。


「っ……っ!」


再びウォッカの右の拳が迫るが全体を見ていたのでフェイントだとすぐに気付き、躱しつつも左の拳をいなしつつ背後に回り、ウォッカの胴を両腕でクラッチすると無理やり反り投げる。昔プロレスで見たことがあった技を再現した。ドゴっと鈍い音が響く。が、やはり見よう見まねで自分の頭を地面に思い切りぶつけてしまった。まあ、痛くはないんだが頭から血が流れる。俺はすぐに手を離し立ち上がりウォッカを見ると、すぐに跳ね起き首を振りながら手を当てるがどうも効いているようには思えなかった。


「ああ〜いてぇ…久しぶりだな。こんな気持ちに何のは。どんとこいや!」


ウォッカが再び拳を構える。その目は殺意などなく純粋に楽しむ子供のような目だった。だが、


「ウォッカさん。他の人たちが集まってきましたからそろそろ」


そう、すでに多くの騎士たちが訓練をしにやってきており俺とウォッカが戦っている姿を観戦されていた。まあ、声も出さずに見ていたのと夢中になっていたので気づかなかった。俺がそういうとウォッカも当たりを見渡すと頭をかきながら俺の元に歩いてくる。


「すまねぇ、つい楽しくてな。ちと、こいつらをしごいたらもう一度やるか。」


「わかりました。俺はいいですよ」


「俺?…ははは!それがお前の本性か!」


しまった!つい癖で『俺』と言ってしまった…

俺はみんなの前では『私』を使っていたのだが…ここは素直に謝ろう…


「あ、すいません…つい…」


「ガハハハ!!気にすんな!お前は自分を押し込みすぎてる。少しは曝けだせ、せめて俺の前くらいはな?」


俺が謝るとウォッカは背中をバシバシと叩きながら豪快に笑いだす。周りの騎士たちも皆声を出して笑っている。なぜだろう…少しだけ嬉しい感情がこみ上げてくる。俺は久しぶりにここから笑顔になり大きな声で返事をする。


「はい!」


「よし!んじゃ、今日もビシバシ行くぞ!お前ら!」


「「「おう!!!」」」」

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