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『虚空』その他

・九藤 朋は『虚空』と『お菓子』を使って140字SSを書きましょう!


虚空を見据えて亡き友を偲ぶ。奔放で我が儘、けれど愛される男だった。子供のように無邪気で、現実をお菓子のように甘く捉えていた。その足元を掬われ命を落とした。蛇の名を持つコルト・パイソンに弾を装填する。さあ、友よ。見守っていてくれ。今こそ君の復讐の時。流れる血の全てを、君に捧げよう。


・九藤 朋は『キスしようよ』を最初に使ってSSを書いてください。


「キスしようよ」くすくす笑いながら君が言う。たった一杯のシャンパンで、もう酔ったのかい?桃色の頬に半月のような潤んだ瞳。僕はその唇をそっとついばんだ。やはり君はくすくすと笑う。何だか頭がぼうっとして僕にまで酔いがうつったようだ。柔らかな絹に幾重にもくるまれてるみたい。君のせいだ。


・九藤 朋さんは、「夜の車内」で登場人物が「貪る」、「猫」という単語を使ったお話を考えて下さい。


誰もいない駐車場。夜の車内で貪るように唇を重ね合う。そこには理性なんかなくて、ただ剥き出しの欲望と熱情だけがある。彼女の目が猫のように細められ、さながら僕は捕食された獲物のよう。濃い紫の艶めいた夜に僕は彼女に食べられる。いや、僕も彼女に負けじと彼女を喰らうのだ。夜はまだ長い。


・貴方は間宮小路 華夜理で『長く一緒にいた影響』をお題にして140文字SSを書いてください。


華夜理は深夜、晶の部屋に向かった。彼は今日外泊する。それは修学旅行を除き今までになかった事で華夜理は置いて行かれた子犬のように心許ない心境だ。長く一緒にいた影響は自覚する以上に深く浸透していたらしい。早く戻って来ないだろうかと一日千秋の想いで待つ。晶のパジャマは石鹸の香りがした。


        『礼装の小箱』より間宮小路華夜理、出演。


・九藤 朋へのお題は〔声にならない〕です。 〔三人称(彼、彼女等)の使用禁止〕かつ〔「朝」の描写必須〕で書いてみましょう。


あたりは血の海だった。むせ返るような血臭。とても声にならない。まさか君がここまでするとは思わなかった。君は家族の遺体の真ん中に立ち、虚ろに血塗れのナイフを持っていたが僕を振り返ると朝の光のように笑った。「さあ、兄さん。これで僕と兄さん、二人きりだよ」


#リプできた単語を入れてSSを書く


・『ノコギリクワガタ』

「もう死んでるんじゃないか?」妹が虫籠を覗き込んで動かないので、俺は声をかけた。涙目の妹が振り返る。一昨日、俺が獲ってきたノコギリクワガタは、その時既に衰弱しているようだった。死んでしまったそいつの墓を、俺は妹と作った。あのクワガタは空に昇ったのだと言うと、妹は青い空を見上げた。


・『きなこ餅』

死んだばあちゃんが作ってくれたきなこ餅。時々、無性に食べたくなる。今日、会社で痛いミスをやらかしてしまった。上司に散々叱られた。ばあちゃんのきなこ餅が食べたい…。そんな俺の前に、女子社員が計ったようにきなこ餅を差し出した。コンビニで買った物だと言う。「甘い物は元気が出るから」


・『彼岸花』

「死者を連れて行くってね」「彼岸花?」「そう」「誰から聴いたの」「忘れた」暗い繁みの中、群れ咲く彼岸花を見ながら会話を交わす。あともう少しだ。「でも相応しいと思わない?今の私達に」「そうだな」そう言いながら僕達は、死者を埋める穴を掘り続けた。そんな僕達を赤い彼岸花だけが見ていた。


・『抹茶ラテ』

もうすぐ次の講義が始まる。俺は抹茶ラテを飲む彼女を見ながら焦っていた。今日こそ、今こそ彼女に告白するんだ。自分はさっきからコーヒーを何杯もお代わりしながら、俺はあと少しの勇気が出ないでいた。「抹茶ラテ、よく飲んでるよね」出てきたのは見当違いの言葉。「好きなの。君と同じ位」「え?」


・『コンクリートミキサー車』

コンクリートミキサー車の回転に俺の運命は委ねられた。「組織を裏切った報いを受けろ」ボスが言う。ミキサーが俺を括りつけたまま回転を始める。畜生、誰だ。誰が俺の裏切りを密告しやがった。命運が尽きようとする前にそれだけは知りたくて居並ぶ面子を見渡す。その内、骨が粉砕される音が聴こえた。



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