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18話 星斬りの実力と師弟対決

この後話を挿入するので、少々お待ちください。

今俺はウォッカの後に続いて騎士団の宿舎の廊下を歩いている。多くの部屋が続いている廊下をウォッカは何やら楽しそうに鼻歌混じりに廊下を進む。


「ウォッカさん…どこへ?」


「ん?言ってなかったか?…俺の自室だよ。もうすぐだ…」


しばらく歩いていると、人気は大きな扉をウォッカはためらいもなく開けた。俺も後に続いて部屋に入る。

部屋は机に小さめのベッドと、飾り気のない部屋だが置いてある物はどれも細かい部分まで拘っている感じがする。壁側にはあの握りこぶしを模ったバトルハンマーが鎮座してあった。

ウォッカはそっと机のもとに行くと、天板を持ち上げる。そこには薄っすらと白く光る剣が一振り置いてあった。ウォッカは懐から白い布を取り出し剣を包んで刀身を持ちあげる。そして、ゆっくりと俺に柄の部分を向けて渡してくる。


「受けとれ。」


俺は黙って頷くと柄を握って持ち上げる。もって驚いたのだが、この剣重さを感じない…軽く掲げながら全身を眺める。ウォッカは剣を包んでいた布をきれいに畳み懐にしまう。


「どうだ?」


「すごい…です…」


「そうかそうか。それをお前にやろう。『星斬り』は今を持ってお前に譲渡する。」


ウォッカがそう言った瞬間…一瞬だが発光すると次の瞬間には鞘に入っていた。突然の事で驚いていると、ウォッカが笑いながら説明する


「その剣については、深くは知らないから説明はできん。逸話なんだが、その剣はかつて星を斬り力を封じたと言われている。まあ、あまり鞘から出さないほうがいいぞ。」


「わかりました…」


「んじゃ、いっちょ外に出ろ。お前がどれだけ強くなったか見てやる。さあ!」


「はいっ!」



俺は宿舎から走って出ていくと、いつもウォッカと鍛錬する場所でウォッカを待つ。数分後、いつもの服装のウォッカ…ただ、違うのはその得物だ。バトルハンマーを担いで、ゆっくりと向かってくる。戦場でその姿を見ればもう悪夢でしかないが、今の俺は高揚感すら感じるほど心がワクワクしている。

ウォッカのその姿を見て、訓練をしていた騎士たちが何事かと集まりだす。


「ディル。本気で来い。俺は手加減はしてやるが、スキルを使う…剣を抜け!」


「はい!」


俺は先ほどもらった剣を抜き鞘を地面に置く。周りの騎士たちは何も言わずただ、俺たちの動きを見つめる。俺はゆっくりと、両手で柄を握る。その瞬間、スキル「剣術」の発動状態になる。動きに補正がでる…俺の剣術スキルのレベルが上がったことにより、さらに補正が強化されている。今ではウォッカの筋肉の鼓動、血の流れまでが伝わってくる。しかし、ここまで分っていながら斬りかかる事が出来ないのは、ウォッカにスキが一切感じられないからだ。今のウォッカはハンマーを抱えるように構えている。

俺が動かない事にしびれを切らしたウォッカは、ハンマーを振り回し殴りかかってくる。


「『圧風!』」


「くっ!」


ハンマーを振り回しながらスキルを発動したようで、強烈な風が吹き上げる。一瞬目を細めると、すぐにウォッカが距離を詰めてハンマーを振り下ろす。すぐに横に飛び退き、避けるがあまりの衝撃から地面が揺れ足場を悪くする。仕方がないので、かなりの距離を取る。


「どうした?ほら、こいよ!」


「わかってますっよ!」


俺は取った距離を詰めるためウォッカに向かって走る。ウォッカは俺の走りに合わせてハンマーを下ろそう構える。ハンマーの間合いに入ると、ウォッカがハンマーを振り下ろしてきた。騎士たちから、先の光景が想像できたのか声を漏らす。

しかし、ハンマーを下ろし始めた瞬間にスキル「疾走」を使い移動速度を上げる。


「なっ!」


ハンマーをかわすため普通なら横などに逃げると思うが、俺は走りの数倍はある速度で真っすぐ走り抜ける。

ハンマーとは重さを生かした攻撃が主で、その攻撃スタイルも重さを生かしたものばかりだ。遠心力を使った横振りや、重さを生かした振り下ろしだ。しかし、問題は次の動作までで、重さが逆に邪魔をする。

だから、一撃を躱せれば二撃目が来る前に、攻撃できる。

真っすぐ走り抜けた俺は、ウォッカのすぐ脇を走り抜けると同時にウォッカの鳩尾に剣の柄先を速さのまま当てる。


「グフッ!…」


吸っていた空気が押し出されたようで、ウォッカの口から空気が漏れる声と共に膝をついた。

俺は最初から剣術スキルの補助だけでやろうと考えていた。追加スキルは使わないと…正直今の剣術スキルのレベルが上がりすぎて、ウォッカを殺しかねない。ウォッカは胸を押さえながら、息を整え立ち上がる。


「大丈夫ですか?…ウォッカさん…」


「ああ、大丈夫だ…まさか、一撃でここまでやられるとは…お前スキルレベルを嘘ついてないか?」


「い、いえ。嘘ついてませんよ!」


「そうか…ああ!俺の負けだ!強くなったな!ディル!」


「ありがとうございました!!」


すぐに騎士たちが拍手をしてくる。とても恥ずかしいが、少し誇らしい気分になる。

俺はウォッカさんに手を貸すと、数名の騎士がやってきて俺と代わりウォッカを支える。


「ったく、お前ら!こんな小僧が俺に勝ったんだ!てめーらも、勝ってみろや!」


照れを隠すかのように、周りの騎士たちに怒鳴るウォッカはとても可愛く思えた。まあ、毛むくじゃらでチビなおっさんだけどね…


「よし!これからの鍛錬は対人戦以外に、多数を相手にする鍛錬だ。」


「はい!では、失礼します!」


俺はウォッカに一礼すると、鞘を広い剣を納める。拍手を背中で聞きながら城の中に入り汗を流そうと風呂場に向かうと、ローズについているメイドが近寄ってきた。


「ディル様、ローズ様がお呼びです!」


「わかりました。向かいます」


メイドの息が整うまで待ってから、俺はメイドの案内でローズの部屋に向かった。俺が部屋に入ると、アクィラの姿はなくアンカを抱っこした状態のローズがこちらを見ていた。暖かく、やさしい目だ…


「失礼します。お呼びですか?」


「ディル。あなたには本当に迷惑をかけたわ。それで……アンカの誕生会なのだけどディルも出席してくれるかしら?」


「私がですか?しかし、俺は…」


「父上に話してあるわ。でも、アンカの護衛という名目になってしまったけど…ごめんなさい…」


「いえ、大丈夫です。出れるだけでも光栄です」


「にぃに!いっしょだね!」


「そうだな、アンカ。母上、アンカの誕生会というと明後日ですか。わかりました。」


俺は頭を下げて部屋から出て行った。アクィラがなんか絡んできそうな気もするが…無事に終わるといいな…

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